アグリテックとは。IT×農業=スマート農業。概要や将来性を解説。

AIやIoTなど新しい技術が急速に生まれて広がっており、まさに新しい時代への幕開けとなっています。

さまざまな分野に広がる新しい変化は農業についても同じです。

IT技術などを取り入れた農業の可能性は、「アグリテック」という言葉に表されています。

今回は、このアグリテックについて概要や生まれてきた背景、将来性などさまざまな内容について解説します。

AIについて、こちらで詳しく説明しています。

アグリテック

アグリテックとはどういうもの?

農業Agriculture)とテクノロジーTechnology)とを組み合わせた言葉が、アグリテックAgriTech)です。

この言葉の通り、アグリテックとは「従来の農業に、新しいIT技術であるAIやドローン、ビッグデータ、IoTなどを取り入れたもの」です。

アグリテックでは、従来の農業が抱えてきた「高齢化による後継者不足」「作業効率の低下」「技術の継承」などのさまざまな課題に対して、IT技術による新しい農業、いわゆるスマート農業を実現しようとするものです。

これによって、「農業自体の効率化」「働き方の改善」などを実現し、大規模経営などによる収益性の改善など稼げる農業への転換をも視野に入れたものです。

アグリテックが生まれてきた背景

日本の農業は近年、以下のような問題を抱えています。

      • 従事者の高齢化
      • 後継者や担い手の不足
      • 低収益化

また、IT技術の進歩や急速な拡大の中で、農業に生かせる技術や問題になっている鳥獣害対策に有効な方法が生みだされているといった現状があります。

さらには、低下する日本の食料自給率の問題もあります。

かつて、1965年には73%であった食料自給率は、2018年には37%まで減少しています。

こうした現状は安全保障上も大きな問題であり、改善が喫緊の課題ともなっています。

そういったことから、政府によってアグリテックが推進されるようになりました。

2013年には農林水産省での「スマート農業の実現に向けた研究会」の設置や、内閣府での農業分野における「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の発表も行われています。

最近は、こういった状況から富士通など大手ベンダーもアグリテックへの参入を行うようになってきています。

アグリテックが生まれてきた背景

アグリテックの事例とは

実際にアグリテックやスマート農業はどんな分野で、どのような使い方が想定されている、あるいは取り組みや検証が始まっているのでしょうか。

ドローンの活用

ドローンを活用することによって、農薬の散布や種まきを行うという取り組みを行うことが可能です。

これによって、人の手で行うよりもはるかに効率的に行うことができると同時に、コストの削減にもつながります。

AIやIoTセンサーの活用

従来、それぞれの農業従事者の勘や経験に頼っていた水の管理や、温度管理などをビッグデータなどの活用によって、コンピュータで行うことができます。

圃場の温度や湿度などのデータをリアルタイムに取得し、分析を行う際に役に立つのがIoTセンサーです。

センサーを活用して24時間情報を取得することで詳細な管理を行うことが可能となります。

こういった仕組みで、誰でも適切な管理が行えると同時に、圃場環境の問題などの把握や対応なども迅速に行えるようになります。

IoTについて、こちらで詳しく説明しています。

ブロックチェーン技術を活用した生産物の出荷後の管理

生産物は出荷後の品質管理も重要です。

仮想通貨の根幹技術であるブロックチェーン技術を活用してサプライチェーンを構築することで、より適切な品質管理や生産品の追跡が可能となります。

鳥獣害対策へのIT技術の活用

サルやシカ、イノシシなど鳥獣による農作物や生産設備への被害が相次いでいます。

従来からの捕獲駆除での抜本的な解決の見通しが立たない中で、AIなどによる獣の群れの行動予測や、ドローンによる調査や妨害電波の発信、自動捕獲を行う檻の導入などいろいろな対策が検討・実験されています。

アグリテックの事例

アグリテックの現状と将来性

政府が進めるDX戦略とあわせて、各社が積極的に取り組みを始めているアグリテックですが、その状況や将来性はどのように評価すべきでしょうか。

現在のアグリテック市場は、2018年の富士経済グループの報告では698億円の規模となっています。

これは年々伸びており、2030年には、1074億円に達すると予想されています。

このように、農業用のドローンやロボット技術、IT技術による圃場管理などスマート農業は、今後順調に伸びていくと言われています。

さらには、政府のスマート農業を推進する動き、ベンチャー企業含めてさまざまな企業の参入など、将来に向けて官民あげての取り組みが始まっています。

こうしたことから、アグリテックについては今後もますます注目が増していくことは確実であると言えます。

まとめ

近年、農業人口の減少や担い手の不足などから農業従事者が減少し、各地で耕作放棄地が急増しています。

その一方で、集団営農や企業の参入などによって農業法人は徐々に増えています。

今後の農業を考える上で欠かせない考え方が、今回解説したアグリテックです。

IT技術を活用したスマート農業によって効率がよく経営的にも改善される、そして新しい農業の担い手の創出などさまざまな可能性がひらけてくることは間違いありません。

政府や各自治体が推進する方向性、そして民間企業が参入を進める動きなども相まって、今後もアグリテックが注目を集めていくことは間違いないでしょう。

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