プログラミング言語には、CやJava、Rubyなどさまざまなものがあり、目的に合わせて使い分けられています。
そういった中で、Pythonは、WebフレームワークによるWebアプリの開発や、ゲーム等の開発など多くの場面で使われている注目の言語です。
しかし、Pythonが注目されているもっとも大きな理由は、機械学習やディープラーニングなどAI(人工知能)の開発で活用されている点です。
今回は、こうしたトレンドの言語であるPythonについて解説します。
目次
Pythonってどんな言語?
今、もっとも注目を集めている言語であるといっても過言ではないPython(パイソン)。
Pythonとはどういった言語なのでしょうか。そして、なぜ注目されているのでしょうか?
Pythonの特徴や強みとは
かつての古い言語であるCやPascalといったものは、非常に読みにくく、かつコードが膨大になる傾向がありました。
さまざまな機能を追加するためには、都度機能を追加するためにコードを書く必要があり、開発に非常に時間がかかっていました。
また、Webサービス、セキュリティ、データベース解析など、従来の言語が開発され利用され始めた当時にはそこまで重視されなかった、あるいは必要とされていなかった機能の需要の高まりにも対応する言語が必要となっていました。
Pythonでは、こうした要求に応えるために以下のような特徴を持ち、強みとしています。
など
Pythonはなぜ注目されている?
これがPythonが注目されている最も大きな理由です。
AIを優秀なものとするためには機械学習やディープラーニングといった手法によって多くのデータを学習させることが不可欠です。
そして、もう一つがここで使われる膨大なデータ(ビッグデータ)を統計的に解析し、意味のある情報を取り出すデータサイエンスの分野でもPythonは大きな役割を果たしています。
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Pythonの歴史
Pythonは、1980年代にC言語などの古い言語の後継として開発され、1991年に最初のバージョンがリリースされました。
その後、1994年にバージョン1.0のリリース。
2000年にリスト内包表記や参照カウントによるガベージコレクションシステムなどを備えたバージョン2.0がリリースされています。
現在のバージョン3.0は、下位互換性を持たない大規模な改訂となっており、これまでのプログラムは変更する必要があります。
Pythonが使われる分野
現在、Pythonはさまざまな分野で使われるようになっています。
では、具体的にどういったところで使われているのでしょうか。
以下にいくつか例を挙げて解説します。
AI(人工知能)での活用
Pythonでは人工知能の開発に便利なライブラリ(Numpyやmatplotlib、tensorflowなど)が豊富に提供されており、スムーズな開発が行えるようになっています。
画像処理などでの活用
画像処理や映像処理では、画像を入力して正確に処理を行う際にPythonが強いディープラーニングなどAIを使って画像情報の分類や認識を行っています。
ブロックチェーンなどフィンテックでの活用
フィンテックの分野では、暗号化や数値処理が必要となります。
Pythonは、ハッシュ関数による暗号化の仕組みや、豊富な数値ライブラリを持つことから、よく活用されます。
キャリアアップにもつながるPython
Webサービスなど、トレンドの業界でも使われるだけでなく、AIやIoTなど将来伸びていく技術にも活用されるPythonを学ぶことは、技術者としてのキャリアアップにもつながります。
HackerRank社が、2020年に世界の10万人余りの開発者に行ったアンケート結果によると、「技術者が次に習得したい言語」の2位としてPythonがランキングされています。
また、「需要のあるプログラミング言語」のランキングでも同様に2位となっています。
1位:Go(36.2%)
2位:Python(27.7%)
3位:Kotlin(24.9%)
このように業界でも需要が高く、技術者にとっても人気の高いPythonを学ぶことは将来につながる、と言えます。
効率よくPythonを学ぶには
さて、キャリアアップにもつながることが分かった注目のプログラミング言語Pythonですが、どのようにすれば効率よく学習することができるのでしょうか。
Python学習のポイント
Pythonは、同じ動作をさせるコードを記述する場合にも、C言語などと比べて非常にシンプルです。
構文が比較的シンプルと言われており、誰がコードを書いても同じようになると言われています。
その上で、学ぶために抑えておくべきポイントは以下の3つです。
学習するときに注意する点とは
Pythonの学習を効率よく行うポイントを解説しましたが、学習を進める際に注意しておくべきポイントがあります。
それは、先ほども軽く触れましたが、「Pythonにはバージョン2系と3系の2種類があり、それぞれに互換性がない」という点です。
これは、Unicode対応など3系にするときに大幅な変更が必要になったことによります。
ただ、今から学習するのであれば基本的には3系で問題ないでしょう。
ただし、既存のコードなどで2系向けに書かれているものや、目的の機能を実装するために利用したいライブラリが3系に対応しているか、予め調べておく必要があるでしょう。
Pythonを扱う場合は、バージョン2系と3系の違いがあることを知っておきましょう。
まとめ
C言語などの次世代にあたる言語として開発されたPythonは、Webサービスなどで利用が拡大しています。
しかし、Pythonがもっとも注目されているのは、AIやIoTなどといった未来へ向けた新しい技術で活用されるという側面です。
Pythonは、AIに深く関わるディープラーニング、IoTで使われるセンサーなどにも広く使われており、今後将来にわたって利用が拡大していくことは間違いないでしょう。
従って、Pythonを学ぶことは将来のキャリアアップにも役立つと言えます。
しっかりと効率よく学習して自分のものにしていきましょう。
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