Hyper-Vとは、Microsoftが提供している仮想化の仕組みです。
仮想化技術を使って、1台の物理的なWindowsサーバー上で複数の仮想的なコンピュータを動作させることができます。
こうした技術は「ハイパーバイザー」と呼ばれ、コンピュータの処理能力の向上や稼働化技術の進歩とともに、物理サーバーのコストを下げられることなどから大きく利用が広がりました。
また、これらの技術はテレワークなどの新しい働き方にも力を発揮します。
今回は、仮想化技術を活用して仮想マシンを動かす仕組みであるHyper-Vについて解説します。
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目次
Hyper-Vとは
Hyper-Vとは、Microsoftが提供する仮想化の仕組みで、「ハイパーバイザー」とも呼ばれます。
仮想化技術を使って、Windows OS 端末上の Hyper-V というハイパーバイザーの上で複数の仮想的なコンピュータを動作させることができます。
従来はWindows Serverに組み込まれた機能として提供されていましたが、現在ではWindows Serverだけでなく、Windows 10や11でも動作するようになっています。
(Windows 10や11はPro以上のエディションが必要)
専用ソフトのインストールなしに利用することができるため、使いやすいものとなっています。
Hyper-Vが伸びた背景とは
市場調査会社であるSDKI(渋谷データカウント)の2021年の調査によるとクラウドや仮想化など、オンプレミス以外のサーバー仮想化市場は、2022年に約7,401百万ドルから2031年には約11,994百万ドルまで増加し、2022年から2031年までに6.22%のCAGR(年平均成長率)で成長すると予想しています。
Hyper-Vをはじめとする仮想化市場はなぜ伸びてきたのでしょうか。
その背景には、以下のような理由があります。
- 物理サーバーの台数を減らすことができ、コスト削減につながる
- 仮想サーバーにすることで迅速な導入や変更、廃止等に対応できる
- コンピュータの処理技術や仮想化技術の向上でパフォーマンスが十分出せるようになった
など
クラウドサービスについては、こちらの記事で詳しく述べています。
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仮想化ソフトの種類
Hyper-V以外にも仮想化技術を活用して仮想マシンを動かす仕組みやソフトウェアはいろいろなものがあります。
また、仮想化技術にはいくつかの種類があります。
この章では、その種類について具体的に見ていきましょう。
仮想化技術には種類がある
Hyper-Vも仮想化技術の一つです。
ハイパーバイザーと呼ばれる仮想化技術を用いて仮想マシンを動作させる仕組みには大きく分けて、以下の2つの種類があります。
<ホスト型>
ホスト型ハイパーバイザーは、OS上で動作するソフトウェアとして提供されており、インストールしたソフトウェアの上でさまざまな仮想マシンが動作します。
ホスト型のハイパーバイザーに分類される一般的な仮想化ソフトウェアには、以下のようなものがあります。
- Parallels Desktop
- Virtual Box
- VMware Server
など
<ベアメタル型>
ベアメタル型はOS上で動作するわけではなく、それ自体が直接OSのようにインストールされ、ハードウェアを制御するものです。
ホスト型に比べると処理速度が高い特徴があります。
ベアメタル型のハイパーバイザーに分類される一般的な仮想化ソフトウェアには以下のようなものがあります。
- Hyper-V
- VMware ESX
- Xen
など
このようにハイパーバイザーには、ホスト型とベアメタル型のそれぞれに例示したようなものがあります。
そして、Hyper-Vはベアメタル型に分類されます。
Hyper-Vはなぜベアメタル型?
ここで不思議に思った人もいるのではないでしょうか?
