皆さんはリモートデスクトップサービスを使っていますか?
新型コロナウイルス感染症の拡大とともに、新しい働き方としてオフィスなどに出勤せずにテレワークやリモートワークで仕事をする流れが急速に拡大しました。
今や、テレワークが出来ない企業は就活生にも敬遠されるケースまであるそうです。
このテレワークやリモートワークを実現するサービスの一つが、リモートデスクトップサービス(RDS)です。
今回は、リモートデスクトップサービスについて概要や使い方、注意点などを解説します。
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目次
リモートデスクトップサービス(RDS)とは
普通、パソコンは使う人の目の前に端末があり、それを操作します。
これに対して、リモートデスクトップサービス(RDS)とは、名前の通り、ネットワーク経由でリモート(遠隔)からコンピューターの画面を操作する仕組みです。
画面を遠隔から操作するにはいろいろな方法がありますが、例えばWindowsに付属しているリモートデスクトップ接続のように、クライアントツールを起動して、操作する対象のコンピューターに接続するのが一般的です。
リモートデスクトップサービスが注目される背景とは
リモートデスクトップサービスは、外出先や自宅など、オフィスの外から遠隔で画面操作が行える便利なサービスです。
今、このサービスが注目されているのにはどのような背景があるのでしょうか。
注目される背景
「オフィス外からリモートで接続して仕事をすることができる」「自宅からでも仕事ができる」。
これが、リモートデスクトップの大きなメリットです。
従来、サーバー管理などの仕事ではリモートで作業を行うことはよくありましたが、一般にも広く注目され、使われるようになってきたのには以下のような背景があります。
- 少子高齢化による労働力人口の減少などから、より幅広く労働力を確保する必要が出てきた。
- 子育て、介護などさまざまな働き方を求めるニーズが高まった。
- IT技術の進歩とビジネスのスピード感が増したことで、出張先や外出先などでもオフィスと同じように仕事をする必要が出てきた。
- 地震や水害など大規模な災害、感染症のパンデミックなどが発生した場合でも、自社ビジネスの継続を実現する必要が出てきた。
など
リモートデスクトップサービスが世の中で広く使われるようになった一番の理由は、やはり2020年代に流行した新型コロナウイルス感染症の影響を小さくするためでしょう。
従来のようにオフィスに出社することが難しくなる中で、ビジネスを継続するために多くの企業がテレワークを導入しました。
それ以外には、労働力人口の減少によるリソース確保の難しさを解決する方法としてもニーズが高まっていることが挙げられます。
リモートデスクトップサービス(RDS)のメリット・デメリット
リモートデスクトップサービスは、利用するにあたってどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
いくつか主なものを説明します。
リモートデスクトップサービスのメリット
- 自宅や外出先でも仕事ができる
→子育てや介護などライフステージに合わせた多様な働き方が実現できる - データ持ち出しなど流出リスクが減る
→データ自体は端末でなく接続先の画面上に置くことでデータが外に出ない
- 自宅や外出先でも仕事ができる
これらがメリットとして挙げられます。
リモートデスクトップサービスのデメリット
- 導入コストがかかる
→接続先のデスクトップ画面を格納したサーバーの準備などが必要 - ネットワークセキュリティを高いレベルにする必要がある
→インターネット経由で接続するので、VPNなどセキュリティ対策をして情報が盗聴されないようにする必要がある
- 導入コストがかかる
これらがデメリットとして挙げられます。
リモートデスクトップサービス(RDS)を使うには
実際にリモートデスクトップサービスを使うには、どうすれば良いのでしょうか?
