皆さんは、ホームページの閲覧をしていて「反応が遅いなあ」と感じたことがあるのではないでしょうか。
ボタンを押してからの画面の切り替わりが遅い、ダウンロードが始めるのが遅い、こうしたことに関わるのがレイテンシです。
今回は、データ転送に関わる指標の一つで、転送要求を出してから実際にデータが送られるまでの遅延を意味するレイテンシについて解説します。
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目次
レイテンシとは
レイテンシ(Latency)とは、「潜在」「潜伏」「待ち時間」などの意味がある英語です。
コンピュータやネットワークの世界では、「通信の待ち時間、遅延時間」を意味しています。
コンピュータやネットワークの世界での待ち時間とはどういったものでしょうか。
一般的にコンピュータで何らかの要求(データ転送など)を行うと以下の流れで処理が行われます。
- データ転送の要求をする
- サーバーが受け付ける
- データがクライアントに転送される
この一連の処理が行われることでデータがクライアントに返されますが、1から3までの「要求してからデータが届くまでの待ち時間」をレイテンシと呼びます。
つまり、レイテンシとは、「ユーザーがなんらかのリクエストをしてから、応答が返されるまでの時間」のことです。
適切なレイテンシの目安とは
レイテンシは、ネットワーク通信の性質を考えるとゼロにすることはできません。
しかし、長すぎるのもストレスになると同時に、ネットワークを活用したサービスの正しい提供に支障をきたすことも考えられます。
では、どの程度のレイテンシが適切といえるのでしょうか。
また、どれくらいの値になれば問題があり、対応の必要があると考えられるのでしょうか。
一般的に正常といえるレイテンシの目安はPing値と呼ばれる値で示されています。
Ping値とは、インターネット上の応答時間を示すもので、値が小さいほど反応が速い回線であるといえます。
なお、Ping値の目安としては以下のようになっています。
Ping値 | 速さ |
---|---|
15㎳以下 | 非常に速い |
30㎳以下 | 速い |
50㎳未満 | 普通 |
50㎳以上 | やや遅い |
100㎳以上 | 遅い |
これを踏まえて、「適切なレイテンシの目安はだいたい50ms未満」とされています。
ただし、レイテンシはPing値が小さければ小さいほど、より快適になります。
さらには、シューティングや格闘、レースなどの素早い反応速度を必要とするオンラインゲームなどでは、適切なレイテンシは10ms以下が望ましいといった考え方もあります。
これを踏まえると、通常の使い方では適切なレイテンシの目安は50ms未満とされていますが、利用の仕方によってはより低いレイテンシが必要になると言えます。
レイテンシが低いと何が良い?
レイテンシが低いと、Web閲覧が早くなるなどいろいろなメリットがあります。
それ以外のものも含めてどのような良い点があるのでしょうか。
例えばレイテンシが低いと、以下のような良い点があります。
- レスポンスが速いので使い勝手が良い
- サイトの読み込みが速くなるのでSEO対策にも良い
- ネットワークを介した複数システムの処理がスムーズになる
このように、レイテンシが低いことによっていろいろなメリットがあります。
レイテンシの測定方法
先ほど、「正常なネットワークや通信におけるレイテンシの目安は50ms以下である」と説明しました。
しかし、目安がわかったところで正確にレイテンシを把握できなければ現状が適切か速いかの判断はできません。
では、レイテンシを測定するためには、どのような方法があるのでしょうか。
レイテンシの測定方法には、以下のようなものがあります。
- PINGなどのコマンドを活用する方法
- Webサイトで計測する方法
- ツールを使う方法
これらについて、もう少し詳しくみてみましょう。
<コマンドを活用する方法>
PINGコマンドなど、コマンドで測定する方法です。
実行すると、以下のように速度が表示されるので判断できます。
<Webサイトで計測する方法>
以下のような速度測定用のサイトを使う方法です。
・Speedtest:
・インターネット回線スピードテスト:
これらのサイトでは、ボタンをクリックするなどの操作で速度が計測できます。
<ツールを使う方法>
こちらはスマートフォンなどアプリでの測定を行う方法です。
先ほどのSpeedtestには、アプリ版もあります。スマホで測定する場合には、こうしたものも便利です。
レイテンシを測定するには、こうした方法があるので、使いやすい方法を選択するのが良いでしょう。
レイテンシに影響する要素とは
レイテンシは、さまざまな状況の中で、遅くもなり速くもなります。
では、レイテンシを決めている、あるいは影響を与えているのはどのような要素なのでしょうか。
レイテンシに影響する要素としては、以下のようなものが挙げられます。
- ケーブル等の伝送媒体
- ルーター
- 信号強度
- 伝搬遅延
- パケット損失とジッター
- パケットサイズ
- ストレージ遅延
たとえば、ケーブルやルーターにはさまざまな規格があります。
また信号の強度が一定以上でないと伝送がされにくくなります。
大きなパケットは小さなパケットより通信に時間がかかります。
このように、レイテンシにはさまざまな要素が影響しています。
ちなみにレイテンシには相手先までの距離も関係しています。
