Oracle(=オラクル)といえば、一般的にはOracle社が開発・リリースしているOracle Databaseのことを指します。
以前に比べてMySQLやPostgreSQLなど他のデータベースの利用が進む中、「脱Oracle」という言葉も聞かれます。
Amazonも2019年には自社内のデータベースの脱Oracle化を行いました。
しかし、Oracle Databaseは依然として世界で高いシェアを持っており、企業の間で幅広く利用されています。
こうした高いシェアを持つOracle Databaseにはどういった特徴や強みがあるのでしょうか。
Windows VPSならWinserver!
★丁寧な電話サポートで安心★
\ 2週間無料でお試しできます! /
Windows VPSを使ってみる
目次
Oracle Databaseとは
世界的に高いシェアを持つOracle Database。
その特徴についてみていきましょう。
データベースの種類
Oracle Databaseについて解説する前に、基本的なデータベースの種類について触れておきましょう。
データベースには、主に以下三種類です。
階層型データベース
階層型データベース(=階層型データモデル)は、名前の通りデータが階層のように構成されており、ツリー構想(木構造)を取っています。
一つの親データ(ノード)に対して、複数の子データ(ノード)が存在し、親と子は「1対多」の関係となります。
会社の組織図で例を挙げてみると、社長の下にはいくつもの部署があり、部署の下には違う業務を担当する課が存在します。
但し、複数の課に所属する人物がいた場合、それぞれの課に登録する必要があり、重複登録となってしまいます。
階層型では、1つのデータを探す手順は1通りしか存在しないため、速度が非常に速いというメリットがあります。
一方、データの追加や削除を行った場合、ルートの再登録が必要となるなど、柔軟性が低いというデメリットがあります。
ネットワーク型データベース
ネットワーク型データベースは、階層型と異なり、1つの子データ(ノード)から複数の親データ(ノード)へのアクセスが可能となります。
これらのノードの繋がりが網目上になることから、ネットワーク型と呼ばれています。
複数の課に所属する人物がいた場合においても、ネットワーク型であれば、該当人物を重複登録する必要はなくなり、階層型で課題となっていた冗長性を排除する仕組みとなっています。
しかし、階層型と同様にプログラムがデータ構造に依存してしまうため、「データの柔軟性」については高くないと言えるでしょう。
リレーショナル型(RDB)
リレーショナル型とは、データを行と列からなる表形式にして保管するものです。
SQLと呼ばれる言語を利用して複雑なデータを操作できるなどのメリットがあり、非常に幅広く利用されています。
このリレーショナル型のデータベースを管理する仕組みを「リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)」と呼びます。
このRDBMSの代表的なものにOracle Databaseがあります。
その他、「RDBMS以外のデータベース」という意味を持ち、近年注目されているNoSQLについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
2022.06.09
NoSQLとは。データベースの特徴と、RDBMSとの違いを解説
データベースで現在主流となっているのは、OracleやMySQLなどに代表されるRDBMS(リレーショナル・データベース管理システム)です。...
DBMS市場で高いシェアを維持するOracle Database
Oracle Databaseは、1979年に世界初のRDBMSとしてリリースされた、代表的なRDBMSのひとつです。
IT分野を中心とした調査・助言を行うガートナーの2021年のDBMS市場占有率調査によると、1位のMicrosoft(24.0%)、2位のAWS(23.9%)に次いでOracleは第3位のシェア(20.6%)となっています。
RDBMSといえばMySQLも代表的なひとつです。
MySQLについては、こちらの記事でも詳しく説明しています。
2020.08.27
MySQLとは。特徴や強み、無償版と有償版の選び方を解説
MySQLは、Oracleなどと同じように世界中で幅広く利用されているデータベースです。「大量の情報を高速で扱える」、「耐障害性が高...
