サーバーの世界では、従来の物理サーバー(オンプレミス)でなく、クラウドサーバーが急速に一般的になりつつあります。
さまざまなサービスがクラウド化される中で、セキュリティの確保などから自組織での管理をしたいというニーズもあります。
こうしたニーズに応えるのがプライベートクラウドで、企業や個人の情報を安全に保護することができるものとなっています。
しかしながら、しかし、プライベートクラウドを導入するにあたり、高度な技術力に基づく適切な設計と運用が必要となります。
今回は、プライベートクラウドの基礎知識や導入にあたってのポイントについて解説します。

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目次
プライベートクラウドとは。
そもそもプライベートクラウドとは、どのようなものなのでしょうか。
クラウドサービスには、大きく以下の2つがあります。
- プライベートクラウド:特定の組織や個人が所有し、管理する専用サービス
- パブリッククラウド:クラウド事業者が所有、管理する共有サービス
このように、プライベートクラウドとは、特定の組織や個人が所有・管理する、専用のクラウドインフラストラクチャーのことを指します。
これに対して、クラウド事業者が所有・管理する共有のクラウド環境がパブリッククラウドです。
自社管理のサーバーにクラウドを導入することで、パブリッククラウドと同様の使い勝手で、自分たちの管理下で高いセキュリティを確保しつつ情報の共有やアプリケーションサービスの運用を行うことを可能としています。
ただし、これらプライベートクラウドの導入や運用には高い技術力とコストが必要となります。

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プライベートクラウドの特徴は。
先ほども触れたように、プライベートクラウドには、いくつかのメリットやデメリットがあります。
この章では導入する際に注意すべきポイントについて見ていきましょう。
プライベートクラウドのメリット
まず、プライベートクラウドを導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
大きく分けて、以下の3つです。
- 高いセキュリティを保つことができる
多数の利用者と共有するものでなく、自社専用なのでセキュリティレベルが高い。
- カスタマイズ性が高い
自社で管理設置しているものなので自由にカスタマイズできる。
- 自社で全てをコントロールすることができる
自社で管理設置しているので、管理をすべて自社の方針に基づいて行うことができる
プライベートクラウドを使う場合は、以上のようなメリットがあります。
プライベートクラウドのデメリット
プライベートクラウドを導入することがデメリットになるポイントはないのでしょうか?
以下は、プライベートクラウドを導入することで、デメリットになる内容です。
- パブリッククラウドに比べると柔軟に拡張していくことが難しい
- 自社でハードウェア含めて専用のクラウド環境を構築するため、コストが高くなる
- 構築や運用には高度な技術やスキルが必要となり、そうした技術者の体制を確保する必要がある
- 自社で環境を構築するため、セキュリティの課題が発生した場合は自社で責任を負うことになる
このようにプライベートクラウドはパブリッククラウドに比べると優れた点もたくさんありますが、デメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。
プライベートクラウドの導入ステップ
プライベートクラウドの導入は高い技術力が必要なため、計画的に進めていく必要があります。
ここでは、導入のステップについて解説します。
プライベートクラウドを導入するには、一般的に以下のようなステップで行います。
- 導入する目的を明確化する:
プライベートクラウドを導入する目的を明確にし、導入に必要な要件を洗い出します。
例えば、システムの安定性向上やセキュリティ強化、自社に合うようにカスタマイズしたシステムを使いたい、などがあります。 - システム設計の実施:
プライベートクラウドのシステム設計を行います。
システム構成やネットワーク設計、サーバー構成、ストレージの設計などがそれです。
また、併せて利用するオペレーティングシステムやミドルウェア、アプリケーションの選定も含まれます。 - インフラの構築:
システム設計に基づいて、実際にプライベートクラウドのインフラを構築します。
サーバーの設置やネットワークの構築、ストレージの設定などを行います。
また、冗長化やバックアップの設定なども重要です。 - セキュリティ対策の実施:
プライベートクラウドにおけるセキュリティ対策を実施します。
アクセス制限や認証・認可の設定、データの暗号化、監視やログ管理などを行うことで情報が確実に守られるようにします。 - テスト・評価:
プライベートクラウドが正常に稼働しているかどうかを確認するため、各システムの単体テストおよび全体として想定通りの動作をするかの結合テストを実施します。
その後、システムの評価を行い、必要に応じて改善を行います。 - 導入・運用:
すべてのテストが完了することでプライベートクラウドのシステム導入フェーズが完了し、運用に入ることができます。
運用に先立って管理者および利用者の教育・研修を行います。
システムは定期的な保守・点検を行い、安定的な運用を継続していくことが重要です。
段階を踏んで計画に行うことが、プライベートクラウドのスムーズな導入と利用につながります。
プライベートクラウドのセキュリティ対策
パブリッククラウドに比べると、安全性が高いと言われるプライベートクラウドですが、それでもセキュリティ対策は必要です。
どのようなセキュリティ対策を行うべきなのでしょうか。
プライベートクラウドサービスのセキュリティ対策とは
プライベートクラウドにおけるセキュリティ対策にはどのようなものがあるのでしょうか?
