近年、Webサービスやオンラインストレージ、メールなどさまざまなサービスがクラウドとして提供されています。
XaaSは、「X as a Service」の略で、クラウドによって提供されるサービスのことを表しています。
「X」は未知の値を表しており、複数のアルファベットが該当することを意味します。
最近は、従来の物理サーバーを利用するオンプレミス型から、XaaSに代表されるクラウドサービスへシステムを移行するケースも増えています。
今回は、XaaSの概要を詳しく説明するとともに、提供されているサービスの種類やメリットなどについても解説します。
クラウドの導入でお悩みの方は
是非一度Winserverにご相談ください!
初期構築から月々の請求まで、
Winserverが運用業務を代行します
▼クラウドマネージドについてはこちら▼
目次
XaaSとは
XaaSとはどのようなサービスなのでしょうか。
まずはXaaSの概要や伸びている背景について解説します。
XaaSとは
まず、XaaSとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
XaaSとは、「X as a Service」の略語で、読み方は「ザース」と読み、インターネットを介して提供されるクラウドサービスのことを指しています。
XaaSとして提供されるサービスの多くは、月額いくらなどの定額料金を支払うサブスクリプション型で利用できるものとなっています。
つまり、物理サーバーなどのように高額で買い取る所有型ではなく、利用したい期間のみ料金を支払ってサービスを利用する形態となります。
2021.08.05
クラウドとは。インターネットサービスの種類や活用方法を解説。
私たちの生活に欠かせないものとなったクラウド。クラウドは、導入や運用のコストが安く、手軽に使えるため、大企業から中小企業、個人に至る...
2022.04.28
クラウドサービスの料金体系とは?安くする方法を解説
クラウドサービスは、今や企業だけでなく個人も含めて、さまざまなところで使われています。みなさんの中にも利用を考えている方、考えたこと...
XaaSが伸びている背景
昨今、XaaSをはじめとするクラウドの利用が急速に伸びています。
IDC Japanのレポートでは、以下の予測が発表されています。
- 2022年の国内パブリッククラウドサービス市場は2兆1594億円となる見込み
- 2021年から2026年までの年間平均成長率(CAGR)は20.8%で推移
- 2026年には2021年比約2.6倍の4兆2,795億円まで伸びる
など
その成長率は今後も続くと予測されています。
なぜ、XaaSをはじめとするクラウドサービスの利用がこれほどまでに伸びているのでしょうか。
それには、以下のような理由があります。
- 従来型の物理サーバー(オンプレミス型)に比べ導入コストが安い
- 保守やメンテナンス等はサービスベンダーに任せられるので、自社ですべてを行う必要がない
- 導入と利用開始まで迅速に行える
など
このように、中小企業やフリーランスなどでも比較的手軽に導入しやすいことが、XaaSが伸びている理由と言えます。
XaaSの代表的な種類
一言で、XaaSといっても「X as a Service」の名前の通り、いくつかの種類があります。具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
いわゆるXaaSの主な例としてあげられるのは、「IaaS」「PaaS」「SaaS」の3つの「as a Service」です。
それぞれのサービスは、具体的に以下のようなものです。
IaaS
IaaSとは、「Infrastructure as a Service」の略語で、「イアース」「アイアース」と読みます。
仮想サーバー、ストレージやネットワークなどのインフラを提供するものです。
カスタマイズ性が高く、リソースの変化に合わせてCPUやメモリ量などを自由に変更することが可能です。
近年よく聞くようになったクラウドサービスの代表格であるAWSやMicrosoft Azure、GCPなどがIaaSに該当します。
各クラウドサービスについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
2022.12.01
クラウドマネージドとは。AWSやAzureなどの運用代行メリットを解説!
AWSやAzure・GCPなどに代表されるクラウドサービスは、従来の物理サーバーを自社で設置運用するオンプレミス型と比べて導入コストが安い、...
