私たちの生活に欠かせないものとなったクラウド。
クラウドは、導入や運用のコストが安く、手軽に使えるため、大企業から中小企業、個人に至るまで幅広く普及しています。
さらに、国もクラウドサービスの普及を促進する政策を推進しています。
急速に利用が拡大しているクラウドサービス。
- そもそもクラウドって何?
- クラウドを導入するとどんなメリットやデメリットがあるの?
- どのクラウドサービスを選べばいいかわからない。
- クラウドサービスのセキュリティが心配
今さら聞けないクラウドにおけるさまざまな疑問から、クラウドの種類、AWSなど各社サービスの選び方やセキュリティ対策まで、クラウドにまつわる疑問を丁寧に解説します。
クラウドの導入を検討されている方は、本記事を参考に、クラウドサービスをうまく活用してください。
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目次
クラウドとは
今や私たちの生活に欠かせないものとなったクラウド。
クラウドとは一体なにもので、なぜここまで急速に普及しているのでしょうか。
クラウドとは
クラウドとは、『インターネットを通じて、インフラやソフトウェアを必要な時に必要な分だけ利用する考え方』のことです。
具体的なサービスとして説明すると、『ネットワークを通して外部のコンピューターが提供するサービス(メールやWeb、仮想サーバーなど)を利用できるサービス』を指します。
皆さんもクラウドの解説などで、雲のイラストが使われているのを見たことがあるのではないでしょうか。
「クラウド」とは、その名の通り「雲」を意味しています。
オンプレミス型と呼ばれる、ハードウェアの購入やソフトウェアのインストールが必要だったサービスが、インターネット(雲=クラウド)の向こう側にあるサービスとして利用できるようになったことからそう表現されています。※諸説あり
急速に伸びるクラウド
現在クラウドは急速に利用が伸びています。
総務省の令和4年のレポートによると、日本のクラウド市場は30%近い拡大をみせており、その普及の勢いがわかります。
日本のパブリッククラウドサービス市場は、2021年は1兆5,879億円(前年比28.5%増)となっており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機としたオフィスの移転・縮小に伴うクラウドへの移行やDX(デジタル・トランスフォーメーション)、データ駆動型ビジネスを進めるためにクラウドを活用したICT基盤の強化が進むことなどによって今後も拡大が予想される。 『総務省のレポート(令和4年) クラウドサービス市場の動向』より
このように急速にクラウド利用が伸びている背景には、以下のような理由が存在します。
- 導入コストが比較的安い導入と利用開始まで迅速に行える
- 必要な時に必要な分だけリソースを拡張できる
- テレワークやオンラインビジネスなど、場所や時間にとらわれない働き方やサービス提供の需要インターネット技術の発展
これらの要素が組み合わることで、ビジネスの効率性向上やイノベーションの促進につながっており、クラウド市場は今後も成長が見込まれます。
クラウドの種類
ひとまとめにクラウドと言っても、実はさまざまな種類があります。
ここではクラウドの種類について見ていきましょう。
クラウドには、大きく分けて自社サーバーを仮想化してクラウド化する「プライベートクラウド」と、クラウド事業者が提供する「パブリッククラウド」に分けられます。
ただ、一般的にクラウドといえば、パブリッククラウドのことを言いますので、以下ではパブリッククラウドの種類を解説します。
パブリッククラウドは、大きく分けて以下の3つとなります。
SaaS
SaaSは、Software as a Serviceの頭文字を取ったもので、サース、サーズなどと読みます。
SaaSとは、ソフトウェアを提供するクラウドサービスです。
主に、GmailやDropboxなど出来上がったサービスを利用します。
PaaS
PaaSは、Platform as a Serviceの頭文字を取ったもので、パース、パーズと読みます。
PaaSとは、アプリケーションの開発環境などプラットフォームを提供するクラウドサービスです。
主に、Google App EngineやDockerなどが該当します。
IaaS
IaaSは、Infrastructure as a Serviceの頭文字を取ったもので、イアース、イァース、アイアース、アイアスなどと読みます。
IaaSとは、サーバーやストレージなどインフラを提供するクラウドサービスです。
主に、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloud PlatformなどがIaaSに該当します。
特に従来の物理サーバーを使う方法(オンプレミス)から置き換わるのがこのIaaSです。
IaaSでは、オンプレミスと同じようにサーバー・ストレージ・ネットワークが使えるだけでなく、物理機器やこれまでの規模の保守体制が必要なくなることから導入コスト、運用コストなどを大幅に減らすことができます。
そのため、オンプレミスから急速にクラウド移行が進む理由の一つともなっています。
SaaS・PaaS・IaaSの総称として『XaaS(ザース)』と呼びます。
Xaasについてはこちらの記事をご覧ください。
それぞれの種類やXaaSのメリットデメリット、利用におけるリスクについて詳しく解説しています。
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以降は、IaaSメインでクラウドについて深掘りしていきます。
クラウド導入のメリット
クラウドを利用すると、どんな良いことがあるのでしょうか。
ここでは、クラウド導入のメリット、デメリットについて見ていきましょう。
メリット
- 固定資産としてのサーバーや、保守の体制を持つためのコストがなくなる
- 導入費用が安価で迅速に行える
- 災害時のリスクが少なく、復旧が早い
など
デメリット
- カスタマイズできる部分が限られるケースがある
- 既存システムとの連携が難しいケースがある
- インターネット回線停止によるサービス停止が発生する
など
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クラウドサービスへの初期構築や移行・運用は
クラウドサービスの選び方とは
ITシステムには、今回解説しているクラウドサービス以外にも物理サーバーやVPSなどさまざまなものがあります。
では、クラウドはどういった目的に向いているのでしょうか。
また、さまざまなクラウドがある中で、どうやって選べば良いのでしょうか。
VPSとクラウドサービスをどちらにするか検討中の方は、こちらの記事をご参照ください。
VPSとクラウドサービスの違いや、目的にあわせた各サービスの上手な活用方法について解説しています。

