他の人とファイルを共有したり、やり取りするときに便利なのが「共有フォルダ」。
他にもネットワークHDDとも呼ばれる「NAS」や、Google Driveのような「オンラインストレージ」を使用する方法もありますが、自分のコンピューターに共有フォルダを設定するやり方はファイルの送受信の手間がなく手軽に使えて便利です。
今回は、この便利で手軽なファイル共有の方法である共有フォルダについて解説します。
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目次
共有フォルダとは
共有フォルダは、他の人とファイルをやり取りしたり、共有したりするときにとても便利な方法です。
共有フォルダとはどういうもので、どうすれば使えるのでしょうか?
共有フォルダとは
自分が使っているコンピューターの特定のフォルダやファイルを他の人がネットワーク経由で使えるようにする仕組みが「共有フォルダ」です。
普通、コンピューターを使う場合は、利用者が一人でフォルダやファイルを利用し、他人にデータを渡す場合はメールやUSBメモリなどを使う必要があります。
しかし、共有フォルダを使うとネットワーク経由で手軽にデータをやり取りできるだけでなく、複数人で共同作業をするといったことも可能となります。
共有フォルダの種類
共有フォルダには、大きく分けると以下の3つの方法があります。
- コンピューター上に作成する共有フォルダ
- NAS(Network Attached Storage)に作成する共有フォルダ
- クラウド上のオンラインストレージ上に作成する共有フォルダ
いずれも、「ネットワークで複数の人がアクセスしてフォルダやファイルを共有できる」といった特徴があります。
本記事では、最も便利で手軽な「コンピューター上の共有フォルダ」について解説します。
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共有フォルダの設定方法
共有フォルダは、実際にどのようにすれば設定することができるのでしょうか。
以下では、Windows11での設定方法について解説します。
<Windows11での共有フォルダの設定方法>
①エクスプローラーで共有したいフォルダを選択する
②右クリックし「その他のオプションを表示」をクリックする
③メニューから「アクセスを許可する」-「特定のユーザー」をクリックする
④共有するユーザーを選択して「追加」する
⑤アクセス権限を選択する
「アクセス許可のレベル」で、以下から付与したいアクセス権を選択します。
- 読み取り:他のPCからファイルを開いたり、コピーしたりできる。
ファイル作成や変更は出来ない。
- 読み取り/書き込み:ファイルを作成したり、更新したりすることができる。
*「削除」もありますが、ここでは関係ないので割愛します。
⑥「共有」を押して、フォルダ共有を開始
この時点でフォルダ共有が有効になる。
⑦共有設定の確認
「ユーザーのフォルダは共有されています」と表示されるので、表示されている共有パスが正しいことを確認する。
⑧設定が正しいことを確認して「終了」
設定が正しければ、「終了」を押して設定を完了する
以上でWindows11のPCで共有フォルダを設定できました。
共有フォルダの便利な使い方
共有フォルダは誰でも簡単に設定できて、非常に便利です。
ここでは、共有フォルダの活用方法を見ていきましょう。
共有フォルダは、以下のような使い方ができます。
<使い方1:プロジェクトチームでフォルダやファイルを共有して仕事を進める>
あるプロジェクトの参加メンバーだけが使える共有フォルダを作ることで、メンバーで共同作業を行うことができる。
チームでの仕事が効率よく進められる。
<使い方2:営業先や在宅など社外で社内のデータを使える>
VPNなどと組み合わせる必要があるが、自分のPCにデータを残す必要がなくなり、セキュリティが向上する。
テレワークでも使える。
<使い方3:会議資料を共有フォルダに入れてペーパーレス化する>
会議の際に資料を共有フォルダに格納して参加メンバーで共有することで、配布資料の印刷が不要となりペーパーレス化ができる。
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共有フォルダはOSが混在していても使える?
先ほど解説したWindows以外にもOSにはいろいろなものがあります。Windows以外のOSでも共有フォルダは使えるのでしょうか。
また、他のOSと混在していても使えるのでしょうか。
Windows以外でも共有フォルダは使える?
Macでは共有フォルダは使えるのでしょうか。
LinuxはクライアントPCとしては一般的ではありませんし、多くの人にとって、Windows以外の個人で使うOSと言えばmacOSです。
結論から言うと、Macにもファイルやフォルダを共有する仕組みはあります。
Macでの共有フォルダの利用方法
共有フォルダをMacで使うにはどのようにすれば良いのでしょうか。
<Macでの共有フォルダの設定方法>
①アップルメニューから「システム設定」を開く
②「一般」を開く
③「共有」を開く
④「ファイル共有」を有効にして、右の情報ボタンを押す
⑤共有したいフォルダを追加する
⑥ユーザーの追加や権限の編集を行う
権限は、以下から選択する
- 読み出しのみ:ファイルの内容を表示するが、書き込むことは出来ない
- 読み/書き:ファイルを作成したり、変更したりできる
ファイル共有ソフトやDropboxなどのオンラインストレージを使っている場合は、他に表示されることもあります。
以上でMacでも共有フォルダを設定できました。
WindowsとMacでやりとりすることはできる?