2023.01.05
AWSとは?アマゾンの提供するクラウドサービスをわかりやすく解説
AWS(アマゾン ウェブ サービス)は、通信販売大手のAmazonが提供しているクラウドサービスです。コンピューティングやデータベー...
PaaS
PaaSとは、「Platform as a Service」の略語で、「パース」と読みます。
データーベースやWebサーバー、開発環境などをプラットフォームとして提供するものとなります。
AWSやAzure、GCPなどを利用すると、開発環境を構築することなく、プログラミングなどの業務を遂行することができます。
最近では、Google App Engineなど、AIやマシンラーニングの開発環境などがあります。
SaaS
SaaSとは、「Software as a Service」の略語で、「サース」「サーズ」と読みます。
Microsoft 365、 Google Workspace、サイボウズなど、パッケージ化されたサービスをインターネット経由で提供するものです。
アカウントさえ持っていれば、インターネット経由でどこからでもサービスを利用することができます。
その他
また、上記に紹介した3つ以外にも、以下のようなサービスもXaaSに含まれます。
XaaSにはさまざまなサービスが存在しますが、一般的にXaaSと言えば上記の3つを指します。
WaaS
「WaaS」とは、「Windows as a Service」の略語です。
常に更新が提供されるWindows 10のことを言います。
MaaS
「MaaS」とは、「Mobility as a Service」の略語です。
マイカー以外のすべての交通手段による移動をサービスとして捉える考え方です。
AssS
「AssS」とは、「Analytics as a Service」の略語です。
クラウドによる解析・統計サービスのことを言います。
XaaSのメリットとデメリット
クラウドが伸びている理由のところでも少し触れましたが、XaaSには多くのメリットがあります。
しかし、逆にデメリットとなる点はないのでしょうか。
ここでメリットとデメリットを整理してみましょう。
XaaS導入のメリット
- 専用の機器を導入する必要がないため、初期導入コストを大幅に下げられる
- ベンダーに保守やメンテナンスを任せることで運用の体制やコストが下げられる
- 導入が迅速に行える
Xaas導入のデメリット
- 設定を誤るとセキュリティリスクがある
- インターネット接続に障害が発生すると利用できない
- オンプレミスに比べるとパフォーマンスが落ちることもある
このように、XaaSはメリットの部分が大きいですが、やはりデメリットも存在します。
コスト削減につながり、導入のハードルも低いことから、多くの企業が導入しやすいXaaSですが、メリットの部分だけでなくデメリットについてもしっかりと理解しておく必要があります。
クラウドの導入を検討する中で、「自社にクラウド専門のエンジニアがいない」などの問題を抱える企業が多くいらっしゃいます。
クラウド環境への移行・構築運用のお悩みをお持ちの方は、是非一度Winserverにご相談ください。
専門のスタッフが、初期構築・運用・請求代行などお客様の要件に合わせて支援いたします。
XaaSを利用する上でのリスク
先ほど解説したように、XaaSはメリットもあればデメリットもあります。
デメリットへの適切な対策を講じなければ、XaaSを利用する上でのリスクとなり得ます。
本章では、XaaSを利用する上でのリスクとその回避策について解説します。
XaaSを利用する際のリスクとは
XaaSはインターネット接続を前提としたサービスです。
そのため、以下のようなリスクがあります。
- インターネット接続が停止した場合、ビジネスが止まってしまう
- XaaSサービスの回復は、クラウドサービスの事業者に委ねられる
- XaaSとオンプレミスを組み合わせたシステムの場合、障害時の対処が非常に複雑になる
従来のオンプレミス型では、自社でサーバーを所有、運用していたため障害時の対応は自社で行うことができました。
しかしながらクラウドサービスであるXaaSの場合は、自社で対応できず、サービス提供を行う事業者に委ねる部分が出てきます。
そのため、障害時の復旧見積もりなどが立てづらいといった面があります。
XaaSを利用する際のリスク回避策とは
先ほどはXaaSの利用を行った際に起こりうるリスクについて解説しました。
こうしたリスクを回避するためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
リスクを回避するには、以下のような方法があります。
- 予備のインターネット接続回線を持ち、冗長化しておく
- クラウドサービス事業者とSLA(サービスレベル合意書)を締結し、復旧時間の目標やサービス内容等の取り決めをしておく
- できるだけシンプルなシステムに再設計する
など
このようにいろいろな方法で起こりうるリスクを減らすことが可能です。
2021.01.14
BCP対策とは。災害や感染症などからどのようにビジネスを守るか。
昨今、世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルス。これまでにはなかったようなスーパー台風や大規模な豪雨などの異常気象。頻発す...