したがって、海外のサーバーに比べて、国内のサーバーを使うことは、レイテンシの面では大きなメリットがあります。
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サーバーを選ぶ際はレイテンシの面でのメリットも考慮して選択しましょう。
レイテンシ改善の方法とは
レイテンシが遅いと反応の悪さがストレスになるだけでなく、システム間の連携などいろいろな面で問題が出てきます。
では、どのようにすればレイテンシの改善ができるのでしょうか。
レイテンシの改善の方法としては、以下のようなものが挙げられます。
ここでは、簡単に行える手軽な対処法から、解説します。
なお、後程注意点として説明しますが、レイテンシが遅い要因には端末、クライアント側など利用者側で改善が行える要因とサーバー側やインターネットなど利用者側には対応が難しいケースがあります。
まずここでは、利用者側で対応が行える利用者側の内容について解説します。
<まずやってみたいこと>
- ルーターやOU等の再起動
- PCの再起動
まずやってみることは、PCの不具合などの際でも同じことを行うように「再起動」です。
レイテンシに関わるネットワーク機器や操作に関する端末を再起動することで、レイテンシに関する問題を解決できる可能性があります。
<次に試してみよう>
- Wi-Fi接続を行なっている場合は、有線LANに変更してみる
- 速い規格に対応したLANケーブルへの変更を行う(カテゴリー6以上など)
- IPv6を使ってみる(IPv4を使っている場合)
- ルーターを買い替える(古いルーターを使っている場合)
再起動で解決しない場合は、有線LANの利用やケーブルの変更なども試してみる価値があります。
また、使用しているルーターが古い場合(5年以上が目安)など、新しいものに買い換えると解決する場合もあります。
<最後に>
ここまでの方法で解決しない場合は、以下の方法が必要となるかもしれませんね。
- プロバイダの変更
- 回線業者(光ファイバー等)の変更
業者の変更は、費用や手間、期間などがかかるため、最後の手段ともなりますが、レイテンシが解決しない場合は、こうした方法を検討することも必要です。
なお、実際にはレイテンシが悪い原因にはさまざまな要素が絡んでいることもあるので、専門の業者に調査をしてもらうのも良いでしょう。
レイテンシが遅い場合の注意点とは
先ほど少し触れましたが、レイテンシが遅い原因は、クライアント側だけに原因があるわけではありません。
表示しようとしているウェブサイトが設置されているサーバーや、そこに至るまでのインターネットのどこかに問題があることもあります。
具体的にクライアント側以外の要因には、どのようなものがあるのでしょうか。また、クライアント側なのかそうでないのか見分けるにはどのようにすれば良いのでしょうか。
クライアント以外の要因とは
レイテンシが遅い原因で、クライアント以外の場合には、以下のようなものがあります。
- 閲覧しようとした特定のサーバーにアクセスが集中している
- 特定のサーバーで障害が発生している
- インターネット回線で障害が起きている
など
こうした場合は、クライアント側が原因ではないので、注意しましょう。
クライアント側でいくら対応をしても状況は改善しません。
クライアント側以外の要因と見分ける方法は?
レイテンシが遅い要因には、クライアント側にある場合もそうでない場合もあります。
では、要因がクライアント側ではないと見分ける方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
以下では、クライアント側の端末やネットワークに問題がある場合ではないと思われる症状についていくつか挙げてみました。
- 特定の表示が遅いウェブサイト以外では問題なく表示される
- インターネットなどで通信障害など障害の情報が掲載されている
- プロバイダなどでメンテナンス情報がアナウンスされている
など
こうした場合は、クライアント側が原因でない場合が多いです。
インターネットを利用していて反応が悪い場合は、こうした点にも注意しておきましょう。
まとめ
インターネットでウェブサイトを閲覧していて、「表示が遅い」「反応が悪い」といった経験や、ファイルの送受信が遅いなどの経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか。
一般的にネットワークの速度は、レイテンシという言葉で表され、Ping値で50ms以下が適切なレイテンシであると言われています。
そして、それ以上のレイテンシとなると、やはり遅いことに対するストレスや、正常なシステム運用が損なわれるといった問題につながります。
今回解説したようにレイテンシが遅い要因にはさまざまなものがあり、対応にもさまざまなものがあります。
対応が必要な場合は、今回の記事を参考にして、原因を明確にして行うようにしましょう。
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パフォーマンスモニターマニュアル
パフォーマンスモニターは、システムの状態を監視するためのWindowsのツールです。
パフォーマンスモニターでの監視方法について詳しく解説します。
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