ASP(Active Server Pages)は、Webページを動的に生成する技術です。
クラシックASPやレガシーASPとも呼ばれています。
通常のWebページは、静的にHTMLファイルなどを作成して表示させますが、この仕組みを使うとプログラム自体でWebページを作成させて表示させることができます。
クラシックASPは、IIS5.0以前の古いバージョンやVB Scriptを組み合わせたもので、今はASP.NETが使われることが多くなっています。
しかし、まだまだクラシックASPの利用も多いのが現状です。
今回は、このクラシックASPについて解説します。
クラシックASPで構築した
古いシステムの移行は、Winserverにお任せ!
目次
クラシックASPとは
クラシックASPとはどういうものなのでしょうか。
クラシックASPとはどのようなもの?
従来のWebサイトやホームページは、HTMLやCSSなどで書かれた固定の静的なページが表示されるというものでした。
しかし、静的なページには以下のような問題がありました。
- いつ誰が見ても固定のページが表示される
- リアルタイムの情報発信が難しい
こうした問題を解決するためにMicrosoftが開発し、同社のWindows Serverで使えるようにした仕組みが、ASPと呼ばれるものです。
ASPでは、静的なWebサイトにスクリプトを埋め込むことにより、アクセスの際に動的にページを生成して見せることができます。
つまり、「表示する情報を様々に変える」、「リアルタイムに発信する」といったことが可能です。
ASPは、基本的に以下のバージョンの環境まで動作対応しています。
- Windows Server 2000
- IIS バージョン5.0
- VB Script
- JScript
いずれも古いバージョンのものですが、現行環境でも動作させることが可能です。
ASPは、同社のWebサーバーサービスであるIISで動作し、Visual Basicの簡易版であるVB ScriptとJava Scriptが実装されたJscriptが使えるようになっています。
ブラウザとしてはInternet Explorer(IE)がサポートされています。
「ASPが組み込まれたWebサイトにIEでアクセスすると、プログラムが実行され、動的にWebサイトが生成され表示される」というのがASPの仕組みです。
そして、このASPを後継製品であるASP.NETやASP.NET Coreと区別するために「クラシックASP」や「レガシーASP」と呼ぶことがあります。
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クラシックASPに変わる新技術とは
クラシックASPは、先ほど解説したように、IIS5.0やVB Scriptなどを使うかなり古い技術です。
しかし、OSは更新され、ソフトウェアや技術は日々進化しています。
クラシックASPについても、2000年リリースのIIS5.0で提供されたASP3.0ですでに終了しています。
では、クラシックASPに代わる技術は生まれているのでしょうか。
クラシックASPに代わる技術であり、後継サービスとしてリリースされたのが、「ASP.NET」です。
なお、現在ではASP.NETの後継として「ASP.NET Core」が提供されています。
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クラシックASPと.NETの違い
クラシックASPと、先ほど解説した現行の技術であるASP.NETはどのような点が違うのでしょうか。
クラシックASPと.NETの違い
クラシックASPと、その後継サービスであるASP.NETには、以下のような特徴があります。
- HTMLのレイアウトとASPによるサーバー処理が別ファイルとなった。
- C#やVB.NETなど使える言語が増えた。
- 動作が速くなった。
- .NET Flameworkを必要とする。
これらによって、処理の記述がわかりやすくなり、使える機能が増えただけでなく、高速化が実現できるなどの多くのメリットがあります。
クラシックASPや.NETは、.NET Coreと何が違う?
クラシックASPの後継サービスであるASP.NETには、従来にはなかった多くのメリットがありました。
しかし、現行のASP環境は、ASP.NET Coreと呼ばれるものです。
クラシックASPやASP.NETは、このASP.NET Coreと何が違うのでしょうか。
ASP.NET Coreの従来とは違う新しい特徴は以下のようなものです。
- Windows以外のMacやLinuxの環境でも開発が可能となった(OSからの独立)
- ASP.NET 4で利用できたさまざまな機能がそのまま使えるので、移行がスムーズに行える
- クラウドへの対応
従来のクラシックASPやASP.NETは、Windows環境でないと利用できませんでした。
しかし、ASP.NET CoreはOSから独立し、MacやLinuxなどさまざまな環境での開発を可能とするとともに、クラウドにも全面的に対応しています。
クラシックASPを最新の環境で使える?
