近年AIの研究は飛躍的に進み、私たちは、AIを身近に感じるようになりました。
スマートフォンやオンラインショッピング、音楽ストリーミング、ソーシャルメディア、検索エンジンなど、私たちが日常的に使用する多くのデジタルツールやサービスにAIが活用されており、AIは今や私たちの生活に欠かせない存在です。
2022年にはChatGPTと呼ばれる画期的なAIが登場し、世界中で話題になりました。
AI(人工知能)とは、何が出来て、私たちの暮らしをどう変えていくのか。
今回は、AIについての最新の知見も含めて紹介します。
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目次
AI技術が使われたChatGPTの出現と衝撃
ChatGPT(チャットGPT)と呼ばれるAIが2022年に登場し、世界中に衝撃を与えました。
AIについて解説するにあたり、まずはChatGPTについてみていきます。
ChatGPTとは
ChatGPTとは、自然な対話を模倣し、ユーザーの入力に対して自然言語の応答を生成することができるチャットサービスです。
米国のOpenAIが開発した大規模な言語モデルGPT「Generative Pre-trained Transformer」を使っており、自然言語処理のタスクにおいて非常に高い性能を発揮します。
ChatGPTでは、こうした言語モデルをWebブラウザで手軽に利用できるようになっています。
チャットボットや自動翻訳、文章生成、要約、質問応答など、さまざまなタスクに適用することができ、その柔軟性から、幅広い分野で活用されています。
無料版のChatGPTと有料版のChatGPT Plusの違いとは
ChatGPTには無料版と有料版があり、以下のような違いがあります。
- ChatGPT(無料版):無償で誰でも利用できる。
- ChatGPT Plus(有料版):ChatGPT Plus(月額20ドル)。最新版GPTの4が使える。混雑していても優先される。サポートが充実している。
言語モデルのGPTのバージョンについて、ChatGPT PlusのGPT-4と、ChatGPTのGPT-3を比較すると以下のような違いがあります。
- マルチモーダルへの対応:画像を入力して文章を返す・音声を入力して文章を返すなど(ChatGPTでは使えない)
- 知識量や思考力の向上
- 入力できる文字数の増加:2500→25000へ
このような機能の差に加えて、サーバー混雑時の有線アクセスが優先されるなど、無料版に比べると優れた点が多いのが有料版のChatGPT Plusです。
ChatGPTを利用する際の注意点
万能のツールに思えるChatGPTですが、以下のような注意点があります。
- 2021年9月までの情報しか持たない
- 答えには誤りが含まれることもある
など
ChatGPTを使う際には、以下のような事実確認を自分でしっかりと行う必要があります。
- 事実かどうかファクトチェックを行う
- ChatGPTで調べたコンテンツの現在の最新状況を確認する
- キーワード選定をきっちり行う
など
ChatGPTを使う場合は、情報を鵜呑みにしないよう注意しましょう。
AI(人工知能)とは
ChatGPTの出現とその衝撃についてみてきたところで、改めてAIの基本的な内容をみていきましょう。
従来のコンピューターは、あらかじめ決められたプログラムに従って一定の処理を行うものでした。
指示は人間が行い、自律的には学習しないため、特定のタスクに特化しており、限られた処理しかできませんでした。
これに対して、AIは以下の特徴があります。
- 人間がすべてを教えなくても自分で正しい判断をすることができる「自律性」
- 膨大な量のデータから自動的に学習し、処理能力や効率、精度が上がっていく「適応性」
これは、今までは人間だけが持っていた能力です。
「自律性」「適応性」を実現しているからこそAIは「人工知能」と呼ばれるのです。
高度な自然言語処理や画像認識などのタスクにも対応できるため、AIは幅広い分野で活躍しています。
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AIの歴史
人工知能とも言われるAIの研究は、どういった歴史を歩んできたのでしょうか。
進化の過程には、過去に大きく3回のブームがありました。
第一次ブーム
1956年にアメリカで行われた「ダートマス会議」で初めてAIという言葉が学問的に初めて使われました。
この時には、人間の思考回路をコンピューターで実現するために、以下の2つの観点から研究が進められました。
- 推論:思考回路を記号ですべて表現する
- 探索:思考パターンをすべての場合分けとして表現する
当時のプログラムでは、チェスプログラムなど簡単なものはできましたが、より複雑なものは出来ませんでした。
第二次ブーム
