パソコンやスマートフォン、IoT機器など現在は膨大なデバイスがネットワークに接続され利用されています。
ネットワークに接続される機器には、IPアドレス(Internet Protocol address)が割り当てられています。
これは、住所や電話番号のように特定の機器を識別するために欠かせないものとなっています。
今回は、ネットワークの基本の一つでもあるIPアドレスについて概念や抱える課題などを解説します。
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目次
IPアドレスとは
ネットワーク上にはパソコンやサーバー、プリンターなどさまざまな機器が接続されています。
通信を行うためには、通信相手をしっかり識別する必要があります。
郵便でも、相手の住所や名前が分からないと届きません。
IPアドレスとは郵便でいう「住所」や「名前」のようなネットワーク上で相手を識別するためのものです。
ちなみに、ブラウザ等でWebサイトを閲覧する場合など、多くの場合www.yahoo.co.jpなどの文字列を入力します。
しかし、実際にはDNSと呼ばれる仕組みでIPアドレスに変換されています。
ネットワーク上で相手に接続するためにはIPアドレスが必須なのです。
DNSについて、こちらで詳しく説明しています。
IPアドレスの構成や種類とは
ネットワーク上で相手を識別するためのIPアドレス、その構成や種類を解説します。
IPアドレスのクラスとは
ネットワーク上で相手を識別するIPアドレスは、「192.168.254.100」のような32bitの文字列から構成されていますが、値によってクラス分けがされています。
クラス | 値 | 備考 |
---|---|---|
クラスA | 0.0.0.0 〜 127.255.255.255 | |
クラスB | 128.0.0.0 〜 191.255.255.255 | |
クラスC | 192.0.0.0 〜 223.255.255.255 | |
クラスD | 224.0.0.0 〜 239.255.255.255 | 一般には使われない |
クラスE | 240.0.0.0 〜 255.255.255.255 | 使われない |
これらのクラスのうち、最も一般的に利用されるのは、クラスCとなります。
グローバルIPとプライベートIP
IPアドレスには、大きく分けて2つの種類があります。
グローバルIPアドレスは、ICANNやJPNICなどの機関で管理されているもので世界中で唯一の番号です。
Webサーバーなどインターネットを介して広くアクセスされる機器に使用されています。
企業や家庭など同じネットワークセグメント内だけで使えるIPアドレスで、ネットワークセグメントが重ならなければ同じ番号を複数の場所で使うことができます。
ただし、インターネットに接続する際には、NAT機能を持つルーターを使ってグローバルIPアドレスに変換する必要があります。
静的IPと動的IPとは
IPアドレスの種類には「静的IP」と「動的IP」があるのでは?と思われた方もいるかもしれません。
これは厳密にはIPアドレスの種類ではなく、IPアドレスの割り当て方法の違いです。
決まったIPアドレスを割り当てるため、変更されることはありません。
固定IPとも呼ばれており、サーバー等に向いています。
DHCPと呼ばれる仕組みで、自動的にIPアドレスが割り当てられるため、IPアドレスが変更されることがあります。
スマートフォンでモバイルデータ通信を行う場合、動的IPが割り振られています。
IPv4とIPv6って何?
IPアドレスには、大きく分けてIPv4とIPv6と呼ばれるものがあります。
IPv6は、IPv4が持つ課題を解決するために開発されたものです。
IPアドレスが持つ課題
「IPアドレスが足りなくなる」
皆さんはこういった話を聞いたことがありませんか?
従来型のIPv4アドレスでは、原理上約43億個の番号を設定することができます。
43億個という数は、とてつもなく膨大な数のように思えます。
しかし、かつてのようにコンピュータだけでなく、スマートフォンやIoT機器などさまざまなデバイスがネットワークに接続されるようになった今、割り当てることのできるIPアドレスが足りなくなってきているのです。
課題を解決するIPv6
IPv4で足りなくなってきたIPアドレス。それを解決するのがIPv6です。
IPv4ではIPアドレスは32ビットでしたが、これを128ビットに拡張することで、3.4×10の38乗個という事実上無限の数を扱えるようになり、IPアドレスの枯渇の問題が解決されました。
他にもIPv6には、「速度が速くなる」「セキュリティが高められる」などのメリットがあります。
ただし、IPv6はそのままではIPv4と通信ができないので、いろいろな変換技術を使う必要があるという注意点はあります。
IPアドレスの確認方法
皆さんもパソコンやスマホなどネットワークに接続される機器を使っていると思います。
これらの機器に割り当てられたIPアドレスはどのように調べるのでしょうか。
パソコン・スマートフォンそれぞれのデバイスによるIPアドレスの確認方法は以下の通りです。
パソコン
パソコンのIPアドレスを調べる方法は以下の通りです。
<Windows>
■コマンドプロンプトから調べる
- スタートメニューから「コマンドプロンプト」を起動する
- 「ipconfig」と実行する
■「設定」パネルから調べる
- スタートメニューから「設定」を起動する
- 「ネットワークとインターネット」を開く
- 「状態」-「ネットワークのプロパティを表示」を開く
<Mac>
■ターミナルから調べる
- ターミナルを起動する(検索バーでTerminal.appと入力)
- 「ifconfig」を実行
■「システム環境設定」から調べる
- アップルメニューからシステム環境設定を開く
- 「ネットワーク」を開く
- Wi-FiもしくはEthernetを開く
- 「詳細」を開く
スマートフォン
スマートフォンの場合は、以下のように行います。
<iPhone>
- 設定を開く
- 「Wi-Fi」を開く ※モバイルネットワークの場合は、「モバイル通信」を開く
<Android>
- 設定を開く
- 「ネットワークとインターネット」を開く
- 「Wi-Fi」を開く ※モバイルネットワークの場合は、「モバイルネットワーク」を開く
IPアドレスからドメイン名を確認すること、ドメイン名からIPアドレスを確認することができるnslookupコマンドについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
インターネットなどネットワークに接続されるすべての機器には、IPアドレスが割り当てられています。
IPアドレスは、インターネット上の住所のようなもので、特定の機器をネットワーク上で識別することができるようになっています。
今回は、IPアドレスの概要や、課題となっているIPv4の枯渇の問題と解決策であるIPv6について、IPアドレスの確認方法などを解説しました。
IPアドレスは、ネットワークの基本知識の一つです。しっかりと理解しておくようにしましょう。