さて、MacでもWindowsと同じように共有フォルダの機能があることがわかりました。
しかし、ここで気になるのが、「WindowsからMacの共有フォルダを使えるのか」あるいは「Macから、Windowsの共有フォルダを使えるのか」ということではないでしょうか。
さまざまな企業で、WindowsやMacが混在しているケースがあることと思います。
こうした種類の違うPCが混在している環境では、特にこの問題は直接関わってきます。
答えとしては、「使える」となります。
これには、「Windowsの共有フォルダをMacで利用する」ケースと「Macの共有フォルダをWindowsで利用する」ケースの2つのパターンがあるので、簡単に見ておきましょう。
ちなみにいずれのケースでも、操作が必要なのはMac側です。
<ケース1:Windowsの共有フォルダをMacで利用する>
①MacでFinderを開く
②メニューから「移動」-「サーバへ接続」を開く
③接続先のアドレスを入力して「接続」を押す
アドレスは以下のような形式で入力する。
smb://<接続先>
<ケース2:Macの共有フォルダをWindowsで利用する>
まずは先ほどの「3-2) Macでの共有フォルダの利用方法」を参照し、「⑥ユーザーの追加や権限の編集を行う」の画面で、右上のオプションを開きます。
その上で、以下の設定を行います。
- 「SMBを使用してファイルやフォルダを共有」→有効化
- 権限を持たせるユーザーにチェックを入れる
これらの手順を行うことで、WindowsとMacが混在した環境でも共有フォルダを利用することが出来ます。
共有フォルダのセキュリティ対策
共有フォルダを使う場合、他のコンピューターからネットワーク経由でアクセスすることになります。
他のコンピューターからアクセスする場合は、セキュリティの確保が重要となります。
この章では、こうしたセキュリティ対策について解説します。
情報セキュリティの3原則と言えば、「機密性」「可用性」「完全性」です。
- 機密性:適切な権限を持つ人のみが使えること
- 可用性:適切な権限を持つ人が使いたいときに使えること
- 完全性:改ざんなどがないこと
共有フォルダで特に関係する「機密性」について詳しくみていきましょう。
「機密性」の観点から考えると、共有フォルダへのアクセスは、以下の方針で行うべきです。
- 適切な権限を与えられた人のみがアクセスできるようにする
- 「読み書き」「読み取り」など、アクセス権限を与えられた人には必要最小限の権限を付与する
- 共有する必要がなくなった場合はすみやかに共有のアクセス権限から除外する
具体的に例を上げてみましょう。
ここで、以下の3人を設定します。
人 | 業務上許可されたこと | 業務上許可されないこと |
---|---|---|
Aさん(経理) | 経理フォルダの読み書き 総務フォルダの読み取り | 総務フォルダの書き込み 情報システムフォルダの読み書き |
Bさん(総務) | 経理フォルダの読み取り 総務フォルダの読み書き | 経理フォルダの書き込み 情報システムフォルダの読み書き |
Cさん(社長) | 経理フォルダの読み書き 総務フォルダの読み書き 情報システムフォルダの読み書き | なし |
また、共有フォルダとして以下の2つがあります。
フォルダ名 | 内容 |
---|---|
総務 | 総務関連の情報を含んでいる |
経理 | 経理関連の情報を含んでいる |
情報システム | 情報システム関連の情報を含んでいる |
これらについて、先ほどのアクセス方針をもとに、フォルダの権限設定を考えてみましょう。そうすると、適切な権限は以下のようになります。
フォルダ名 | 人 | 権限 |
---|---|---|
総務 | Aさん(経理) | 読み取り |
Bさん(総務) | 読み書き | |
Cさん(社長) | 読み書き | |
経理 | Aさん(経理) | 読み書き |
Bさん(総務) | 読み取り | |
Cさん(社長) | 読み書き | |
情報システム | Aさん(経理) | なし |
Bさん(総務) | なし | |
Cさん(社長) | 読み書き |
なお、こうしたアクセス権限の管理は、セキュリティ対策のため、コンピューター上の共有フォルダに限らずファイルサーバーやオンラインストレージなどを組織内で共有して使う場合も、同じように必要となります。
まとめ
共有フォルダは、コンピューターにあるファイルやフォルダを他の人と共有して使えるとても便利な仕組みです。
ファイルを共有するには、大きく分けて「共有フォルダ」「NAS」「オンラインストレージ」の3つの方法があり、「共有フォルダ」が最も手軽に利用できます。
便利で手軽な共有フォルダを使うことで、複数人でフォルダを共有しての作業や、外出先で安全に作業することが可能となり、業務の効率化につながります。
是非うまく活用してみましょう。
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共有フォルダ作成マニュアル
共有フォルダの作成手順と、作成した共有フォルダへの接続手順を解説します。
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