AI(人工知能)の発展は、これまで3つの段階を経て進んできました。
そして、現在の3つ目の段階でキーとなっている技術がディープラーニング(深層学習)と呼ばれるものです。
ディープラーニングは、AIの根幹を構成する考え方として開発された機械学習の一つの手法で、現在AIを構成するアルゴリズムとしてもっとも広く用いられています。
今回は、このディープラーニングについて解説します。
AIについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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目次
AIの歴史とディープラーニング
少し触れましたが、これまでAIは3つの段階を経て進歩してきました。
第一次
人間の思考回路を「推論」と「探索」という観点から実現しようと試みた。
第二次
多くのデータを蓄積したエキスパートシステムの実現を目指した。
第三次
そして、現在活用されているディープラーニングが第三次となります。
ディープラーニングは、2006年にトロント大学のジェフリー・ヒントン教授らが開発した「オートエンコーダ」と呼ばれる技術がもとになっています。
ディープラーニングとは
現在のAIブームの根幹をなしている重要な技術であるディープラーニング。
ディープラーニングとはどういったものなのしょうか。
人間の脳が持つ神経回路との類似性なども含めて見ていきましょう。
ディープラーニングとは
ディープラーニングとは、簡単に言うと人間の脳をモデルとしたニューラルネットワークをコンピュータ内で構築しようとするものです。
人間の脳は、複雑な神経回路を組みあわせネットワーク化することで思考や行動を行っています。
ディープラーニングでも、ニューラルネットワークを複雑に組み合わせて、さまざまな事柄を学習し、問題に対して適切な回答を返せるようにしています。
このように、ディープラーニングではコンピュータは学習をもとにして、人間の指示によらず適切な答えを導くことができる仕組みを実現しています。
ディープラーニングで使われるニューラルネットワークとは
人間の脳はさまざまな神経回路が複雑に接続されて情報をやりとりするネットワークを構成しています。
ニューラルネットワークはこうした人間の脳の構造を数理モデルの活用によって実現しようとしたもので、現在までに以下の3つの段階を経て研究が進められてきました。
第一次
1957年にローゼンプラットにより提唱されたもので、パーセプトロンによって視覚や脳の機能のモデル化をすることで、コンピュータによるパターン認識を行う仕組み。1960年代にブームを巻き起こした。
第二次
1986年にラメルハートらによって考案された多層パーセプトロンによって1980年代に巻き起こったブーム。多層パーセプトロンは、発展型パーセプトロンとも言えるもので、「隠れ層」を加えた2層以上のパーセプトロンを組み合わせることで、より精度の高いものを実現しようとした。
第三次
2006年に開発されたオートエンコーダをもとにして2012年ごろから急速に研究が活発となったディープラーニングによってブームとなった。これまで以上に精度の高い仕組みを実現している。
ディープラーニングの仕組み
3つの段階を経てたどり着いたディープラーニングの研究。
では、ディープラーニングとはどういった仕組みをもったものなのでしょうか。
ディープラーニングは、以下の3つの特徴を持っています。
- ニューラルネットワークをベースとした考え方であり、「入力層」「隠れ層」「出力層」の3つの段階に分けた処理を行う。
- 隠れ層が非常に深い階層まで構成されている(ディープラーニングの意)
- 処理の段階での判断や抽出についてもAIが学習によって行う
実際に処理を行う際には、一つの事柄を多くの層に分けて「重みづけ」を行いながら処理を行って正しい答えを出力するという仕組みです。
機械学習とディープラーニング
ディープラーニングも機械学習の一つの方法ですが、厳密に言えば両者は同じものではありません。
では、両者の違いはどこにあるのでしょうか。
ディープランニング | 機械学習 |
---|---|
判断する際の着目点をAIが自らの学習によって身につける →判断に人の手は不要 | 判断する際の着目点は人間が指定する必要がある →判断に人の手が必要 |
両者の大きな違いは、「人の手が必要か否か」です。
さまざまなところで活用されるディープラーニング
幅広く活用が始まっているディープラーニングですが、具体的にどういったところで用いられているのでしょうか。
- 株式の自動売買システム:ディープラーニングによる株価の予測
- コンピュータシステムの障害予知:挙動から障害を予知し予防保守の実施
- がんなどの深刻な病気の治療法探索:AIによる有用化合物の探索
など
他にもさまざまなところでディープラーニングの考え方を活用したAIによるサービスが提供され始めています。
まとめ
現在、第三次AIブームと呼ばれるように、さまざまな分野でAIの活用が行われ、「AI」という言葉を至るところで目にするようになっています。
そして、そのキーとなっている技術がディープラーニング(深層学習)と呼ばれるものです。
従来のAIでは、多くの情報をコンピュータに読ませる、人間がパターンなどを学習させる「機械学習」というアプローチを通して、コンピュータに判断をさせていました。
しかし、ディープラーニングでは、人間の脳の仕組みを模したニューラルネットワークを、これまで以上に深い階層に分けたものを利用することで、これまで人間が指示していた判断の際の重みづけや基準などもすべて学習のうえでコンピュータ自身が判断するということを実現しています。
新しいディープラーニングを用いたAIは、今回紹介したような多くの分野で活用が始まっています。
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