NaaS(Network as a Service)は、ネットワーク機能を仮想化してクラウド上でサービスとして提供する、クラウドサービスです。
NaaSを利用することで、企業や個人の利用者は必要に応じてネットワークをカスタマイズし、効率的に運用できるだけでなく、セキュリティと管理も向上させることができます。
今回は、便利なクラウドサービス”NaaS”の概要や導入することのメリット、導入時のポイントやトラブルシューティングについて解説します。
クラウドサービスの基本については以下の記事で詳しく解説しています。
こちらも参考にしてください。
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目次
NaaSとはどういうもの?
NaaSとは、クラウドサービスのひとつでネットワークを仮想化したものです。
改めてNaaSとはどのようなものなのか、そして使うことでどんなメリットがあるのか見ていきましょう。
NaaSとはどういうもの?
まずは、NaaSがどういうものなのか、基本的な概要から見ていきましょう。
NaaSは、「Network as a Service(ネットワーク・アズ・ア・サービス)」の略称で、クラウドサービスの一つの形態です。
このサービスでは、従来物理的に提供されていたネットワーク機能を仮想化し、企業やフリーランスなどの利用者がより柔軟に利用できるようになっています。
以下は、NaaSの持つ特徴です。
- 仮想化されたネットワークを提供
- 柔軟性と高いスケーラビリティを持つ
- ネットワークセキュリティの監視や脅威対応の機能を持つ
など
NaaSを使うメリットとは
物理的なネットワークでなく、NaaSを使うことで以下のようなさまざまなメリットがあります。
- ビジネスの成長に合わせて柔軟に容量や構成を変えられる
- 必要なネットワーク機能だけを使えるコスト効率の高さ
- 高いレベルのセキュリティ機能を利用できる
- ユーザーがネットワークを直接管理しなくて良いので、運用コストが削減できる
など
このように、NaaSについても他のクラウドサービスとも同じようなメリットを持っています。
NaaSは、ネットワーク機能のみに特化したクラウドサービスです。
その他、クラウドサービスの3大分類「 SaaS、 PaaS、IaaS」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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NaaSの主要コンポーネント
NaaSには、さまざまな新しい技術や要素が関連しています。
どのような要素がNaaSを実現するために関わっているのでしょうか。
仮想化技術の重要性
まず、NaaSを実現する上で欠かせない技術が「仮想化技術」です。
言うまでもないことですが、サーバーやネットワークなど物理的なハードウェアや配線等を仮想化する上で、仮想化技術はとても大きな役割を果たしています。
NaaSは、仮想化技術を使うことで以下のようなことを実現しています。
- ネットワーク機能の迅速な構築や変更、削除
- 物理ハードウェアから分離した効率的なネットワーク機能の提供
- 仮想化技術による分離されたネットワークに伴う高セキュリティ
など
このように、仮想化技術はNaaSの実現にあたってネットワークの柔軟性、拡張性、効率性、セキュリティなどの側面で非常に重要な役割を果たしています。
仮想化技術については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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NaaSとオーケストレーション
クラウド上で仮想的なネットワークを提供する仕組みとなったことで、NaaSが獲得した大きなメリットの一つが「オーケストレーション」です。
オーケストレーションは、NaaSの中核を担う技術の一つで、ネットワーク構成の自動化や制御を行えるようにしたもので、複雑な管理を軽減し、効率的でスケーラブルなネットワーク環境を実現しています。
オーケストレーションでは、以下のような役割が果たされています。
- ネットワークの構成や設定、監視などの自動化
- ネットワークリソースの柔軟な変更(スケーラビリティと柔軟性)
- 複雑なネットワークの統合的な管理
- 障害時の自動的なリカバリ(自己修復)や冗長性の実現
- ポリシーに基づいたネットワーク管理と運用の実現
こうしたことができるオーケストレーションの仕組みを取り入れることで、柔軟で拡張性のあるネットワークインフラが実現されます。
NaaS成功のポイントは?