なぜ、Windows上で動作しているHyper-Vがホスト型でなく、ベアメタル型に分類されているのでしょうか。
実は、以前Windows Server2005R2ではHyper-VはWindows Serverの追加ソフトウェアとして導入されていたため、ホスト型のハイパーバイザーに分類されていました。
しかし、その後Windows ServerとHyper-Vが完全に統合されたため、ベアメタル型のハイパーバイザーに分類されているのです。
Hyper-Vの強みとは
以下では、ハイパーバイザー自体の強み、他のハイパーバイザーと比較してのHyper-Vの強みの2つの側面から見ていきましょう。
ハイパーバイザーの強みとは
通常のサーバーでなく、ハイパーバイザーを使うことのメリットはどのような点にあるのでしょうか。
端的に言うと、物理サーバーと比べてハイパーバイザーを使うメリットは以下のような点です。
- 物理機器の導入コストが下げられる
- リソースの拡張や変更が容易
- サーバーの追加が迅速に行える
など
このように、物理サーバーと比べると導入の手軽さやコスト面、利用面でも多くのメリットがあります。
他のハイパーバイザーと比較してのHyper-Vの強みとは
ハイパーバイザーには、先ほど説明したように「ホスト型」「ベアメタル型」の2種類があり、それぞれに仮想化ソフトウェアがあります。
そうした他のハイパーバイザーと比較した時のHyper-Vの強みは、以下のような点です。
- 馴染みのあるWindows環境の操作感で使える
- Windows OSと一体化しており親和性が高い
- MicrosoftのクラウドサービスであるAzureと親和性が高い
Hyper-Vのメリットとしては、とくにWindows環境での操作感やWindows OSとの親和性など、Microsoft製品であることならではの強みが挙げられます。
Hyper-VとVMwareなどの違いとは
ハイパーバイザーとしてよく使われているものにはHype-Vの他にVMwareがあります。
この章では、Hyper-VとVMwareとの違いについて比較してみましょう。
VMwareとは?
仮想環境を実現するよく知られたハイパーバイザーにはVMwareもあります。
VMwareは、VMware社が開発、リリースしている仮想化ソフトウェア製品で、VMware vSphereというもので2009年に初リリースされ、最新バージョンは8です。
VMWare vSphereは、ベアメタル型のハイパーバイザーであり、物理サーバーに直接インストールして使われ、そのプラットフォーム上でさまざまな仮想環境を動かすことができるようになっています。
Hyper-VとVMware
ここまで解説してきたHyper-VとVMwareには、どのような違いがあるのでしょうか。
以下では、よく知られたハイパーバイザーである両者の比較をしてみましょう。
Hyper-V | VMware | |
---|---|---|
開発元 | Microsoft | VMware |
ハイパーバイザー構成 | 親パーティションも仮想化している | 親パーティションは物理サーバーとの仲介をしている |
起動速度 | 速い | 遅い |
画面サイズ | 固定 | 変更可能 |
ネットワーク | 仮想ルータの設定が必要 | ホストのNICをブリッジできる |
費用 | VMwareより安価 | Hyper-Vより高価 |
対応OS | Windows | Windows,Linux,Solaris,BSD,Netware |
どちらの仮想化ソフトが選ぶべきか、利用する目的を明確にし、その目的にあわせて総合的に判断することが大切です。
Hyper-Vはテレワークやセキュリティにも有効!
多くの企業ではクライアント端末としてWindows PCを使っているのではないでしょうか。
こうした状況の中で、Windowsの仕組みとして提供されているHyper-Vを使うことはテレワークやセキュリティ面でもさまざまなメリットがあります。
- MicrosoftのクラウドサービスであるAzureとの親和性が高い
- リモートでのゲスト仮想マシンの利用などもWindowsの慣れた操作感で行える
- 上記の利用法ではデータを端末に残さずに仕事が行える
など
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まとめ
Hyper-Vとは、Microsoftが開発、提供している仮想化ソフトウェアで、現在はWindowsに統合されたサービスとして利用できるようになっています。
この仕組みでは、Windowsのサーバー上で複数の仮想マシンを動かすことができるようになっており、従来のオンプレミス型のように1台の物理サーバーで1台の環境を動かすのに比べて、非常にコストパフォーマンスが高いものとなっています。
今回解説したように、Hyper-Vをはじめとする仮想化技術には多くのメリットがあるだけでなく、テレワークやリモートワークでのセキュリティを確保する目的にも利用できます。
目的にあわせてうまく活用してください。
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