みなさんは、画像解析」や「動画(映像)解析」にどのようなイメージを持っていますか?
何か自分には縁遠く難しいもののように聞こえるかもしれませんね。
しかし、実は、私たちの日常生活において画像や動画の解析は頻繁に行われています。
たとえば、スマートフォンの顔認証機能や、カメラで撮影した写真から商品を認識するサービスなどが挙げられます。
画像解析や動画解析の分野では、AI・ディープラーニングなど新たな知見や技術の活用が始まっています。
今回は、「画像解析」や「動画解析」について解説します。
目次
画像解析や動画解析とは
「画像解析」や「動画解析」とは、画像や動画をコンピュータで処理、解析し、有効な情報を取り出すことを指します。
たとえば、以下のようなものが画像解析や動画解析に該当します。
- スマートフォンやパソコンの顔認証
- 航空写真などの解析による地形の観測
- 天体観測による天体状況の把握
- 医療分野での画像解析による診断
- 事故などの原因調査
- セキュリティカメラの映像解析による犯罪の抑止や異常検知など
- スポーツの映像解析によるパフォーマンスや戦術の分析
など
私たちの日常にも身近な技術ですね。
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画像解析・動画解析の歴史
画像解析・動画解析は、いつから行われているのでしょうか?
画像解析はそれほど新しいものではなく、はじまりは1940年代のバーコードに遡ります。
バーコードは、バーとスペースの組み合わせで数字や文字の情報を格納できるようにしたもので、現在の私たちの日常に幅広く活用されています。
1950年代の画像解析では、画像をグリッドに分割して、各グリッドの平均輝度を計算する手法が使われました。
1960年代には、フーリエ変換やウェーブレット変換などの数学的手法が開発され、より高度な画像解析が可能になりました。
並行して動画解析も始まり、1960年代には、複数の画像を時系列的に解析する手法が開発されました。
また、1970年代には、ビデオカメラやビデオテープレコーダーなどの映像技術が発展し、動画の取得や再生が容易になりました。
こうした画像認識技術は、1980年代以降のコンピュータの発展により急速に発達し、1990年代には、さまざまな画像認識ソフトが生まれました。
この状況を飛躍的に伸ばしたのが、2010年代のAI(人工知能)の進歩です。
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画像解析・動画解析でのAIの活用
画像解析や動画解析は、現在新しい局面を迎えています。
一般に画像や映像の解析を行う際には、ノイズの除去やコントラストの強調などさまざまな処理を行った上で、目的の情報を取り出します。
このような処理を行う手法の一つとして注目されているのがAIの活用です。
AIを使った画像解析・動画解析
従来の画像解析・動画解析は人間がコンピューターを用いて行っていたため、処理時間や手間などの課題がありました。
2010年代以降には、AIを使った画像解析や動画解析の活用が始まっています。
AIを使う場合は、機械学習やディープラーニングを通して、一連の処理をすべてコンピュータに行わせます。
人の手を介さなくなったことによって、処理時間の大幅な短縮と処理効率の向上が実現しました。
AIを使った画像解析を行うことで、一つの画像や動画から、以下のような情報を瞬時に得ることができます。
- どのような画像でどのカテゴリに分類されるものか
- 写っているものは他の画像と比べてどのような特徴があるのか
- 人物の場合、年齢や性別など
このように、従来は時間と手間がかかっていた処理が、AIを使うことによって非常に手軽にかつ高速に行えるようになりました。
さらにこうした技術がパソコンやスマートフォンで簡単に使えるようになってきたことも普及の追い風となっています。
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実際、ディープラーニングはAIによる画像解析でどのように活用されているのでしょうか。
まず、画像解析を行う際に大切なポイントが、入力されたデータを適切に把握し分類するプロセスです。
先ほども少し触れましたが写真や画像に写っているものが何なのかを把握し、正しい答えを導き出す必要があります。
このプロセスを進める上で、強みを発揮するのがディープラーニングです。
ディープラーニングでは、AIにあらかじめ大量の画像データを学習させておきます。
そして、実際に画像や映像を処理する際には、階層分けしたニューラルネットワークを通しながら学習した膨大な情報に基づいて処理する画像や映像を照らし合わせて、少しずつ特徴を重み付けしていき、最終的に最もスコアが高いものを分析結果として出します。
このように、画像や映像を分析する場合は、それぞれのニューラルネットワークの段階で、画像や映像に含まれる要素の形の特徴や色など各種の特徴を抽出し、予め学習したデータと比較しながら答えを導きます。
これがAIを使った画像解析の仕組みです。
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AIによる画像・映像処理の具体例
では、実際にAIを使って画像や映像を処理している事例にはどのようなものがあるのでしょうか。
いくつか実際の事例を紹介します。
- 楽天によるフリマアプリの例:画像解析による商品カテゴリの分類と推奨機能
商品を出品する際に画像を解析して、自動的におすすめの登録カテゴリを紹介してくれる機能。
- 富士通による製造ラインの例:画像解析AIによる自動外観検査機の活用
製品の検査を人の眼ではなくカメラで撮影し、それを解析して不適合品を見つけ出す仕組み。
- ゼネコンによるトンネル工事の例:画像解析AIによる岩盤評価
トンネル工事の際に掘り進めた断片「切羽」の画像をAIが解析し、岩盤や地質の状態を判断するもの。
この解析の結果で追加工事の必要性などを判断することができる。
このように画像解析や動画解析はAIを活用することで格段に能力が進化するとともに、これまで以上に幅広い分野への拡大が始まっています。
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画像解析・動画解析の将来
こうした画像解析や動画の解析は、将来どのように進化していくのでしょうか?
