Webサイトなどを運営している皆さん、マルチドメインは使っていますか?
一般的に、1台のサーバーではひとつのドメインしか扱いません。
それを複数のドメインを扱うことができるようにしたものがマルチドメインです。
マルチドメインは、どういった仕組みで実現され、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
今回は、マルチドメインについてのさまざまな疑問について解説します。
目次
マルチドメインとは
レンタルサーバーなどで「マルチドメイン対応」と書かれていることがあります。
マルチドメインとはどういったものなのでしょうか。
簡単に言うと、「マルチドメイン」は、1台のサーバーで複数のドメインを扱うもの」です。
例えば、わかりやすいのはWebサイトの運用です。
あるサーバーで、「AAA.jp」というサイトを運用しているとします。
追加で「shopAAA.jp」というオンラインショッピングのサイトを立ち上げたいというケースがあったとしましょう。
もし、マルチドメインでなければ追加でサーバーを準備する必要があります。
しかし、マルチドメインの場合は、同じサーバーでサイトを追加することができるのです。
これがマルチドメインです。
マルチドメインの仕組み
1台のサーバーで複数のドメインが扱える、複数のサイトを運用することができるマルチドメイン。
では、マルチドメインは具体的にどういった仕組みになっているのでしょうか。
たとえばWebサーバーでマルチドメインを使う場合、ApacheやnginxなどのWebサーバーサービスの設定ファイルに複数のドメインを使用するための設定を追加します。
また、マルチドメインに欠かせないものに、もう一つDNSがあります。
IPアドレスとドメイン名の名前解決を行うDNSで同じIPアドレスに複数のドメイン名を割り当てることでマルチドメインが実現できます。
マルチドメインのメリットやデメリット
サイトを運用するにあたって、マルチドメインを利用するとどういったメリットがあるのでしょうか。
また、マルチドメインを使うことによってデメリットとなるようなケースはないのでしょうか。
メリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
<マルチドメインのメリット>
マルチドメインを使うことによるメリットには以下のようなものが挙げられます。
など
特にサーバーを1台にすることによるコストメリットは大きいと言えます。
<マルチドメインのデメリット>
そして、マルチドメインを使うことによるデメリットです。
など
マルチドメイン化するデメリットとしては、とくに障害が発生した場合、サーバー上にあるすべてのサイトが影響を受けるといったものがあります。
マルチドメインを使うには
メリットもあればデメリットもあるマルチドメイン。
実際にマルチドメインを使うにはどのようにすればよいのでしょうか。
ここでは、マルチドメインの設定方法について解説します。
レンタルサーバーサービスを扱うベンダーなどでは、独自の設定画面を準備してマルチドメインの設定を行うことで利用できるようになっているケースもあります。
こういった場合は非常に簡単な方法でマルチドメインが活用できます。
では、そういった設定画面がない場合はどうすればよいのでしょうか。
ここでポイントとなる欠かせない要素がDNSです。
Webサーバーでマルチドメインを設定する場合にも必要となりますが、単一のサーバーで複数ドメインを使うにはDNSで複数のドメインを割り当てる設定が必要となります。
具体的な設定方法は以下の通りです。
- DNSでドメインを扱うゾーン設定を複数作成する
- それぞれのゾーンに存在するAレコードに同じIPアドレスを割り当てる
この方法で、マルチドメインを扱うことができるようになります。
まとめ
Webサイトなどで1台のサーバーであるにも関わらず、複数のドメインを持っているもの。
それがマルチドメインです。
マルチドメインは、使うことによって「コストの削減」「リソースの効率良い使い方」などのメリットがある反面、「障害時の影響範囲が大きい」「設定が複雑になる」などのデメリットがあります。
デメリットについて。
たとえば設定を容易にするため、最近ではレンタルサーバーなどのベンダーでは簡単にマルチドメインを設定して利用できるようにしているものも増えてきています。
一般的にはDNSの設定など複雑な設定が必要になるマルチドメインも、こうしたものを活用することで容易に活用することができます。
これから特にコストパフォーマンスの良いサーバー運用を考えているのであれば、マルチドメインは有望な選択肢の一つです。
ぜひ今回の記事を参考にして導入を検討してみましょう。