XaaSとは?特徴や導入ポイントを解説!

XaaS(ザース)という言葉を聞く機会が増え、あらゆる技術リソースをサービスとしてインターネット上で提供するこのモデルは、ICTインフラに革命をもたらしていると言えます。

日常レベルにまで普及が進んだSaaSをはじめ、今や製造、運輸、金融など多様な事業領域に進出し、XaaSは細分化しています。

その導入の容易さや自由度の高さは大きなメリットですが、同時にリスクや注意点もあります。

本記事ではXaaSの定義や特徴を再確認するとともに、BtoB分野における代表的なサービスを紹介し、導入のポイントも解説していきます。

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XaaSの概要

XaaSとは

XaaSとは、クラウド(インターネット)経由でリソースが提供されるさまざまなサービスの総称です。

リソースとは直訳すると資源ですが、広義の「モノ」を指すと捉えてください。

XaaSは、あらゆるモノがネットを通じてサービス化されるというビジネスモデルです。

ICTの分野でいうと、リソースとはハードウェア、インフラ基盤に加え、ソフトウェアやデータまでも含まれます(アセットという表現が適しているかもしれません)。

これらを自分たちで所有するのではなく、必要なときにインターネット経由で利用するのが特徴です。

Xaas は「as a service」 の略で、Xには色々なアルファベットが入ります。

サービスの普及が進み、今やAからZまでほぼすべてリストアップできるといわれています。

XaaSの歴史

Xaasは、クラウドコンピューティングの進化とともに発展し、進展に伴い発達してきました。

2000年代中ごろから、IaaS、PaaS、SaaS(各サービスの詳細は第3章で解説)といったモデルが広がり始めると、2010年代は企業が自社リソースをクラウド移行する動きが加速し、XaaS利用が定着していきます。

特に、Web会議やメール、オフィスアプリなどをクラウドで利用するSaaSは、企業だけでなく一般ユースとしても広く普及し、市民権を得るようになりました。

現在XaaSは医療・物流・金融など様々な分野にまで裾野を広げており、また既存カテゴリにおいても、よりニッチな、特定のニーズに応えるニッチな応じたサービスが次々に登場するなど多様化しています。

調査会社Fortune Business Insightsの予測によると、クラウドサービスの世界市場は2022年から2028年まで年平均成長率17.9%で拡大し、7914億米ドル(約107兆円)に達するとされています。

XaaSの特徴とメリット

XaaSの特徴

インターネットを通じての提供
インターネット環境さえあれば、どこからでも手軽に利用できるのがXaaSの大きな特徴です。
従来、社内や自宅にあるリソースに外部からアクセスしようとすると、VPNの導入など、特別な設定が必要でしたが、クラウドサービスは、自宅/社内、国内/海外に関わらず同じように利用できます。

サブスクリプション型料金モデル
XaaSの多くは、買い切りではなく月額・年額制のサブスクリプションベースの料金体系となっています。
利用した時間、機能、利用するユーザー数の分だけ料金を払うシステムは合理的で、無駄を抑えることができるでしょう。

初期投資の安さ
コスト面でのもう1つのメリットとして、物理的な機器やソフトウェアを購入する必要がないため、イニシャルコストがほぼかからないことがあげられます。
パソコン、サーバー、ネットワーク機器といったデバイスや、ソフトウェアの資産を持たないことでキャッシュフローの改善につながります。

アジリティの高さ
利用する機能やユーザー数に応じたプランを選べるXaas ですが、それらのサービスや課金体系にも柔軟性、弾力性があることも特徴の一つです。
利用者のニーズに応じて、使う機能の変更やリソースの増強など、臨機応変に対応できる手軽さが魅力的です。

XaaSのメリット

Xaas のメリットについて、最近よく目にするようになった「カーシェアリング(カーシェア)」を例にみていきましょう。

カーシェアは全国のスポットにある自動車をインターネットで予約することで使えるサービスで、モノ(車)を所有するのではなく、サービス(移動)として車を利用する、MaaS(mobility as a service)の一種といえます。

以下、XaaSの特徴をカーシェアリングで例示します。

ネットから予約登録のみで完了
→自動車販売店に行く必要がなくインターネットさえあれば手続きできます。

月額料金+使った時間、距離に応じて費用を払う
→従量課金制で、利用がなかったい月は料金がほとんどかからず、無駄のない支払いが可能です。

初期費用がかからない
→車を所有しないため、車両価格や駐車場代、車庫証明、自動車税、車検代なども不要です。

色々な車種を選べる
→ちょっとした移動は軽自動車、荷物を運びたいときはワゴン車にするなど、柔軟に選択できます。

カーシェアリングは、XaaSの概念がどのように実生活で活用されているかを示す例です。

なお、厳密にはMaaSは自動車だけではなく公共交通機関も巻き込んで移動全般の統合サービスを目指すものなので、日本ではまだ発展途上といえます。

しかしカーシェアを始めとするライドシェアの普及はXaaSモデルの浸透を示すものでしょう。

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XaaSの代表的な種類

IaaSとPaaS

IaaS(Infrastructure as a Service)
サーバー、ストレージ、ネットワークなどのインフラをクラウドベースで提供するサービスです。

PaaS(Platform as a Service)
アプリの開発やデータベース構築を行うためのプラットフォームをクラウドで提供するサービスです。

※IaaS, PaaSについては以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください

 SaaS(Software as a Service)

