V2Vとは。ニーズが高まる背景、P2Vとの違いを徹底解説

皆さんはV2Vという言葉を聞いたことがありますか?

V2Vとは、Virtual to(=2) Virtualの略で、仮想環境(Virtual)で動いているサーバーを、丸ごと別の仮想環境(Virtual)へ移行させる、サーバー移行の一つの手法です。

V2Vとは具体的にどのようなもので、どのような方法で行われるのでしょうか。

また、同じような言葉でP2Vというものがありますが、これとはどう違うのでしょうか。

今回は、近年非常に需要が増しているV2Vについて解説します。

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V2Vとは

まずは、V2Vとはどのようなものかを見ていきましょう。

そもそもV2VのVとはなんでしょうか。

V2Vの「V」とは

V2Vという言葉にあるVとは、Virtual(仮想)のVです。

Virtualとは仮想サーバー(Virtual Server)のことを指しています。

従来、サーバーなどコンピューターは、すべて物理的な機器(物理サーバー)で動作しており、1台の物理機器に対して1台のサーバーが動作していました

このような形態を、オンプレミス型と言います。

しかし、コンピュータの処理能力の向上や仮想化技術の向上とともに、1台の物理サーバー上に複数のサーバーを仮想的に動かすハイパーバイザーと呼ばれる仕組みが生まれました。

一般的に広く使われているハイパーバイザーには、以下のようなものがあります。

  • VMware vSphere ESX
  • Citrix Xen
  • KVM
  • Hyper-V

これらのハイパーバイザーは、構成やストレージの利用方法など少しずつ違いはありますが、仮想サーバーを利用する方法としてはほとんど同じです。

V2Vとは

仮想サーバーに利用されるハイパーバイザーには、VMwareやHyper-Vなどさまざまな種類があります。

また、ハイパーバイザー自体は、物理機器上で動作しています。

そのため、物理機器が老朽化すると、ハイパーバイザー上で動作する仮想サーバーを新しい環境へ移行させる必要があります。

これが、V2Vです。

V2Vでは、以下の3つのタイプがあります。

  • 同じ種類のハイパーバイザーで新しい機器の環境に移行する
  • 別の種類のハイパーバイザーに移行する
  • クラウドに移行する

また、後述しますが、このそれぞれのタイプを踏まえて移行の方法にもいくつかの種類があります。

V2Vのニーズは高まっている

古くなったサーバーを新しい環境へ移すというニーズは、従来からの物理サーバーでもありました。

こういったニーズはV2Vでも高まっています。

V2Vのニーズが高まる背景

従来、サーバーを新しくする要因には、以下のようなものがありました。

  • 物理機器の老朽化により、処理が遅くなってきた。
  • OSが古くなり、新しくするには物理機器ごと更新する必要が生じた。

しかし、コンピューターの処理能力の向上と仮想技術の進歩によってVMware ESXやXen、Hyper-Vなどの仮想サーバーの利用が広がると、仮想サーバー自体を新しい環境へ移すV2Vの需要が高まってきました。

たとえば、独立系ITコンサルティング・調査会社であるアイ・ティ・アール(ITR)では、2019年の時点で、2022年には企業の基幹システムに使われるERPの半分以上が仮想環境になるという予測を発表しています。

V2Vのメリット

仮想環境同士で移行を行うV2Vには、従来の物理サーバー同士の移行などと比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。

  • 物理機器が全く必要ないので、初期費用が安い。
  • 作業が非常に早いので、迅速かつスムーズに移行が行える。
  • 移行の際の停止時間をなくせる、あるいは短くできる。

V2Vの実施方法

実際にV2Vを行う場合、どのような流れで進めるのでしょうか。

ここでは、2つのパターンについて簡単に見ていきましょう。

V2Vの種類(移行先の違いによる分類)

V2Vには先ほど少し触れたように、移行先によって3つのタイプに分けることができます。

  • 同じ種類のハイパーバイザーで新しい機器の環境に移行する
  • 別の種類のハイパーバイザーに移行する
  • クラウドに移行する

V2Vで、同じ種類のハイパーバイザーに移行

移行方法としては最も簡単です。流れとしては以下のようになります。

  1. 新しいサーバーにハイパーバイザーを準備する
  2. 移行ツールを使って移行させる

V2Vで、別の種類のハイパーバイザーに移行

移行方法としては、同じ種類のハイパーバイザーに移すものほど簡単ではありませんが、流れとしてはよく似ています。

  1. 新しいサーバーにハイパーバイザーを準備する
  2. 移行ツールがある場合は、それで移行する。ない場合は、以下の方法を行う。
    • ディスクイメージファイルを新環境に合うよう変換する(こちらが多い)
    • バックアップツールでイメージを取得する
  3. バックアップを取得した場合は、移行先の新環境でバックアップイメージを利用して新しい仮想サーバーを作成する。

V2Vで、クラウドに移行

2つの新しいハイパーバイザーに移行させる方法と少し異なるのが、AWSやGoogle Cloud Platform、Microsoft Azureなどクラウドの環境に移行させる方法です。

