IPアドレスとは。種類や確認方法、注目のIPv6について解説

現在では、パソコンやスマートフォン、IoT機器などの膨大なデバイスが、ネットワークに接続され利用されています。

ネットワークに接続される機器には、IPアドレス(Internet Protocol address)が割り当てられています。

IPアドレスはインターネット上の住所のようなもので、特定の機器を識別するために欠かせません

今回は、ネットワークの基本の一つであるIPアドレスについて、概念や抱える課題などを解説します

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IPアドレスとは

ネットワーク上にはパソコンやサーバー、プリンターなどさまざまな機器が接続されています。

郵便を届けるために相手の住所が必要なように、通信を行うためには、通信相手を識別する必要があります。

IPアドレスとは郵便でいう住所のような役割を持ち、ネットワーク上で相手を識別するために使用されます

みなさんがブラウザ等でWebサイトを閲覧する場合にwww.winserver.ne.jp などのドメインと呼ばれる文字列を入力することがあるでしょう。

ドメインを入力してWebサイトが表示されるまでの間、実際にはドメインをIPアドレスに変換する処理が行われています。

この処理を行うのが、DNSと呼ばれる仕組みです。

普段はドメインを目にすることが多く、IPアドレスを意識することは多くありませんが、ネットワーク上で相手に接続するためにIPアドレスが必要であるということを覚えておきましょう。

DNSについて、こちらで詳しく説明しています。

また、IP アドレスからドメイン名を確認すること、ドメイン名からIPアドレスを確認することができるnslookupコマンドについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

IPアドレスの構成や種類とは

IPアドレスの構成や種類を解説します。

IPアドレスのクラスとは

ネットワーク上で相手を識別するIPアドレスは、「 203.137.1.214」のような32bitの文字列から構成されていますが、値によってクラス分けされています。

クラス備考
クラスA0.0.0.0 〜 127.255.255.255
クラスB128.0.0.0 〜 191.255.255.255
クラスC192.0.0.0 〜 223.255.255.255
クラスD224.0.0.0 〜 239.255.255.255一般には使われない
クラスE240.0.0.0 〜 255.255.255.255使われない

これらのクラスのうち、最も一般的に利用されるのは、クラスCとなります。

グローバルIPとプライベートIP

IPアドレスには、大きく分けて2つの種類があります。

グローバルIPアドレス

グローバルIPアドレスは、ICANNやJPNICなどの機関で管理されている世界中で唯一の番号です。

Webサーバーなどインターネットを介して広くアクセスされる機器に使用されます。

プライベートIPアドレス

プライベートIPアドレスは、社内や家庭内など同じネットワークの範囲内だけで使えるIPアドレスです。

ネットワークの範囲が重ならなければ同じ番号を複数の場所で使うことができます

ただし、インターネットに接続する際には、NAT機能を持つルーターを使ってグローバルIPアドレスに変換する必要があります。

固定IPと動的IPとは

IPアドレスの種類と聞いて、「固定(静的)IP」と「動的IP」をイメージした方もいるかもしれません。
これは厳密にはIPアドレスの種類ではなく、IPアドレスの割り当て方法の違いです。

固定(静的)IP

決まったIPアドレスを割り当てるため、変更されることはありません

サーバー等に向いています。

動的IP

DHCPと呼ばれる仕組みで、自動的にIPアドレスが割り当てられるため、IPアドレスが変更されることがあります

DHCPについてはこちらで詳しく紹介しています。

IPアドレスの確認方法

皆さんもパソコンやスマホなどネットワークに接続される機器を使っていると思います。

これらの機器に割り当てられたIPアドレスはどのように調べるのでしょうか。

トラブル対応などアドレスの確認が必要な時のために、知っておくといいでしょう。

パソコン

パソコンのIPアドレスを調べる方法は以下の通りです。

主なOSであるWindowsとMacについて見ておきましょう。

<Windows>

■コマンドプロンプトから調べる

    1. スタートメニューから「コマンドプロンプト」を起動する
    2. 「ipconfig」と実行する

■「設定」パネルから調べる

    1. スタートメニューから「設定」を起動する
    2. 「ネットワークとインターネット」を開く
    3. 「状態」-「ネットワークのプロパティを表示」を開く

<Mac>

■ターミナルから調べる

    1. ターミナルを起動する(検索バーでTerminal.appと入力)
    2. 「ifconfig」を実行

■「システム環境設定」から調べる

    1. アップルメニューからシステム環境設定を開く
    2. 「ネットワーク」を開く
    3. Wi-FiもしくはEthernetを開く
    4. 「詳細」を開く

スマートフォン

スマートフォンの場合は、以下のように行います。

<iPhone>

    1. 設定を開く
    2. 「Wi-Fi」を開く ※モバイルネットワークの場合は、「モバイル通信」を開く

<Android>

    1. 設定を開く
    2. 「ネットワークとインターネット」を開く
    3. 「Wi-Fi」を開く ※モバイルネットワークの場合は、「モバイルネットワーク」を開く

IPアドレスの枯渇問題とIPv6

従来から使用されているIPアドレスと言えば、「203.137.1.214」のような32bitの文字列ですよね。

このようなIPアドレスは、厳密にはIPv4と呼ばれます。

IPv4の数には限りがあり、アドレスが枯渇するという問題が生じたため、新たにIPv6が開発されました

IPv6について、詳しく見ていきましょう。

IPアドレスが持つ課題

「IPアドレスが足りなくなる」

みなさんはこのような話を聞いたことがありませんか?