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クラウドが不向きな業務とは
クラウドにも不向きな業務があります。
クラウドの導入を検討される際には以下をポイントにして考えると良いでしょう。
- 自社の目的に合ったクラウドサービスがない場合
- 大幅なカスタマイズ等が必要な場合
- インターネットへの接続が制限されているなど、高いセキュリティレベルが要求される場合
など
基本的に現在のクラウドサービスでは、すべての分野をカバーしており使えない分野はないと考えても良いのですが、上記に掲げた点に当てはまる場合はクラウド以外の選択をすると良いでしょう。
どのクラウドが良い?
クラウドサービスには、大手サービスだけでもAWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、Alibaba Cloudなどさまざまなサービスがあります。
これだけ多くのサービスがある中で、どれを選べば良いのでしょうか?
大手クラウド各社が提供しているサービスには大きな違いはありません。
その上で、以下のような強みがあるので利用の際の判断材料の一つとするのも良いでしょう。
AWS(Amazon Web Service)
言わずと知れた世界シェアNo.1。
サービスのラインナップが豊富に存在し、どの分野においてもまんべんなく強い。
そのため、利用しているユーザー数が多く、利用事例なども多いため、非常に多くの情報が出回っています。

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Microsoft Azure
AWSに続く世界シェア第2位。成長率ではAWSの49%を上回る89%となっており、世界シェア第1位を狙っている。
製造や電力、金融系、政府系、航空系など、専門的な分野に特化していることが強み。
Active DirectoryなどMicrosoftサービスとの高い親和性を持ちます。
GCP (Google Cloud Platform)
ビッグデータの分析や処理を行うサービス、コンテナ技術に強みを持つ。
検索エンジン、メール、地図など、世界中の膨大なデータを取り扱っているGoogleならではの強みが存在します。
こうしたことを参考に、目的に合ったものを選びましょう。
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クラウドサービスへの初期構築や移行・運用は
クラウドサービス利用におけるセキュリティ対策
クラウドサービスを利用するにあたって、セキュリティ対策は非常に重要です。
総務省は「国民のためのサイバーセキュリティサイト」で、クラウドサービス利用上の注意点を以下のように注意喚起しています。
『クラウドサービス上のデータは、クラウドサービス事業者により安全に管理されることが基本ですが、実際には、障害によるデータの消失や情報漏洩(ろうえい)などの事例も発生しています。クラウドサービスを過度に信頼するのではなく、利用する場合には、想定される脅威に対応した対策を取ることが重要』
出典:総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト クラウドサービス上の注意点
具体的なセキュリティ対策として、以下の点に注意してください。
- 強力なパスワードと定期的な変更を実施する。
- データの暗号化を行い、情報の保護を確保する。
- アクセス制御と権限管理を適切に行い、必要な情報へのアクセスを制限する。
- クラウドサービス提供者が提供するセキュリティパッチを迅速に適用する。
- 重要なデータは定期的にバックアップし、データの消失に備える。
- 社内の従業員に対してセキュリティ意識を高める教育を行う。
- セキュリティに優れたクラウドサービス提供者を選択する。
- システムの監視とログの確認を行い、不正アクティビティを早期に発見する。
これらの対策を継続的に実施することが、クラウドサービスのセキュリティ対策となります。
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- オンプレミスとクラウドのどちらが適しているのかわからない…
- クラウドに移行したいが、運用のための人手が足りない…
クラウドサービスの利用を検討する上で、このようなお困りごとはありませんか?
オンプレミスと比べて手間を抑えられるとはいえ、やはりこうした課題は安定したシステム運用や管理にとって大きな問題です。
この問題を解決する方法として、「クラウドマネージド」という運用代行のサービスを利用する方法があります。
クラウドマネージドについては以下の記事をご参照ください。
提供されるサービスの詳細やサービスの選び方、利用におけるメリットデメリットについて詳しく解説しています。

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まとめ
インターネットを介してサービスを利用することのできるクラウド。
従来の物理サーバーと比べて導入コストが非常に安く、メンテナンス体制が不要などといったことから、中小企業などでも手軽に導入でき、急速に拡大しています。
クラウドを大きく分けると、「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3つに分かれ、今回はAWSなどのサービスに代表される「IaaS」について解説しました。
クラウドを利用することによるメリットやデメリット、各社ごとに強みや特徴が存在しています。
本記事を参考に、目的と合ったサービスをしっかりと選択し、クラウドサービスを上手に活用してください。
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