プログラム自体を新しいものに更新したいと思っても、他システムとの関連性やコストなどを考えて実現できないケースもあります。
しかし、サーバーやOSはどんどん新しいものに更新されていきますよね。
新しいOSやサーバーで、ずっと使い続けてきたクラシックASPを使い続けることは可能なのでしょうか。
結論から言うと、現在の新しい環境のOSでクラシックASPを使うことは可能です。
現在の環境でクラシックASPを使う方法は以下の3つです。
- VB6ランタイムとIISなどのコンポーネントを導入する方法
- 仮想環境を使う方法
- Dockerコンテナを使う方法
最もオーソドックスな方法は、「VB6ランタイムなど必要なコンポーネントを最新のOSに導入する方法」です。
この方法では、最新の64bit OSで32bitの古いコンポーネントを動かすための設定など細かい設定が必要です。
次の仮想環境を使う方法は、「最新のOSをホストとして仮想環境で古いOSを使う方法」です。
動作はするものの、サポート切れなどの問題を考えると、延命策程度に考えておくのが良いでしょう。
最後が「コンテナを使う方法」です。
IISなどのコンテナイメージを利用してクラシックASPを動かします。
コンテナ自体の管理はホスト側で行い、セキュリティ対策も行えますが、従来のサーバー管理とはかなり異なったイメージになります。
こうしたことを考えると、いずれの方法も決め手には欠けるのではないでしょうか。
クラシックASPからNETやASP.NET Coreへの移行
先ほど解説したように、最新環境でクラシックASPを使い続けることはもちろん可能です。
しかし、将来もシステムを使い続け、サービス提供を継続的に行うためには、やはりより安全な新しい環境へ移行させることが大切です。
先ほどのASP.NET Coreの解説にも関連しますが、マルチOS環境での開発やクラウドへの流れは避けて通ることはできません。
したがって、こうした新しい環境には確実に移行を考える必要があります。
では、どのようにすれば移行が可能なのでしょうか。
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クラシックASPからの移行の概要やメリットとは
クラシックASPからの移行とは、ASP環境で動いているプログラムをASP.NETやASP.NET Coreで動くようにすることです。
こういったことで、以下のようなメリットがあります。
- 最新のOSでも問題なく動作し、かつ最新OSのメリットを享受できる。
- より高速な処理ができる。
- 大規模な処理をわかりやすいコードで処理できる。
さらに、ASP.NET Coreの場合は、クラウドへの対応やOSに関係なく開発が行えるなどの多くのメリットがあります。
移行の流れ
さて、実際に新しいASP.NETやASP.NET Coreへ移行する場合、どのようなアプローチで進めると良いのでしょうか。
<ASPからASP.NETへの移行>
- ASPとASP.NETとの共存
- 新しくコードを書き直す
<ASP.NETからASP.NET Coreへの移行>
- プロジェクト構成を修正する
- Webアプリケーション部分(ASP.NET)の切り離し
なお、ASPからASP.NETへの移行やASP.NETからASP.NET Coreへの移行については、Microsoftも情報提供をしているので、参考にすると良いでしょう。
「ASPからASP.NETへの移行」
「ASP.NETからASP.NET Coreへの移行」
移行の注意点
クラシックASPからの移行を行う場合には、どのような点に注意するべきでしょうか。
- VB ScriptやJScriptが使えない
- クラシックASPとASP.NETの共存をする場合は、オーバーヘッドが大きい
これらの点には注意が必要です。
こうしたことを考えると、共存はせずに新たなコードで書き換えるのが良いでしょう。
まとめ
Active Server PagesはクラシックASPとも呼ばれ、MicrosoftのWebサーバーサービスであるIISで使える、動的にWebページを生成できる仕組みのことです。
プログラミング言語であるVB Script、JScriptなどが使えるようになっています。
クラシックASPは、今となっては古い技術ですが、今なお多くの環境で利用されています。
新しいOSでクラシックASPを使うことも可能ですが、ASP.NETやASP.NET Coreに移行することで、高速処理の実現や、大規模な処理の実行環境を整えることができます。
もし、クラシックASPを使っているのであれば、こうした新しい環境への移行も視野に入れながら将来の計画を立てていくことも大切です。
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