Dockerコンテナとは? コンテナ型仮想化技術を活用した新しい仕組みを解説!

みなさんは、Dockerコンテナを使ったことがありますか?

Docker「コンテナ型仮想化」という技術を用いて、コンテナの上にアプリケーションを構築できるソフトウェアです。

従来は、物理サーバー(オンプレミス)にシステムを構築することが一般的でしたよね。

Dockerは、物理サーバーでも仮想サーバーでもない全く新しい仕組みです。

Dockerには、サーバー上、パソコン、クラウドサービスとさまざまな環境で利用できるといった特徴があり、注目を集めています。

今回は、Dockerコンテナとはどのようなものか、どのようなメリットがあるかなど、Dockerコンテナの詳細について解説します。

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docker_container

コンテナとは?

Dockerコンテナの詳細な説明の前に、まずコンテナがどのようなものかを確認しましょう。

コンテナと聞くと、列車や船に積み込むための容器をイメージする方も多いでしょう。

物流業界におけるコンテナは、貨物を安全かつ効率的に輸送するために、寸法や強度が国際的に規格化されています。

コンテナは20世紀最大の発明と評されるほど、近代社会のグローバル化に大きく貢献しました。

IT業界におけるコンテナは、この物流のコンテナをヒントにしています。

コンテナを具体的に説明すると、「プロセスだけを分離して動かす技術」です。

プロセスとは、Wikipediaでは以下のように記載されています。(リンクはこちら

プロセスとは、処理のことである。情報処理においてプログラムの動作中のインスタンスを意味し、プログラムのコードおよび全ての変数やその他の状態を含む。オペレーティングシステム (OS) によっては、プロセスが複数のスレッドで構成される場合があり、命令を同時並行して実行する。

普通のコンピュータでは、OSがあり、その上で各プロセスが動いていますよね。

これに対して、コンテナでは「プロセスだけがOSの上で分離して動作している」といったイメージです。

コンテナという箱にシステムを入れておくことにより、高速で起動できるほか、他の環境へも簡単に移動することができます。

コンテナ型仮想化を図にすると以下のようになります。

1_container

 仮想化とコンテナとの違い

サーバー上で仮想的にプロセスを分離した枠組みを作って動かす

といった先ほどの解説を見て、「仮想化」と似ていると感じた人もいるのではないでしょうか。

仮想化コンテナの違いはどこにあるのでしょうか。

仮想化とは

まず一般的な「仮想化」について少しおさらいをしておきましょう。

仮想化とは、物理サーバー上に、仮想サーバー構築専用のハイパーバイザーと呼ばれる制御プログラムを起動し、その上に仮想環境を構築して動かすものです。

仮想化は、ホストOS上に仮想ハイパーバイザーをインストールする「ホスト型ハイパーバイザー」と、ホストOSを必要としない「ネイティブ型ハイパーバイザー」の2つのタイプに分かれます。

<ホスト型ハイパーバイザー>

2_host

OS上に仮想化用のソフトウェアをインストールするタイプの仮想化を「ホスト型」といいます。

<ネイティブ型ハイパーバイザー>

3_hypervisor

OSを必要とせず、「ハイパーバイザー」と呼ばれるソフトウェアをインストールして、その上で仮想マシンを動かすタイプの仮想化を「ハイパーバイザー型」といいます。

仮想化をまとめると

上記の図でイメージは掴めたでしょうか。

つまり、仮想化サーバーは、「ハイパーバイザーがあり、その上で仮想化されたゲストOSがいくつも動いている」という形態を指します。

仮想化についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

コンテナと仮想化、違いを整理すると

コンテナ仮想化とはどういったものか、一般的なの仮想化とはどのようなものであるか解説をしてきました。

ここで、改めて両者を比較してみましょう。

 コンテナ仮想化
ホストOS必要▼必要
仮想化技術:ホスト型ハイパーバイザー
・VMware Workstation Player
・Oracle VM VirtualBox
など

▼不要
仮想化技術:ネイティブ型ハイパーバイザー
・VMware ESXi
・Hyper-V
・KVM
など
ゲストOS不要必要
※各ゲストにはOSがインストールされる
ゲストの形態プロセスのみOS+プロセス
ホストOSとゲストOSとのやりとりコンテナエンジンハイパーバイザー

