「ビッグデータ」という言葉、皆さんもいろいろなところで聞くことが多いのではないでしょうか。
インターネット上でのSNSへの投稿情報、検索エンジンの検索データやサイトの閲覧情報など、膨大なデータであるビッグデータは、ビジネスやマーケティングに限らず、さまざまところで活用が始まっています。
今回は、このビッグデータとはどういったものか、活用例や将来に向けての動向といったものを紹介します。
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目次
ビッグデータとは
まずは、ビッグデータの概要と歴史、そしてAI(人工知能)との関係性について見ていきましょう。
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ビッグデータとは
「ビッグデータ」とは、端的に言えば「一般的なデータ管理や処理ソフトウェアで扱うのが難しいとても巨大で膨大なデータ」のことを言います。
しかし、単にデータがたくさんあっても雑多なものであれば、それはあまり意味を持つものではありません。
ビッグデータとして利用するには、それが何らかの意味を持つものでなければ活用にはつながらないからです。
たとえば、膨大な気象データや、道路での車の動きなど何かの一貫性を持つ情報を集めることで活用を行うことができるようになります。
そして、ビッグデータにもう一つ重要なことは、単にデータ数が多ければ良いというわけではなく正確さが必要という点です。
これらをまとめると、ビッグデータとは以下のようなデータのことを言います。
- 何らかの目的をもって集められた膨大なデータ
- 正確なデータのあつまり
ビッグデータとAI
ビッグデータは、現在急速に進展しているAIの分野についても根幹をなす重要な要素となっています。
まず、AIの性能を上げていく際にはビッグデータのような大量のデータを学習させて、AIの判断精度を上げていく必要があります(ディープラーニング)。
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そして、ビッグデータを高速かつ適切に処理していくためには、高い性能のコンピュータとAIが必要となります。
たとえば、自動翻訳では、これまで蓄積された膨大な対訳データ(ビッグデータ)を使って、AIが統計的な処理をすることで、ある言語から別の言語への正しい翻訳を行うという仕組みになっています。
また、ゲリラ豪雨などピンポイントでの詳細な気象予測なども、これまでの膨大な気象情報をビッグデータとして活用し、AIに処理させます。
このように、AIとビッグデータは非常に密接な関係を持っています。
ビッグデータの歴史
もともと多くのデータを活用する手法としては、1990年代からコンピュータの性能向上や大量のデータ蓄積によって可能となったデータマイニングが利用されてきました。
データマイニングでは、大量のデータから意味のある情報を抽出するために統計解析の手法などを用いてきました。
そして、現在のビッグデータの解析でも、基本的にはこのデータマイニングの手法が使われています。
ビッグデータという言葉がメディアに取り上げられ始めたのは2010年ごろのことですが、実際に定義されたのは2000年代の初めです。
2001年にMETAグループ(現ガートナー )のアナリスト、ダグ・レイニーがビッグデータの特性を定義しています。
その後に、2010年ごろからコンピュータの処理能力やディープラーニングに基づく第三次AIブームの進展などに伴ってビッグデータの活用が私たちの日常生活にまで広がってきたというのが現状です。
ビッグデータの例
膨大でかつ正確なデータが目的をもって集められたものであるビッグデータ。
では、具体的にビッグデータにはどういったものがあるのでしょうか。
- 世界中の気象情報
- FacebookやLINEなどSNSでの投稿情報
- 道路での車の混雑状況
- コンピュータなど機器のログデータ
- インターネットのWebサイトの閲覧履歴
など
こういった情報はビジネスなどでも幅広く使えるものとなっています。
どういったところで使われる?
ビッグデータは、現在の社会の中でどういった分野で利用されている、あるいは利用がはじまろうとしているのでしょうか。
- ゲリラ豪雨の予測など、詳細な天気予報
- 渋滞のリアルタイム予測と、それに基づく代替えルートのナビによる提案など
- ショッピングサイトの閲覧履歴に基づく、利用者の志向分析と商品の提案
- ウェブサイトの閲覧履歴を元にした広告表示
など
このように、膨大なデータを分析することで、暮らしに役立つ情報の提供が行われています。
ビッグデータがもたらす人類の未来とは
膨大なデータから、高度な情報処理技術やデータサイエンスの理論を活用して意味のある情報を取り出すことができるようになりつつある今や、ビッグデータは、どういった将来へ歩もうとしているのでしょうか。
これから、ビッグデータは私たちの生活をさらに便利にしてくれるはずです。
たとえば、AIと連携して、以下のようなサービスを使うこともできるようになります。
- 渋滞を回避しながら自動車を自動で運転し、目的地に到着する
- 子ども一人ひとりの習熟度に合わせた教育
- 患者に合わせたオーダーメイド医療の提案
- 農業の自動化
など
これらはすべてビッグデータとAIとをうまく連携させた結果得られるものです。
内閣府も総合イノベーション戦略2019の中で、「Society5.0」として、ビッグデータをAIが解析し、その結果を利用することで、これまでにはない価値や産業を作り出すことを目指し、施策を推進しています。
まとめ
AIを活用していくうえで根幹となる重要な要素であるビッグデータ。
ビッグデータは、ディープラーニングによってAIの精度を高めていくという点、逆にビッグデータを迅速かつ正確に処理していく上でAIは欠かせないものである、という点から考えて、両者は双方の連携が欠かせないものとなっています。
膨大な情報であるビッグデータは、AIによって適切な処理することで、私たちの暮らしにとって気象予測や自動運転、農業の自動化など多くの点で便利な未来を実現することができる可能性を持つものです。
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