パブリッククラウドに比べると安全性は高いと言われますが、以下のような対策が必要となります。
- ファイアウォールを設置して不正アクセスなどを防ぐ
- アクセス制御を強化することで、権限のある利用者しかアクセスできないようにする
- 監視やログ管理を徹底することで、不審なアクセスや操作をすぐに見つけ出せるようにする
- データの暗号化を行うことで、機密性を確保する
- 最新の更新プログラムを適用することで脆弱性が残ることを防ぐ
- バックアップを確実に行うことで、災害などでのデータ消失を防ぐ
情報セキュリティでは「機密性」「可用性」「完全性」と呼ばれる3原則が求められます。
情報がしっかり守られ、権限のあるものだけが必要なときにアクセスできるようにすることが、プライベートクラウドでも求められます。
プライベートクラウドとパブリッククラウドのセキュリティ対策の違い
セキュリティ対策をとるにあたり、プライベートクラウドとパブリッククラウドではいくつかの違いがあります。
いずれもセキュリティ対策が必要なことには違いはありませんが、対応に以下の違いがあることを理解しておいてください。
- アクセス制御の設定:
パブリッククラウドがより多くのユーザーに対する設定が必要になるのに対して、プライベートクラウドは自由に細かくカスタマイズした設定が可能 - データの管理:
プライベートクラウドは自社のポリシーに基づいた設定が可能だが、パブリッククラウドでは事業者に左右される - ハードウェアの物理セキュリティ:
パブリッククラウドでは事業者が管理をするが、プライベートクラウドは自社で対策を行う
など
このように、基本的には多くの面で似ていますが、両者それぞれに必要なセキュリティ対策があります。
プライベートクラウドの将来性と今後の展望
プライベートクラウドは、多くのメリットがある仕組みです。
オンプレミスから自社でハードウェアを持たないパブリッククラウドへの移行が進む中で、プライベートクラウドの将来性はどのように考えれば良いのでしょうか。
プライベートクラウドは、企業や組織が自社の情報やシステムをより安全かつ効率的に管理するために重要な存在となっています。
特に、クラウドコンピューティングの利用が広まる中、プライベートクラウドの需要は今後も高まることが予想されます。
また、プライベートクラウドは、セキュリティやコンプライアンスの観点から、特に金融機関や医療機関などの重要なデータを扱う企業や組織にとって、必須のシステムとなっています。
そのため、今後もプライベートクラウドに対する需要は継続すると考えられます。
さらに、IoTの普及やビッグデータの処理、人工知能など、新たなテクノロジーの出現によって、データの膨大化や処理能力の要求が高まっていくことが予想されます。
これに伴い、プライベートクラウドは、データの保管や処理において重要な役割を果たすことになると考えられます。
このように、パブリッククラウドの利用が進む中においても、高いセキュリティを必要とするケースなど、さまざまなケースでプライベートクラウドは大きなニーズを持っており、将来性は高いと考えられます。
まとめ
プライベートクラウドは、自社でハードウェアを設置し、その上で専用のクラウドサービスを設置することで高いセキュリティとカスタマイズ性を確保した仕組みです。
パブリッククラウドが、事業者が管理するデータセンター内のハードウェアで提供されているのに比べると大きな違いです。
今回解説したように、コスト面や技術者などの体制を確保する必要がある、などデメリットもありますが、高いセキュリティは大きなメリットです。
今後も、こうしたプライベートクラウドのニーズは続くことは間違い無いでしょう。
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