コンピューターに多くの知識を入れ込むことで正しい判断ができるよう研究が進められました。
「エキスパートシステム」とも呼ばれます。
この段階では、たとえば医療や法律など専門的な知識をたくさん備えたシステムを作り、それを業務に生かすところまで来ています。
実際に1980年代のアメリカでは、大企業の多くで利用されていました。
しかし、多くのデータを入れるとデータ同士の矛盾が発生したり、データの更新が煩雑になったりといった問題が起こることとなりました。
第三次ブーム
現在のAIの研究や活用では、「学習によるパターンや特徴の抽出」といった点に着眼点を置いています。
ここでキーになる考え方が「ディープラーニング」と呼ばれるもので、データを元にして自分で特徴を見つけ出して判断するという仕組みです。
人間がものを考える時に、多くのデータと単に照らし合わせて回答を得るというわけではなく、段階的に特徴などを捉えて回答を得ます。
そういう意味で、ディープラーニングの仕組みは、人間の脳のプロセスと非常に似ているもので、「ニューラルネットワーク」とも呼ばれています。
暮らしの中のAI
今やAIは、私たちの暮らしのさまざまなところで活用が始まっています。
最初に紹介したChatGPTもその一つです。
他にも、以下のようなものがあります。
- タブレットなどでの自動翻訳
- 株式投資などでのAI活用
- スマートフォンや入退室などでの顔認証システム
- 電気やガスのスマートメーター
- Google HomeやAmazon Echoに代表されるようなスマートスピーカー
- ルンバに代表されるようなスマート家電
など
AIは私たちの生活を便利にするための欠かせないツールへと進化しています。
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AIが持つ課題とは
ここまで解説してきたように、AIは私たちの生活を便利にし、さまざまなサービスに画期的な進展をもたらす技術です。
しかし、そこには以下のような課題もあります。
- データのバイアスや公平性、偏り
- プライバシーを確保するデータ保護策
- 悪用を防ぐセキュリティ対策
- 問題発生時の責任の帰属
例えば、最初に取り上げたChatGPTでも、答えに誤りがあることは知られています。
まだまだAIはこれから進歩していく途上にある技術ですので、それを認識しておきましょう。
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今後AIはどこへ向かうのか
人間のように「自分で考えて行動する能力」「学習することで自身のレベルアップをしていく能力」を得ることで、AIは今後どこへ向かっていくのでしょうか。
暮らしはどう変わるのか?
AIの進展によって、私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか。
- AIができる単純労働など、人間にとって変わることで労働時間の短縮が起こり、人間はよりクリエイティブな分野で働くことになる
- AIが肩代わりすることで、家事がより楽になる
- 車が自動運転で目的地まで連れて行ってくれるようになる
など
他にも医療分野でのAIによるアドバイスによるオーダーメイド医療の進展など、いろいろなことが考えられます。
一方、AIによって仕事が奪われるといった意見もあります。
ただ、過去の歴史を紐解いてみると産業革命やIT革命によって失業者が溢れかえったかというとそんなことはありません。
AIを使う新しい仕事が生み出されていく、人間にしかできない分野へと仕事が変化していく、といったような結果につながると考えられます。
AIはどこへ向かう?
皆さんは「シンギュラリティ」という言葉を聞いたことがありますか?
AIの知力が人間の知力を超えてしまうタイミングのことで、一説によれば2045年ごろに訪れるとも言われています。
それによってひょっとしたら人間とAIとの関係性に変化が起こることもあるかもしれません。
映画などで出てくる人工知能が人間を支配するといったこともないとは言えません。
AIの急速な進化は、さまざまな可能性を考えさせてくれます。
まとめ
最近、ChatGPTが世界中で大きな話題となっています。
AI、人工知能は急速に進歩を遂げ、私たちの暮らしを便利にするものとなっています。
これまで、AIの研究は歴史的に大きく3つの段階を経て進んできました。
そして、この進歩を後押しするかのようにコンピューターの処理能力は飛躍的に向上してきました。
今後、AIの進歩とともにAIが人間を超えるシンギュラリティを迎えることとなりますが、並行してAIとの立ち位置の変化や、私たちの価値観なども大きく変化することでしょう。
改めて、人間にとってAIとはどういうものか、ということも考える必要があるかもしれませんね。
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