たとえば、自動車の分野における自動運転もこのような画像解析の技術が威力を発揮します。
運転者の操作が全く不要となるレベル5などでは非常に高度な画像・映像解析技術とAIなどが必要となります。
また、医療分野では、スマホで撮影した写真から適切な診断ができるようになるかもしれません。
結果的に、医療の地域格差をなくすことや個人に合ったオーダーメイド医療の提供がより深化することにもつながるでしょう。
このように画像や映像の解析は、急速に進化しつつあるAIと組み合わせることで、さまざまな新たな展開が予想されています。
画像解析・動画解析に使えるGPUサーバー
これまで触れてきた画像や映像、動画の処理は高い性能を持つコンピュータによって実現されるものです。
特にディープラーニングや機械学習などAIを活用した解析を行うには、非常に膨大な計算処理が必要とされるので、高いハードウェア性能を持つコンピュータが必要です。
コンピュータの処理能力を左右するのはCPU(中央演算処理装置)ですが、ディープラーニング等の計算では、GPU(Graphics Processing Unit)の高い性能が必要となります。
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しかし、高速なCPUやハイスペックなGPUを搭載したコンピュータは一台で数百万円するなど、費用面でも個人や中小企業には利用にハードルが非常に高くなります。
そこで利用できるのが、こうしたハイスペックなコンピュータをレンタルサーバーとして利用できるサービスです。
レンタルサーバーであれば、画像解析などに利用できるコンピュータを一定の利用料金で比較的安価に利用できます。
画像解析や映像解析を行う場合、このようなサービスを活用するのもおすすめです。
Winserverでも、GPUを搭載した専用サーバーを提供しています。
画像解析・動画解析とクラウドサービス
画像や動画の処理には、レンタルサーバーを使う方法以外に、クラウドサービスを活用する方法もあります。
たとえば、AWSやGCPといった大手クラウドサービスには、画像や動画の分析のためのサービスとして、以下のようなものがあります。
- AWS Rekognition:画像や動画の解析
- Google Cloud Vision:画像解析
- Google Video Intelligence:動画解析
これらのサービスは、機械学習の専門的な知識がなくても画像や動画を解析し、さまざまな情報を得ることができます。
分析によって文字認識や不適切なコンテンツの検出といったことも可能です。
クラウドサービスを活用すると、高価なハードウェアの導入はもちろん不要です。
さらには大手クラウドサービスの先進的な他のサービスと組み合わせて使うことが可能となります。
他のサービスとの連携などを検討している場合は、こうした方法を使うのも良いでしょう。
まとめ
カメラで撮影した画像や動画から、さまざまな情報を取り出して活用する画像・動画解析は、コンピュータの処理能力の向上、スマートフォンの普及などとともに、利用が急速に拡大しています。
こうした画像解析・動画解析が拡大している背景には、AI技術の進歩と活用があります。
機械学習やディープラーニングの仕組みを解析に使うことで今までとは比べ物にならないほど高速に、かつ多くの分野で画像解析・動画解析を使うことができるようになっています。
そして、このような技術は、AIと組みわせて将来さらにさまざまなことが出来るようになるでしょう。
一般的には、画像解析・動画解析では高性能で非常に高価なコンピュータが必要となります。
画像解析に向いたレンタルサーバーを活用することで、ハードを購入するよりも比較的安価に始められるので、興味をお持ちの方はご活用ください。
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