Oracle Databaseの特徴
Oracle Databaseは以下のような特徴があります。
- 高い堅牢性を持つ
- 行レベルでの排他制御「行レベル・ロック」を行うことで、同時に多くのユーザーが利用できる
- 検索時点のデータを読み取ることが保証される「読み取り一貫性」
- パフォーマンスの向上、機能拡張などビジネスニーズを満たす機能
など
ビジネスで必要とされるニーズを満たすOracle Databaseは、solid ITの調査による、データベース市場ランキングにおいて、第1位という高いシェア率を持っています。
なお、2023年1月現在は、バージョン19cが最新版となっています。
Oracleの強み
リレーショナルデータベース含めて、データベースにはさまざまな製品があります。
これらと比べてOracleはどういった強みがあるのでしょうか。
他のデータベースとの比較
主要なRDBであるMySQL, PostgreSQL。
加えて同じRDBである商用データベースのMicrosoft SQL Serverとも比較してみましょう。
Oracle Database | MySQL | PostgreSQL | MS SQL Server | |
---|---|---|---|---|
価格 | 有償(高価) | 無償版もある | 無償 | 有償 |
サポート 体制 | 充実 | ある | それほどない | 充実 |
プラット フォーム | Windows Linux等 | 幅広く使える | 幅広く使える | Windowsのみ |
機能 | 複雑な 処理も可能 | あまり複雑な 処理はできない | ある程度複雑な 処理も可能 | 複雑な 処理も可能 |
堅牢性 | 高い | 普通 | 普通 | 高い |
その他 | - | - | - | Microsoft製品との 親和性が高い |
MySQLやMicrosoft SQL Serverについて、こちらで詳しく説明しています。
2020.08.27
MySQLとは。特徴や強み、無償版と有償版の選び方を解説
MySQLは、Oracleなどと同じように世界中で幅広く利用されているデータベースです。「大量の情報を高速で扱える」、「耐障害性が高...
2020.02.06
Microsoft SQL Serverとは。他DBとの違いを解説
SQL Serverは、Microsoftが開発、リリースしているデータベース製品です。Windows OSとの相性が良いため、Wi...
Oracleの強み
他のデータベースと比較して見えてきたOracleの強みとしては、以下のようなものがあります。
- ビジネス利用に耐える高い堅牢性
- 複雑な処理を実行することができる
- 目的に合わせて機能を拡張できる柔軟性の高さ
- 充実したサポート体制
Oracle Databaseが世界中の企業で幅広く利用されているのは、こういった強みに理由があります。
Oracle Databaseと耐障害性
Oracle Databaseが圧倒的な強みを発揮してきたエンタープライズ市場では、ビジネスにおける事業継続(BCP)の観点など耐障害性や信頼性などが非常に重視されます。
こうした点におけるOracle Databaseの強みについて改めて見ておきましょう。
2021.01.14
BCP対策とは。災害や感染症などからどのようにビジネスを守るか。
昨今、世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルス。これまでにはなかったようなスーパー台風や大規模な豪雨などの異常気象。頻発す...
エンタープライズ市場で求められる耐障害性
ビジネスでデータベースを利用する場合、システムやハードウェアの障害などによってサービスが停止することはビジネス機会の損失や顧客の喪失など大きな問題につながる可能性があり、それらを可能な限り防ぐことが求められます。
Oracle Databaseが持つ耐障害性
Oracle Databaseが持つ耐障害性についての機能には、以下のようなものがあります。
- Oracle Real Application Cluster(Oracle RAC)による高度なクラスター機能
- Oracle Data Guardによる複数データベース設置と分散化
- セキュリティ診断サービスによる予防保守の実施
など
こうした機能はOracleが支持される大きな理由ともなっています。
Oracle Databaseとクラウドサービス
近年は、情報システムでのクラウド化が進んでおり、従来の物理サーバー(オンプレミス)は選択しないケースも増えています。
こうした状況の中で、たとえば最大手のクラウドサービスであるAWSでは、データベースサービスのRDSでOracleを提供しています。
このようにOracleもクラウドと連携し利用していく戦略を進めています。
クラウドサービスについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
2021.08.05
クラウドとは。インターネットサービスの種類や活用方法を解説。
私たちの生活に欠かせないものとなったクラウド。クラウドは、導入や運用のコストが安く、手軽に使えるため、大企業から中小企業、個人に至る...