XaaSのもたらす未来とは
XaaSは今後も私たちの生活やビジネスを大きく変えていくサービスです。
最後に、どのような変革をもたらしていくのか見ていきましょう。
XaaSが変える私たちの日常生活
XaaSは、サーバーやアプリケーションサービスだけでなく、私たちの日常生活にも多くの変化をもたらしています。
娯楽や交通、医療など私たちに身近な分野でも、AIによる試験の不正検知や、行政のオンライン手続きなど、さまざまなところでXaaSの活用が広がっています。
今後も、クラウドサービスの市場はも広がり続けるでしょう。
XaaSがもたらすビジネス上の変革
XaaSは、ビジネスにも大きな変化をもたらしています。
先ほどのような日常生活での変革も含めて、既存のビジネスには大きな影響が出るでしょう。
したがって、うまくXaaXのトレンドに乗ることができれば、大きくビジネスが拡大できる可能性はあります。
2019.12.12
レンタルサーバーとクラウド。それぞれの違いは?具体的に紹介します
近年、従来の企業内に物理サーバーを設置し利用するオンプレミス型から、クラウドをはじめとしたインターネット経由でデータセンター等のサーバー...
まとめ
さまざまなサービスをインターネット経由で提供するクラウド。
XaaSは、これらクラウドサービスの総称とも言える言葉です。
XaaSの導入を行うことは、これまでのようなオンプレミス型と比べて、「コスト削減」「迅速な導入」「保守などの手間がなくなる」など多くのメリットがあり、中小企業などでも手軽に使えるようになっています。
IDC Japanが発表したように、XaaSはこれから先も伸びていくことは確実です。
しかし、XaaSの導入にはメリットだけでなくデメリットもあります。
導入を行う場合は、メリットとデメリットをしっかりと理解しておくことも大切です。
XaaSは、私たちの日常生活やビジネスを大きく変えていくサービスです。
XaaSが普及していくことで、どのような社会になるのか楽しみですね。
クラウドマネージドならWinserverにお任せ
Winserverのクラウドマネージドは、請求代行・初期構築・運用まで様々な面でサポートしています。
ホスティング事業を20年以上運用する中で培ったインフラエンジニアの知見を活かして、クラウド環境への移行・構築運用のお悩みを解決します。
Winserverのクラウドマネージド<請求代行>
クラウドサービスを利用する際、気を付けなければいけないのが支払い条件です。
クラウドサービスの請求は、ドル建て、クレジットカード決済が多く、会社のルールによっては導入できない場合があります。
Winserverのクラウドマネージドでは支払い関連のお悩みを請求代行サービスで解決いたします。
Winserverで支払いを代行することで円建てでの請求書発行、支払いが可能となります。
Winserverのクラウドマネージド<構築運用>
クラウド環境の構築・運用・保守をサポートするサービスです。
データの移行、テレワーク環境構築、監視・運用代行のサービスや現在利用中のクラウドサービスを最適化するコンサルティングサービスなど、多岐にわたりクラウド環境をサポートいたします。
詳しくは下記ボタンよりWinserverのクラウドマネージド サービスサイトをご覧ください。