この場合は、以下のような流れで実施します。

  1. 現在の環境のディスクイメージを以下の方法で取得する。
    • ディスクイメージファイルを取得し新環境に合うよう変換する(こちらが多い)
    • バックアップツールでイメージを取得する
  2. クラウド環境で新しいサーバーを以下の方法で作る
    • 取得したバックアップイメージを指定して構築する

V2Vとして、新しい環境にサーバー移行させる場合は、新環境の種類によって上記のような方法を使い分けることができます。

V2Vの種類(移行方法の違いによる分類)

V2Vの手法を使ってサーバーを新しい環境へ移行する方法については先ほど説明しました。

さて、移行する方法とは別に、サーバーによって移行の際の条件は下記の通りさまざまな違いがあります。

  • ある程度自由に停止や操作が行える:開発用サーバーなど
  • 調整すれば停止などが行える:一般的なサーバー
  • 基本的に停止できない。稼働したまま移行が必要:金融系など

これらの条件を踏まえた移行の方法が以下の通りです。

コールドクローン:停止させて移行する方法

コールドクローンは、移行の際にサーバーを停止させ、サービス提供が止まることが容認される方法です。

移行ツールを利用することもできますが、先ほど解説したバックアップを取得して実施することも可能です。

ホットクローン:起動したまま移行する方法

ホットクローンは、24時間365日ずっと動いてサービス提供されることが要求されている環境で、停止が容認されない場合に行われる移行方法です。

多くの場合で、移行ツールを利用して旧環境と新環境を起動したまま、移行し切り替える作業を行います。

VMwareでのV2Vの実際

具体的にVMwareの仮想サーバーにおけるV2Vの作業について、流れを見ていきましょう。

例えば、Microsoftの仮想環境管理ツールであるSystem Center Virtual Machine Manager(SCVMM)を使って、VMwareからHyper-Vに移行する場合の手順はこのようになります。

  • 移行先のサーバーを準備し、SCVMMをインストールする。
  • SCVMMを起動し、移行元のVMwareサーバーを選択する
  • 移行先を選択し、移行作業を行う

なお、移行作業の結果として「ネットワークインターフェースがおかしい」「不要なデバイスが存在する」など細かい修正を行う必要があるケースもあるので、必ず確認をするようにしましょう。

V2VとP2Vとは何が違う?

V2Vとよく似た言葉に、P2Vというものがあります。

ここでは、P2Vの概要と両者の違いについて見ていきましょう。

P2Vとは

P2Vとは、Physical to Virtualの略で、Physical(物理環境)からVirtual(仮想環境)へサーバーを移行させる手法のことを指します。

P2Vの場合は、古くなった物理サーバー(オンプレミス)の環境からまるごと仮想サーバーの環境へ移行させる、あるいは物理サーバーからクラウドへ移行させるといったケースでよく用いられます。

V2VとP2V

それでは、V2VとP2Vの両者を比較してみましょう。

V2V

V2Vは、「仮想環境から仮想環境への移行」

P2V

P2Vは、「物理環境から仮想環境への移行」

 

おおまかにいえば、両者の違いはこれに尽きます。

その上で、P2Vの場合は物理環境が不要となるために、不要な機器の廃棄などの手間が必要になることも忘れてはなりません。

作業上の手間も、V2Vに比べて複雑になり、時間がかかる傾向があります。

V2Pは存在するのか?

ちなみにV2V(仮想環境から仮想環境)、P2V(物理環境から仮想環境)という方法があるのであれば、V2P(仮想環境から物理環境)という事例はあるのでしょうか。

結論から言うと、こうした移行のニーズもあります。

「仮想よりパフォーマンスが必要な物理環境にしたい」「社内に物理サーバーとして保有したい」など、その理由はさまざまです。

ただし、絶対数としてP2VやV2Vに比べるとニーズが少ないので、移行ツールがないことが多いなどのデメリットがあります。

まとめ

今回は、V2Vの概要や需要が伸びた背景、手法、P2Vとの違いなどについて解説しました。

さまざまな業界の市場調査レポートの専門業者であるSDKI Incの調査レポート「グローバルサーバー仮想化市場-コンポーネント別(ハードウェア、ハイパーバイザー、サービス)、導入モード別(オンプレミスおよびクラウド)、組織規模別、業種別、および地域別-予測2022-2031年」によると、サーバー仮想化市場の規模は、2022年の7,401百万ドルから、2031年には11,994百万ドルの規模まで年率6.22%の規模で拡大すると予想されています。

こうした仮想サーバーの市場規模拡大とともに、仮想サーバーを仮想サーバーに移すV2Vの需要も拡大しています。

また、従来からの資産として物理サーバー(オンプレミス)を利用している企業も未だに多いのが現状です。

情報化環境整備の促進、情報信頼性確保の推進、電子商取引の推進、情報技術開発の促進、情報化人材の育成などを目的とする財団法人である一般財団法人日本情報経済社会推進協会がアイ・ティ・アール(ITR)と共同で実施している「企業IT利活用動向調査2021」でも半数近くの企業がオンプレミス型のサーバーを使い続けているとの結果も示されています。

こうした結果からはV2Vと同じようにP2Vの需要も続くと想定されます。

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