2019年の11月、欧州地域のIPアドレスの割り当てを行っているRIPE Network Coordination Centre(RIPE NCC)から、新規割り当て用のIPアドレスがすべて使い切られてしまったとの発表がありました。

The RIPE NCC has run out of IPv4 Addresses

従来型のIPv4アドレスでは、原理上約43億個の番号を設定することができます。

43億個という数は、とてつもなく膨大な数のように見えますよね。

しかし、スマートフォンやIoT機器などさまざまなデバイスがネットワークに接続されるようになった現在では、割り当てることのできるIPアドレスの数が足りなくなってきたのです。

IPアドレス枯渇の課題を解決するIPv6

IPv4だけでは足りなくなってきたIPアドレス

この課題をを解決するのがIPv6です。

IPv4では32bitでしたが、IPv6では128bitに拡張されています。

これにより、IPv6では3.4×10の38乗個という事実上無限の数を扱えるようになり、IPアドレスの枯渇の問題が解決されました。

他にもIPv6には、「速度が速くなる」「セキュリティが高められる」などのメリットがあります。

ただし、IPv6はそのままではIPv4と通信ができないので、いろいろな変換技術を使う必要があるという注意点はあります。

IPv6のすすめ

以下ではIPv6について、もう少し掘り下げてみていきましょう。

IPv6の概要と利用の現状とは

まず、IPv6は、IPv4と比べて非常に大きな数を扱えるということは先ほど解説しました。

実際には以下のように異なっています。

IPv4 「203.137.1.214」など12 桁の10進数で表され(32bit)、約43億通りの数になる
IPv6 「2001:00D3:3333:4444:CCCC:DDDD:EEEE:FFFF」といったように、32桁の16進数で表され(128bit)、約3.4×10の38乗個通りの数(事実上無限)になる

このように「枯渇する」と言われたIPv4に比べると、IPv6は非常に膨大な数が使えるため、問題の解決となる有効な仕組みとなっています。

では、こうしたIPv6ですが世界や国内の普及の状況はどのようになっているのでしょうか。

結論から言うと、IPv6の普及はそこまで進んではいません。

総務省の2022年5月の資料「IPv6対応ガイドライン」によると、Googleの統計情報では、世界のIPv6の普及率は約35%、国内では45.27%となっており、まだまだこれから普及を進めなければならない状況です。

IPv6のメリットやデメリット

IPアドレスの枯渇を解決するとして注目されているIPv6ですが、まだまだ普及が進んでいないのが現状です。

IPv6のメリットやデメリットについて整理し、普及を阻む要因について考えてみましょう。

IPv6のメリット

    • 事実上無限ともいえる数があり、枯渇の心配がない
    • IPアドレスが自動で割り当てられるのでDHCPが不要
    • IPSecの利用が推奨されており、セキュリティレベルが高められる

など

IPv6のデメリット

    • IPv6に対応したネットワーク機器が必要
    • アドレスがインターネット上でそのまま使われるので、セキュリティ対策が必須
    • IPv4とIPv6でそのまま通信ができない(変換が必要)

など

IPv6の一番のデメリットは変換しないとIPv4がそのまま通信できないという点で、これが普及を阻む要因となっています。

しかし、プロバイダーによっては変換に対応したものもあるため、IPv6を検討される際の参考にしてください。

IPv6のすすめ

IPv6にはデメリットもあることがわかりましたが、その事実を踏まえてもなお、IPv6を利用することをお勧めします

それは、以下のような理由からです。

    • IPv4のアドレスが枯渇することは確実
    • 今後のネットワーク機器はすべてIPv6対応となる
    • 今後IPv6にしか対応しない機器やソフトウェア、プロトコル等が出てくる可能性がある

こうしたことも念頭におき、IPv6への移行を計画的に進めていくといいでしょう。

まとめ

インターネットなどネットワークに接続されるすべての機器には、IPアドレスが割り当てられています。

IPアドレスは、インターネット上の住所のようなもので、特定の機器をネットワーク上で識別することができるようになっています。

今回は、IPアドレスの概要、課題となっているIPv4の枯渇の問題と解決策であるIPv6について、IPアドレスの確認方法などを解説しました。

IPアドレスは、ネットワークの基本知識の一つです。しっかりと理解しておくようにしましょう。

また、将来的にIPv6が必要となることは確実です

まだ利用していない場合は、計画的に移行を進めることをお勧めします

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