NaaSを提供する事業者にはさまざまなものがあります。
ビジネスとして最も目的に合ったNaaSを選択し、最大のコストパフォーマンスを発揮するためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
ここでは、適切なNaaSプロバイダーの選択のポイントや、NaaSを利用したビジネスの成功事例を解説します。
適切なNaaSプロバイダーの選択
目的に合ったNaaSサービスを利用するためには、目的に合ったサービスを提供しているNaaSプロバイダーを選択することがとても大切です。
以下は、NaaSプロバイダーを選択する際に重要なポイントです。
- どのようなサービスや機能が提供されるのか
- サービスの拡張性や柔軟性は十分か
- セキュリティやプライバシー確保のレベル
- ネットワークのパフォーマンスや可用性
- サポート体制は十分か
- コストパフォーマンス
- 信頼性や実績
こうした視点から目的や予算に合ったNaaSプロバイダーを選択しましょう。
成功事例の紹介
実際にNaaSを導入してうまくいったケースには、どのような事例があるのでしょうか。
以下でいくつか紹介します。
<ケース1: ホテルや飲食店の予約サイト「一休.com」>
宿泊予約やレストラン予約などの事業がテレワークなどもありネットワーク遅延による支障が発生。安定的なネットワーク品質を実現。
<ケース2: ワーナーミュージック>
Alkira社のNaaSを導入することで、コスト削減やネットワークのレイテンシーの改善を実現した。
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スムーズにNaaS移行を進めるには
従来からのネットワークシステムをNaaSに移行するには、それを利用するシステムや利用者側にとってもさまざまな対応が必要となります。
以下では、スムーズにNaaS移行を進めるためのポイントについて解説します。
スムーズに移行を進めるためのポイント
NaaSは非常に多くの業務に関連するサービスです。
そのため、NaaSに移行するにおける影響範囲や利用者はとても広いものとなります。
NaaS移行をスムーズに進めていくには、どのような点に注意をすれば良いのでしょうか。
以下の点を押さえておくことが大切です。
- 導入の目的や現状のニーズの明確化:
現状のネットワークの課題や改善の必要がある箇所を把握し、導入の目的を明確にしておくこと。
- 適切なプロバイダーの選定:
信頼性、サービス内容やセキュリティ対策、コストなどを考慮しつつ、目的に合ったプロバイダーを選択すること。
- 段階的に導入を進める:
一度にすべて導入せず、段階的に部署ごとなどで導入、評価などを行いながら段階的に進める。
- 利用者の教育やトレーニング:
利用者に適切な教育や訓練を実施すること。
- ネットワークやセキュリティのポリシーの整備と運用:
各種ポリシーを改めて見直し、適切に変更し、組織内のデータ保護を確実にすること。
- 十分なテストと検証の実施:
導入前に十分にテストや検証を行い、想定される機能や利用するアプリケーションが問題なく動くことを確認しておくこと。
- 計画的な実施:
導入は必ずスケジュールやタスク管理も含めて計画的に実施すること。
- フィードバックと改善:
導入後については、利用者からのフィードバックをしっかりと集め、改善とサービス向上を行うこと。
NaaSの導入をスムーズに進めるには、これらのポイントを押さえておくと良いでしょう。
利用者の声に添って進めることが重要
先ほどは、NaaSの導入をスムーズに進めるためのポイントについて解説しました。
併せて、NaaSに限らず新しいシステムを導入する場合、重要となってくるのは「利用者の声やニーズを把握して、導入を進める」という点であることを認識しておきましょう。
「現場でどういったことに困っているのか」「利用者はどのような仕組みが使いやすいのか」といった点をしっかりと把握しておくことが大切です。
導入側の情報システム部門が考える仕組みと、現場の求めるものはともすれば合わないことがあります。
そうすると、導入を進めても、それは利用者にとって良いものとはならないかもしれません。
そのため、導入を行う場合はしっかりと現場のニーズを踏まえることを大切にしましょう。
NaaSのトラブルシューティング
情報システムを運用する中で避けて通れないものが障害です。
障害の際には必ずトラブルシューティングを行いますが、NaaSの場合はどのように行うのが良いのでしょうか。
また、さまざまな新しい技術を活用した障害検知やトラブルシューティングの方法が実現され始めています。
これも併せて紹介します。
トラブルの迅速な検知と特定がポイント
NaaSは、ネットワークであることから、特にトラブルの際には迅速に対応することが求められます。
そこで、ポイントとなるのが、以下の点です。
- リアルタイムの監視やモニタリングの実施
- ログの収集と異常検知と通知
こうした仕組みをシステム側に備えた上で、平常時からは以下のようなトラブル発生時に向けた準備が必要となります。
- トラブルの際の対応手順とフローの明確化。それに基づく訓練実施。
- 定期的なメンテナンス、アップデートや点検の実施
このように、他の一般的な情報システムと同じようにNaaSでは平常時からの障害発生に備えた適切な準備を行うことで、迅速なトラブルシューティングの実現が可能となります。
AIを活用したトラブルシューティング
AIは、機械学習などを通して私達に適切な答えを返してくれる便利なツールです。
NaaSのトラブルシューティングや障害の未然防止についてもAIを活用したアプローチが出来ます。
例えば、以下のようなものです。
- 機械学習によるトラブルの予測や早期の警告
- AIを活用したトラブルの際の自己修復機能
- AIによる自動ルーティングやオーケストレーション
- 異常のAIによる検知とセキュリティ対策
- AIによる故障予測と予防保守
このように、トラブルシューティングにも新しい技術を使うことで、より迅速な対応が可能となることでしょう。
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まとめ
NaaSは、クラウドサービスの一種で、ネットワークを仮想化して使えるサービスです。
こうしたサービスを使うことで、大企業から個人事業主まで多くの利用者が手軽に信頼性や柔軟性の高いネットワークを利用することが出来ます。
今回、解説したようにNaaSには多くのメリットがありますが、導入は計画的にかつしっかりと現場の声を踏まえた形で行うことが肝要です。
導入を進める場合は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。
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