CentOS 7のサポート期限について。移行は計画的に。

昨年2020年12月、CentOSのプロジェクト終了という衝撃のニュースが発表されました。

現行の最新版であるCentOS 8は、今年2021年12月31日にサポートが終了します。

CentOS 8のひとつ前のバージョンであるCentOS 7は、現在も多くの企業のシステムで利用されています。

このCentOS 7は、いつまでサポートが継続されるのでしょうか。

また、どのような環境に移行すれば良いのでしょうか。

▼ CentOS 8のサポート終了について

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CentOSプロジェクトの終了

2020年12月8日、これまでCentOS Linuxの開発や配布を行ってきたCentOS Projectから、CentOSの開発やサポートを終了することが発表されました。

CentOSは「Redhat Enterprise Linux」と機能的に互換性のあるLinuxディストリビューションとして、ビジネス市場で幅広く活用されています。

そのため、このニュースは多くの利用者にとって予想外の出来事であり、多大な衝撃を与えることとなりました。

発表された内容は主に2点です。

  • CentOSの開発やサポートは2021年末で終了する
  • 現行CentOS 8のサポート期限は当初の2029年5月31日でなく、2021年12月31日となる

サポート期限はどうなる?

プロジェクトの終了にあたって、皆さんがもっとも気になることは「サポート期限」ではないでしょうか。

「いつまでサポートされるのか」「どのレベルまでサポートされるのか」ということは、ビジネスユースにおいて非常に重要です。

CentOS Projectが発表した各バージョンのサポート期限は下記の通りです。

  • CentOS 8 → 2021年12月末でサポート終了
  • CentOS 7 → 2024年6月末でサポート終了

企業で幅広く利用されているCentOS 7については、予定通り2024年6月末までサポートを継続すると発表されています。

CentOS 8のサポート期限終了に伴う課題や、代替手段についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

移行はどうすれば良い?

サポートが切れたOSを利用すると、様々なセキュリティリスクが発生します。

  • 脆弱性などの問題が発生した場合にも、修正が行われない
  • OS上で使用するアプリケーションが更新できない

これらのセキュリティリスクを回避するためには、CentOS 7のサポート期限である2024年6月末までに、OSの移行を完了させる必要があります。

では、どういった移行パスがあるのでしょうか。

  • Redhat Enterprise Linuxへの移行
  • CentOS Streamへ移行
  • 互換Linuxへの移行

一時的な対応として、有償でCentOS 7のサポートを独自に延長するサービスもあります。

ただ、いつかは移行する必要があることを考えると、上記の3つを検討するほうが良いでしょう。

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どの移行パスを選択すれば良い?

先の章では3つの移行パスについて取り上げました。

それぞれの移行パスには、どのような特徴があるのでしょうか。

また、どの方法を選択するのが良いでしょうか。

移行パスの比較

具体的にそれぞれの移行パスを比較してみましょう。

移行パスRedhat Enterprise Linux(RHEL)CentOS Stream互換Linux
概要商用のRHELに移行するRHELの開発ストリームであるCentOS Streamに移行する他のRHEL互換Linuxに移行する
移行先例RHEL 8CentOS StreamMiracle Linux

Alma Linux

Rocky Linux

など
メリット信頼性と安定性が高い

商用ディストリビューションとして充実したサポートが受けられる
CentOSを開発してきたCentOS Projectが開発しているため安心感がある引き続きREL互換Linuxを無償で利用し続けることができる
デメリット有償である開発版である

常に更新されるローリングリリース形態を取るので、従来と同じ運用が困難
ディストリビューションを変更する必要がある

どれが良いの?

3つの移行パスについて解説しましたが、いずれの方法にもメリットやデメリットがあります。

では、具体的にどの方法を選択すべきなのでしょうか。

結論としては、以下の2つのパターンに分けられます。

有償サービスを選択可能な場合

Redhat Enterprise Linuxへの移行がおすすめ!

有償サービスを選択不可な場合

互換Linuxへの移行がおすすめ!

なお、CentOS Streamは、今までと運用が大きく変わることや、開発ストリームであることを考えると、選択肢としておすすめしません。

まとめ

昨年2020年12月にCentOS Projectから発表されたCentOS Linuxの終了は、CentOSの利用者に大きな衝撃を与えました。

この発表を受けて、CentOSを使っているシステムでは、以下のいずれかでOS移行の対応が必要となりました。

  • 商用版RHELへの移行
  • CentOS Streamへの移行
  • 互換Linuxへの移行

おすすめの選択肢は「商用版RHELへの移行」「互換Linuxへの移行」です。

どちらを選択した場合でも、移行は計画的かつ余裕をもって行う必要があるので、それを念頭に進めましょう。

CentOS 7・8と新しいCentOS Streamの違い、RHEL互換Linuxについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

また、サポート終了が同じように話題となっているWindows Server 2012/R2のサポート期限については、こちらで詳しく解説しています。

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