Oracleの未来
今やIT業界はクラウド化への急速な流れが起きています。
この流れの中でデータベースやOracleにはどういった変化が起きているのでしょうか。
データベースを取り巻く業界の変化
クラウド化によって影響を受けているのはデータベースも同じです。
従来の物理サーバー上に構成されたデータベースからクラウドへの移行が進んでいます。
また、さまざまなものがインターネットにつながるIoTもデータベースの変革に大きな影響を与えています。
IoT機器によって集められた膨大なデータ、インターネット上に蓄積されたデータは、ビッグデータと呼ばれ、渋滞予測や気象予測に使う研究が行われています。
そして、ここでもデータベースは大きな役割を果たしています。
IoTやビッグデータについて、こちらで詳しく説明しています。
2020.07.22
IoTとは。「モノのインターネット」の仕組みや、活用事例を解説
みなさんも、普段の生活でIoT関連のサービスを目にすることがあるでしょう。IoT(モノのインターネット)とは、従来からインターネット...
2020.07.16
話題のビッグデータとは。定義や活用例をご紹介。AIとの関係性は?
「ビッグデータ」という言葉、皆さんもいろいろなところで聞くことが多いのではないでしょうか。インターネット上でのSNSへの投稿情報、検...
Oracleの未来
2019年10月12日にAmazonが社内のOracle Database環境をすべてAWSのデータベースサービスに移行させたと発表されました。
このように、Oracleを取り巻く環境の中で、大手バンダーも新しい動きを行っています。
「Migration Complete – Amazon’s Consumer Business Just Turned off its Final Oracle Database」
こうした動きがある中で、Oracleの未来はどのようになるのでしょうか。
ビッグデータの利用、IoT、AIなどに共通していることは膨大なデータを扱うことです。
データベースは、こうした多くのデータを扱うときに欠かせません。
Oracleでは、Oracle Big Dataと呼ばれるサービスも提供しています。
こうした膨大なデータは、これからデジタル時代が加速されていく中で、さらに増えていくことは間違いありません。
そうしたことからも、今後ともの重要性は増していくことでしょう。
まとめ
世界初のRDBMSとして開発リリースされたOracle Databaseは、ビジネスでの高い要求を満たす堅牢性や複雑な処理を適切にこなす性能の高さ、安定性といった特徴をもち、長年データベース市場で高いシェアを保ち続けています。
クラウドやIoT、ビッグデータの利活用など業界での大きな変化、そしてさらなるデータベースの需要の拡大を見越して各社のサービスとの連携、自社クラウドサービス、ビッグデータサービスなどOracleは今後も時代の流れにそってさまざまなサービスを提供することでしょう。
Windows Serverを導入するなら「Winserver」
Winserverは、20年以上の実績を持つWindows専門のホスティングサービスです。
お客様に快適にご利用いただくため、専門のスタッフが丁寧にサポートいたします。
サーバーを始めて利用される方の疑問にも丁寧にご案内しますので、ぜひ一度Winserverにご相談ください。
サーバー利用が初めての方には、Windows Serverがオススメ
サーバーOSには、Windows系とUnix系があります。
用途に合わせて使い分けられていますが、初心者の方にはWindows Serverがオススメです。
<Windows Serverをオススメする理由>
- 慣れ親しんだWindows系のPCと操作感が似ている
- Microsoftの製品と親和性が高い
- 30年の提供実績と高い信頼性がある
一方で、Windows Serverの利用にはライセンス費用が必要で、他のオープンソースのOSと比較して費用が高くなりやすいというデメリットがあります。
Windows ServerはWinserverにお任せ
Winserverは、Windows Serverを「高品質・低価格」で提供しており、豊富なプランから最適なプランを選択することで、不要な出費を抑えられます。
小規模環境に適したVPS(仮想専用サーバー)や、テレワークやFXに最適な仮想デスクトップ、ブログを手軽に始められる共用サーバーなど、用途に合わせて選ぶことができます。
「サーバーを使ってみたいけど、最適なプランがわからない…」という方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
VPS紹介資料
Winserverで一番人気のVPSの概要、特徴、料金プランをまとめた資料です。
Windows VPSの他、オンラインセラー向けの「PRIMA VPS」や、会計専用ソフトをインストールした「VPS for 会計ソフト」などについても紹介しています。
VPS紹介資料
Winserverで一番人気のVPSの概要、特徴、料金プランをまとめた資料です。
Windows VPSの他、オンラインセラー向けの「PRIMA VPS」や、会計専用ソフトをインストールした「VPS for 会計ソフト」などについても紹介しています。
コメント