以下では、導入方法について解説していきます。
リモートデスクトップサービス導入に必要な準備:利用者側
リモートデスクトップサービスを利用するには、どのようなものが必要なのでしょうか。
単に相手のパソコンに接続するといったものでなく、リモートワークやテレワークを行うことまで視野に入れて考えてみましょう。
まずは以下の組み合わせが必要です。
- 接続先のコンピューター、サーバー(のデスクトップ環境)
- PCやタブレットなど、リモートで接続する端末
また、ネットワークのセキュリティ面を考えると、VPNの構築を検討する必要があります。
そのためにはVPNに対応したルーターや必要に応じて専用のソフトウェアなどの準備も必要となります。
リモートデスクトップサービス導入に必要な準備:サーバー側
RDSを活用したテレワーク環境を構築するためには、PCやタブレットから接続して利用するためのデスクトップ環境が必要となります。
これには、単にパソコンを遠隔から操作できるように接続を受け付ける方法と、サーバー上にデスクトップ環境を準備しておく方法の2つがあります。
安定性や利用のしやすさ等を考えるとサーバー上に環境を準備するのが良いでしょう。
したがって、後者の「サーバーを設置する方法」について、以降では解説していきます。
「サーバーを設置する方法」には、以下の2つの方法があります。
サーバー上に利用者ごとに独立した仮想の環境を用意する
こちらの方法は、ユーザーに合わせてカスタマイズ等が行えるだけでなく、他の利用者の影響を受けにくいです。
ただし、ユーザーごとに環境を準備するので、ハードウェアリソースが多めに必要であり、ユーザーごとの環境のOSライセンス等も必要となるため、コストが高くなります。
*一台のサーバー内に利用者ごとの環境があるイメージ
サーバー上の仮想環境を複数ユーザーで共有する
こちらの方法は、ユーザーごとのカスタマイズは出来ず、他の利用者と共有するので影響を受けることがあります。
ただし、ユーザーごとの独立した環境を設置するよりはコストが下げられます。
*一台のサーバー内に一つの環境があり、すべての利用者が共用するイメージ
サーバー上に接続環境を準備する場合は、この2つの方法から目的に合わせて選択することになります。
リモートデスクトップサービス導入に必要な準備:クライアント側
サーバーに設置された仮想環境に接続するためには、クライアントのPCやタブレットから接続するための以下のようなツールを使います。
- リモートデスクトップ接続(Windowsに接続する場合)
→Windowsの場合はOSに搭載されており、Macでもインストールができる。 - VNC(Virtual Network Computing)
→WindowsやMac、Linuxなどでも使える。
など
- リモートデスクトップ接続(Windowsに接続する場合)
リモートデスクトップサービスを使ってみよう
サーバー、クライアントの準備ができると後は使ってみるだけです。
実際に使う手順は以下の通りです。
- 端末で接続ツールを起動する
- 接続相手を設定して接続する
- 利用する ※実際の操作はローカルのパソコンと同じです。
- 利用終了したら切断する
大手クラウドが提供するリモートデスクトップサービス
大手クラウドサービスでは、以下のようなリモートデスクトップサービスが提供されています。
中小企業など、サーバーを設置するのにハードルが高い場合にはこのようなサービスの利用もおすすめです。
- AWS:Amazon WorkSpaces
- GCP:Google WorkSpaces
- Microsoft Azure:Azure Virtual Desktop
クラウドサービスとして提供されているため、ハードウェアなどを購入する必要がなく初期コストを安く抑えつつ手軽に導入できます。
また、クラウドサービスが提供するリモートデスクトップを利用する場合は、サーバー等の機器の運用や保守も自社で行う必要がないので、専門的な技術がない、担当者が確保できないといった課題にも解決策となります。
リモートデスクトップを利用する際の注意点
リモートデスクトップは、手軽に使えて、外出先や在宅などからでも自由に社内にアクセスして仕事ができる便利なツールですが、セキュリティ対策には注意が必要です。
- VPNなどのネットワークを使い、他人から盗聴されないようにする
- 接続IDなどを厳重に管理し、流出しないようにする
- 外出先などで利用する場合は、覗き見対策などをしっかりとしておく
他にも、端末の認証にスマホなども関連付けさせる2段階認証を行うことや、接続ごとにパスワードを発行するワンタイムパスワードなどの利用も効果的です。
VPNについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
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まとめ
テレワークは、新型コロナウイルスの感染拡大の中、急速に注目と導入が広がりました。
多様な働き方を求める時代のニーズにもよくマッチしています。
このテレワークを行うための重要なツールの一つにリモートデスクトップサービスがあります。
もっとも一般的なリモートデスクトップサービスの方法は、サーバー上に仮想環境を設置し、PCから接続するものです。
利用者は接続ツールを使うだけで、簡単に活用することができます。
テレワークやリモートワークなど、今後もリモートデスクトップサービスを使った仕事のやり方は、間違いなく拡大していくことでしょう。
ぜひ、これを機会に利用を始めてみませんか。
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