P2Vは最近注目を集めていますが、具体的にどのような機能でしょうか。
また、どのようなメリットがあるのでしょうか。
皆さんの職場では
古いサーバーがまだ動いている
こういったことはありませんか?
「P2V」とは、古い物理サーバー(オンプレミス)上のシステムを、仮想環境やクラウドへ移行させるという機能です。
過去から使ってきたシステムが古くなったが、新しいシステムへ置き換えることが難しい。
こういった場合に、P2Vは非常に魅力的な方法となります。
今回は、古い環境を新しい環境へ移行させるときの手段の一つであるP2Vについて、その概要やメリット、実施する際の注意点などについて詳しく解説します。
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P2Vとは
「古いサーバーがいまだに現役で稼働している…。」
「古いシステムを移行したいけれど、大変な作業になることを考えるとなかなか腰が重くて…。」
こういったケースは皆さんの職場にもあるかもしれません。
P2Vとは、「Physical to Virtual」の略称で、直訳すると「Physical(物理的)からVirtual(バーチャル)へ」という意味です。
つまり、P2Vとは、物理サーバー(オンプレミス)の環境を、そのままクラウドなどの仮想環境(Virtual Server)へ移行するというものです。
場合によっては、VMインポートなどと呼ばれることもあります。
古い環境のOSやミドルウェアを変更することなく、パフォーマンスの良い環境へ新しく移行させる方法としてよく採用されています。
仮想環境から仮想環境へ移行させるV2Vについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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P2Vのニーズと需要拡大の背景とは
さまざまな企業でP2Vの需要は幅広く存在しています。それはなぜでしょうか?
一般的なIT業界の流れとして、「オンプレミスからクラウドへ」といったものがあります。
オンプレミスは、物理サーバーとほぼ同義で使われる言葉で、サーバーなどの情報システムを、自社内に保有して運用する形態のことです。
オンプレミスには「処理能力が高く」、「カスタマイズの自由度が高い」というメリットがあり、従来から数多くの企業で利用されてきました。
ところが、オンプレミスには、「初期導入費用が高価である」、「メンテナンス体制、保守の手間などがかかる」というデメリットがあります。
一方、クラウドとは、ネットワークを通して外部のコンピューターを利用できるという仕組みです。
クラウドはオンプレミスとは異なり、「導入費用が安価である」、「迅速に導入できる」、「メンテナンス等もベンダーに任せられる」というメリットがあります。
そのため、従来型のオンプレミスからクラウドにシステムを移行したいと考える企業が増えています。
しかし、すべてのシステムを簡単にクラウドに移せるわけではありません。
既存の他システムとの連携確保、入れ替えによる影響などから新しいシステムにできないものも存在します。
また、複雑かつ大規模なシステムで新しい環境への移行が非常に困難なケースもあります。
こういった場合に、既存システムをそのまま仮想環境に移せるのがP2Vの大きな魅力となっています。
こうしたことから、今P2Vの需要が大きく伸びているのです。
オンプレミスとクラウドについてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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P2Vのメリットやデメリット
P2Vを行うケースは、たびたび見受けられますが、一般的なシステム入れ替え、換装と比べてどういったメリットがあるのでしょうか。
メリット
- 迅速かつ安価に新しい環境に移行できる
- 古いOSで構成されたシステムも新しい環境に移行して利用できる
- 古いソフトウェアなども使い続けることができる(延命策)
デメリット
- システムの延命策なので、どこかのタイミングで改めての新環境への移行を検討する必要がある
このように、P2Vは古くなったシステムを何らかの理由で使い続ける場合の延命策としては非常に高い効果を持ちます。
ただし、あくまで延命策なので、どこかのタイミングで本来の意味での新環境へのリプレースが必要となります。

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P2Vってどうやるの?
さまざまなメリットがあるP2Vですが、実際に行う場合には、どのように進めるのでしょうか。
また、何か注意点はあるのでしょうか?
P2Vの進め方
既存のオンプレミス上のシステムをP2Vで仮想環境に移す場合、どのように進めるのか、流れを解説します。
- 移行方法の検討
→クラウド、VMwareなど、何を使用してどこに移行するかを検討します。
VMwareとは、VMware 社が提供するP2Vを実行するための仮想化ソフトウェアの名称です。
VMware の特徴が、WindowsやLinuxなどの様々なOSやハードウェア、ソフトウェアに対応しているという点です。
古いシステムを簡単に仮想化できるため、多くの企業で支持されています。 - 移行先環境の準備
→移行先の環境での準備を行います。 - 現行環境のイメージ化
→現行環境のディスクイメージ化を行います。
不要なソフトウェアなどの削除を行い、原稿環境をクリーンにすることも忘れずに行いましょう。 - 移行作業
→VMwareなどのソフトウェアを使用する場合、いくつかの設定を行うだけで簡単に移行作業が行えます。 - 各種設定
→必要に応じてIPアドレス等の再設定を行います。 - 不要なアプリケーション、デバイスドライバ等の削除
- 動作確認
- 移行方法の検討
おおまかな流れとしてP2Vは上記のように行います。
注意点とは
P2Vは、既存の古い環境を維持しつつ、新しいハードウェアやパフォーマンスの高い環境に移行させる非常に優れた方法で、さまざまな場面でのニーズの高い手法です。
しかし、P2Vを行うにあたっては、以下のような注意点があります。
- 余裕を持ってスケジュールを作成する
- どの環境に移行するか、要件に合わせて適切に決める(クラウド、レンタルサーバー等)
- P2Vツールを使う場合でも、専門的な知識や技術が必要
- 不要なアプリケーションやデバイスドライバ等は移行後に削除する
など
P2Vを行う場合は、こういったことを念頭に置き、余裕を持った計画を作って進めましょう。
まとめ
老朽化した情報システムは、適切なサービスを提供し続けるためには新しい環境へ移行させて行く必要があります。
しかし、以下のような理由からなかなかシステム移行が行えない場合もあります。
- 換装に必要な予算が少ない
- システムが複雑化して、新システムへと作りかえるのが難しい
- 既存システムに影響が出るので新しくできない
など
こういった場合に使える方法が今回解説したP2Vです。
しかし、P2Vは既存の環境をそのまま新しい環境に移行できる便利な方法ですが、やはりどこかのタイミングでしっかりとしたシステム換装が必要だということも理解しておきましょう。
実際にP2Vを検討している方は、今回説明した内容を参考に、しっかり計画を作成してから進めることが大切です。

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