上記以外にも、コンテナは仮想化に比べて処理が軽く高速に起動できるという特徴があります。

また、他の環境への移動も仮想サーバー上のシステムより容易に行えます。

その一方で、仮想化には、低価格で従来のオンプレミス型のサーバーと同様に運用できるという特徴があります。

コンテナと仮想化の違いはややこしいため、前掲の図を見てそれぞれの形態の違いを確認しておきましょう。

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コンテナの種類〜Dockerとは~

コンテナ技術を用いてプロセスを実行するための仕組みにはどのような種類があるのでしょうか。

従来から利用されてきたソフトウェアとして有名なのが、LinuxコンテナやOpenVZなどです。

そうしたコンテナ技術を活用したサービスとして、最も広まっているのがDockerです。

最近では、コンテナ=Dockerと言っても過言ではないほど利用が拡大しています。

Dockerは、Docker Inc.によって2013年にリリースされたサービスです。

最大の特徴が、Windows/Linux/Macなどさまざまな環境で動作することです。

またDockerには、KubernetesやDockerUIなどのGUIツールを使って管理が行えるようになっているというメリットもあります。

ちなみに、GUI(Graphical User Interface)とは、アイコンやボタンをマウスで操作できるUI(User Interface)のことです。

CUI(Character User Interface)というコマンド入力を必要とするUIよりも直感的な操作が可能で、知識がなくても手軽に使用できます。

利便性が高く操作性にも優れたDockerは、現在では、AWS(Amazon Web Services)やAzure(Microsoft Azure)、GCP(Google Cloud Platform)など多くの大手のクラウドサービスでも対応が進んでいます。

AWSなど各クラウドサービスの詳細についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

Dockerコンテナを使うメリットとは

最近、開発の現場や各種サービスなどでDockerコンテナを使うケースが増えています。

では、Dockerコンテナを使うメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

コンテナを使うメリット

      • 迅速な環境構築が可能
      • どのような環境でも同じように動く
      • 開発からリリースまでが早くスムーズに行える
      • ロールバックが素早くできる
        など

上記のメリットを一つずつ見ていきましょう。

まず、Dockerコンテナを利用することで、迅速に環境を構築することが可能です。

少ない手順で同じ環境を別のマシン上に再現できるため、環境構築による工数や負担を減らすことに繋がります。

次に、どのような環境に移し替えても同じように動かすことができます。

ローカル上の開発環境から、サーバー上の本番環境へそのまま移動できるのは、Dockerコンテナの大きな強みです。

また、開発からリリースまでの工程をスムーズに行うことができます。

Dockerコンテナでは、すでにOSが利用できる状態ですよね。

OSの設定が不要で、構築したいシステムに必要なプログラムのみインストールするだけで良いため、開発を効率よく行うことができます。

仮想化よりもシンプルな技術で構成されているため処理が軽く、起動時間も数秒程度というのも魅力です。

さらに、Dockerコンテナは変更を差分で保存するため、ロールバックを早く簡単に行うことができます。

ちなみにロールバック(rollback)とは、日本語で「後退」「巻き戻し」を意味し、処理の結果を取り消して処理前の状態に戻すことです。

このように、Dockerには、従来のOS+アプリケーションから構成されるサーバーと比較して、さまざまなメリットがあります。

Dockerコンテナを使うデメリットとは

開発に大きなメリットをもたらすDockerコンテナですが、デメリットもいくつか存在します。

導入の前にデメリットについても検討しておきましょう。

コンテナを使うデメリット

      • 同一のOSを使用しなければならない
      • Dockerファイルを作成するための知識が必要
        など

軽量化と表裏一体の関係になりますが、Dockerコンテナはマシン内のOSからコンテナを作成するため、異なるOSを使用することができません。

別のOSで検証などを行いたい場合は、別のマシンが必要になります。

また、Dockerコンテナは容量を効率化するために独自のファイルシステムを使用します。

挙動の理解や操作が難しいと感じる方もいるかもしれません。

Dockerコンテナはどうすれば使える?

多くの点で従来のサーバーと比べてメリットの多いDockerコンテナですが、どうすれば使うことができるのでしょうか。

Dockerの利用には以下のような方法があります。

      • パソコンなどのデスクトップ環境での利用:Docker Desktop
      • プロセスとしての利用:Linux, Macなど
      • クラウドのOS上での利用
      • クラウド上のコンテナ実行サービスでの利用:AWS Fargate、Google Cloud Runなど

このようにDockerコンテナは目的や状況に合わせてさまざまな環境で利用することができるようになっています。

まとめ

今回解説したように、Dockerコンテナには従来のサーバーにはなかったようなさまざまなメリットがあります。

たとえば、開発の現場では、以下のようなメリットが挙げられます。

      • 開発したサービスを迅速に本番運用までリリースできること
      • 障害時のロールバックが速いこと

こうしたメリットは、スピード感を持った迅速かつスムーズなアプリケーション開発/リリースにつながります。

また、AWS、Azureなど多くのクラウド環境でもDockerへの対応が幅広く行われており、将来性があると言えます。

今後、「エンジニアとして仕事をする」あるいは「IT技術を活用してビジネスを展開する」中で、Docker必ず押さえておくべき技術であると言えるでしょう。

Docker以外のクラウドサービスについてもっと知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

 

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