皆さんはCOBOL(コボル)と聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか。
昔使われていた言語とか、一部では使われているが、今はあまり需要がないなどのイメージを持っている人もいるかもしれませんね。
実際にはCOBOLは、古典的なプログラミング言語ではあるものの、金融機関、保険会社、政府機関などの多くの組織の重要なシステムで使われており、今でもビジネスプロセスを支えています。
今回は、こうしたCOBOLの特徴や強み、将来性について解説します。
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目次
COBOL(コボル)の基本
COBOL(コボル)とは、どのようなプログラミング言語なのでしょうか。
まずは、COBOLの基本的な特徴や歴史について見ていきましょう。
COBOLとは
COBOLは、米国で開発されたプログラミング言語で、現在でもあらゆる基幹システムや事務処理のシステムで活用されており、大規模なデータ処理やトランザクション処理に適しています。
COBOLの特徴は、以下の通りです。
- 英語に似た読みやすい文法
- データ駆動のアプローチにより、データ処理やデータベースとの統合に向いている
- レガシーシステムや既存のアプリケーションとの親和性が高い
- 堅牢で耐久性や信頼性が高いため、クリティカルな業務システムで使える
- 国際標準化機構(ISO)で標準化されており、異なるプラットフォームやシステムで使える
- 新しいテクノロジーと統合するためのモダン化の取り組みが行われている
このようにCOBOLは比較的古いプログラミング言語ではあるものの、堅牢で信頼性が高く今でも幅広い分野で使い続けられています。
COBOLプログラムの基本構造とは
COBOLのプログラムは基本構造が決まっています。
- IDENTIFICATION DIVISION:
プログラムの基本情報が含まれる。
プログラム名、作成者、バージョン、および作成日 - ENVIRONMENT DIVISION:
プログラムの環境に関する情報。
ファイルやデータベースの定義、入出力装置など - DATA DIVISION:
プログラムで使用するデータ項目の定義。
データ項目の名前、データ型、長さ、初期値などが指定される。
変数の宣言も含む。 - PROCEDURE DIVISION:
プログラムの実行部分で具体的なコードや制御構造を含む。 - END PROGRAM:
プログラムの終了宣言
- IDENTIFICATION DIVISION:
以上がプログラムの基本構造です。
COBOLの歴史
COBOLはプログラミング言語として、60年以上の長い歴史があります。
本節では、COBOLの歴史を誕生から現在まで追ってみましょう。
<COBOLの提案と設計:1950年代>
ビジネスデータ処理のニーズの高まりとともに、さまざまなプログラミング言語間の互換性の問題を解消する新しい言語の必要性の認識が広がった。
<COBOLの誕生と標準化:1959年>
1959年に最初のCOBOLプログラムが動作。
同年、COBOLは公式に標準化され、COBOL60として使用されることとなった。
<COBOLの普及:1960年代>
急速に普及し、多くの企業でビジネスアプリケーションとして用いられるようになり、大型コンピュータとともに利用された。
<ANSI標準の制定:1968年>
米国でCOBOLの標準規格がANSI(American National Standards Institute)によって制定され、国際的な標準プログラミング言語となった。
<COBOLの進化とモダン化:現在>
時代とともに進化しながら新しい機能が追加されている。
新しいテクノロジーを使うための統合の試みが行われている。
COBOLは現在でも主に商用計算記述用として、金融業界や行政サービスを中心に広く使用されています。
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COBOLプログラミングの基本
プログラミング言語には、データ型や構造、さまざまな処理ルーチンなど、さまざまな仕組みがあり、これらを組み合わせて使うことが要求されます。
本章では、COBOLのプログラミングの基本と仕組みについて解説します。
COBOLのデータ型と変数
ビジネスアプリケーションの開発にために特化したプログラミング言語であるCOBOLでは、データ型や変数の取り扱いが非常に重要です。
まず、COBOLのデータ型は大きく3つに分けられます。
<数字データ型>
整数を表すためのデータ型
データ型 | 説明 |
---|---|
PIC 9(n) | 整数を表すためのデータ型 ※nは桁数 |
PIC S9(n) | 符号付き整数を表すためのデータ型 ※Sは符号 ※nは桁数 |
<浮動小数点データ型>
浮動小数点を表すためのデータ型
データ型 | 説明 |
---|---|
PIC 9(n)V9(m) | 小数を表すためのデータ型 ※nは整数部の桁数 ※mは小数部の桁数 |
<文字データ型>
文字列を表すためのデータ型
データ型 | 説明 |
---|---|
PIC X(n) | 文字列を表すためのデータ型 ※nは文字数 |
PIC X(n) OCCURS m TIMES | 同じ文字データ型がm回繰り返される配列 |
<日付データ型>
日付や時間を表すためのデータ型
データ型 | 説明 |
---|---|
PIC 9(8) | 8桁の数値で表した日付 (例: 20231010は2023年10月10日) |
PIC 9(6) | 6桁の数値で表した時間 (例: 150230は15時2分30秒) |
また、変数は以下のように使われます。
変数は、データを格納して処理するために使われますが、一般的に以下のように宣言されます。
01 変数名 データ型.