ソフトウェアをインターネット経由で提供するモデルです。

従来、パソコンにソフトを買ってインストールしていましたが、SaaS登場によってブラウザからソフトにアクセスするのが一般的になりました。

基本機能は無料で使え、ビジネス向けの高度な機能はサブスク方式で課金というパターンのサービスが多いです。

共同作業が容易になり、ソフトウェアアップデートの必要がなくなったことが主な利点です。

代表的なサービス例: Google Workspace, Microsoft 365, Zoom, SalesForce

CaaS(Container as a Service)

PaaSの一種になりますが、コンテナ運用管理の基盤を提供するサービスがCaaSです。

コンテナとはアプリの動作環境の仮想基盤の単位のことで、開発、デプロイに使われる技術のことをいいます。

本来ホストOS毎に独立した管理が必要だったコンテナですが、CaaSを利用することで複数ホストにまたがるコンテナでも管理が自動化され、ユーザーはアプリ開発に集中することができるようになりました。

例:Kubernetes

IDaaS(Identity as a Service)

複数サービスのIDやパスワード情報の管理をクラウドで一元化するサービスです。

ユーザーがそれらを手元で管理していると、入力の手間に加え、情報の紛失・漏洩といったリスクもありました。

IDaaSを導入しシングルサインオンが実現することで、面倒な認証やログインが不要になり効率化されるほか、アクセスログなどの管理もでき、セキュリティの強化にもつながります。

例:Azure AD, Okta

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XaaS利用の注意点やリスク

インターネット依存のリスク

XaaSはインターネット接続を前提としたサービスなので、ネット接続に障害が起きると利用できません。

また、ネット回線の速度、帯域によってパフォーマンスが左右されるという側面があります。

ネット回線が生命線であり、重要なシステムをXaaSで利用する場合は、安定して高速なインターネット環境が不可欠といえるでしょう。

新たなセキュリティリスク

すべてのITテクノロジーに不可欠であるセキュリティ対策ですが、XaaSでは守り方の前提を見直すことが必要です。

アクセスする場所を選ばないクラウド環境では、従来の社内/外(イントラネット、インターネット)の区別で防御していたセキュリティ対策では対応しきれません。

複雑で不透明なアーキテクチャの中でのデータ損失、漏洩リスクがつきまといます。

対処するためには、ユーザーが使用する各端末(エンドポイント)で、アクセスするアプリケーションとその動作それぞれに対し、検証を繰り返し安全性の確認をとることが必要です。

この考え方を「ゼロトラスト」と呼んだりします。

XaaS時代では、これまでの境界防御からエンドポイント防御へ、ゼロトラストモデルでの対策が求められています。

XaaS導入のポイント

ネット回線のトラフィック量に注意

インターネット回線に帯域トラフィックという概念があります。

道路とその交通量のようなものだと思ってください。

XaaS利用が増加することでトラフィック(通信量)も増大し、渋滞してしまいます。

処理によっては回線が耐え切れなくなり、業務に支障が出てしまうこともあります。

そうならないように、常にネットワーク通信の低レイヤーの安定性を監視し、構成が不十分ならXaaS導入の前に強化するなど対策しておくことが望ましいでしょう。

安定した通信環境が整うことで、XaaSの利便性を最大限に活かすことができます。

セキュリティ体制の強化

4-2新たなセキュリティリスクで記載した内容の繰り返しになりますが、エンドポイントでのゼロトラストセキュリティの実装です。

XaaSにおいては、守るべき情報資産が内部から外部に移りました。

またXaaSへのアクセス経路は多岐に渡るので、社内/外の境界という概念も通用しなくなります。

サイバー攻撃も多様化しているので、データに対し誰がどこからアクセスしているのか、保護対象領域を整理したうえで、ゼロトラストで防御するセキュリティを整備することが有効です。

障害対策

XaaSにおけるネット回線の重要性を記載しましたが、クラウド事業者側のサービス障害に対する備えも必要です。

XaaSで障害が発生すると、自分たちで復旧作業ができないので、事業者の対応を待つしかありません。

事業者とのSLA締結はもちろん、障害発生時も業務を維持できるように、代替え手段を用意してビジネスを継続できるようにしておくのもポイントです。

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まとめ

様々な種類のサービスが登場し、ビジネスや日常生活に大きな変化をもたらしているXaaSは今後も拡大し続け、私たちにとってますます身近になっていくでしょう。

しかし、コストカットもでき便利だというメリットだけに着目して安易にXaaS利用を加速するのは危険です。

ネットワークやセキュリティの面で従来からのトランスフォーメーションが必要だということを忘れてはなりません。

XaaSのデメリットも意識して適切な導入をしていくことで、IT環境をより進化させることができるはずです。

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