例えば、変数名がEmployee-nameでデータ型が20桁の文字列の場合、以下のようになります。
01 Employee-name PIC X(20).
条件文と制御構造
次に条件文や制御構造について見てみましょう。
COBOLの条件文は以下のようなものが使われます。
- IF文
- EVALUATE文
また、制御文には以下のようなものがあります。
- PERFORM文
- GO TO文
- STOP RUN文
COBOLのプログラミング言語は以上の仕組みで構成されています。
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COBOLの強みやメリット
プログラミング言語として、金融機関や保険会社など停止が許されない場面で使われることの多いCOBOLですが、どのような特徴や強みが発揮されているのでしょうか。
ここでは、COBOLの持つ強みや使うことによるメリットについて解説します。
COBOLは、ビジネスアプリケーションの開発に特化した言語で、以下のような強みがあります。
- 読みやすい言語のため、コードの理解やメンテナンスがしやすい
- ビジネスアプリケーションのデータ処理に優れた力を発揮する
- ファイル操作に優れているのでデータ連携がしやすい
- ISOで標準化されているので、さまざまなプロットフォームで動く。移植しやすい。
- 堅牢性や信頼性が高いので、データの損失や改変が可能な限り回避できる
- 新しいテクノロジーを取り入れつつ既存システムが使える
など
従来から使われ続けてきた信頼性の高いシステムを時代に合うよう新しいテクノロジーと統合しながらブラッシュアップして使い続けられています。
COBOLは現代でも通用する?
COBOLは、60年と古い歴史のある言語ですが、現代でも通用するのでしょうか。
昔のものと捉えられがちなCOBOLですが、信頼性が高く、安心安全を求める企業などからは、今でも高い需要を維持しています。
そのため、現代の最新のITテクノロジーとCOBOLとうまく組み合わせながら今でも使われているのです。
最新のITテクノロジーとの融合にはいくつかのアプローチがなされています。
- WebサービスとAPIを活用した他システムとの統合
- RDBなどモダンなデータベースとの統合
- クラウドプラットフォームへの移行
- よりユーザーフレンドリーなインターフェースの導入
- モバイルプラットフォームとの統合とモバイルデバイスからの利用
- コンテナ化と可搬性やスケーラビリティの向上
- モダンな開発ツールの採用による開発効率化と品質の向上
このようなアプローチを行うことで、現在のIT市場でも競争力を維持していくことができています。
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COBOLの将来性
COBOLが未来を見据えたときに抱える課題と併せて将来の可能性について考えてみましょう。
COBOLが抱える課題
将来を見据えたときに、COBOLにはいくつかの課題があります。
それらは、以下のようなものです。
- プログラマーの高齢化や後継者不足によるリソース不足
- COBOLによる既存システムのアップデートに必要な予算確保や複雑さ
- 新しい技術への対応が難しいケースがある
- 設計の古さから最新のセキュリティやコンプライアンスへの対応が難しいケースがある
- 新しい言語やテクノロジーに対して競争力を維持するために、対応が必要
- 他の言語やテクノロジーに移行するには、コストと時間が必要
このように、COBOLは信頼性や堅牢性の高さから幅広く使われていますが、将来を考えた時には乗り越えるべき課題もたくさんあります。
COBOLの将来性
現在、COBOLは多くの場面で使い続けられていますが、今後の将来性はどうでしょうか。
先ほどの課題も踏まえて考えてみると、これらの問題を解決していくことが不可欠となります。
COBOLの持つ信頼性や堅牢性は重要なものであり、これらが解決されることで、多くの組織や企業で使い続けることが可能となるでしょう。
まとめ
COBOLは、古典的で長い歴史を持つプログラミング言語です。
しかし、その堅牢性やメンテンス性の高さなどから、金融機関や政府機関などさまざまな組織で今なお幅広く使われています。
今回は、COBOLのプログラミング言語としての特徴や強み、将来性などに触れてきました。
従来からの技術に、クラウドコンピューティングに対応する進化を遂げたCOBOLは、時代の変化に合わせてうまく適合し、進化をし続けています。
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