クラウド技術の発達とビジネスでの利用拡大が急激に広がっています。
多くの企業が従来型の物理サーバー(オンプレミス)からクラウドへの移行を行う中、セキュリティの重要性がより増してきています。
セキュリティ面に不安をお持ちでクラウドの導入に一歩踏み込めない方にも安心してクラウドを使っていただけるよう、クラウドサービスのデータ保護やセキュリティ強化について解説します。
さらには、AIの活用やゼロトラストセキュリティなど将来のクラウドセキュリティの方向性についても触れます。
クラウドサービスの詳細については以下の記事で詳しく解説しています。

2021.08.05
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目次
クラウドセキュリティとは
クラウドセキュリティとは、そもそもどのような概念で、なぜ重要視されるようになってきたのでしょうか。
まずは、そこから見ていきましょう。
クラウドセキュリティとは
クラウドセキュリティとは、クラウド環境でデータやアプリケーションなどのリソースを保護するためのセキュリティ対策のことです。
これは、利用者側と提供者側の両方に関わるもので、以下のような内容となります。
- データを適切に保護し、ユーザーのプライバシーを確保する
- 権限を持つユーザーだけが利用できるセキュアなアクセス制御を行う
- セキュリティ監視や脅威検知を通してインシデントを早期発見し、対処すること
- データの保護などについて法規制等を遵守すること
- 災害時のデータ保護とビジネス継続を確実にすること
- 供給元のセキュリティ対策を適切に評価し、信頼性を確保すること
など
このようにクラウドサービスに関連するセキュリティレベルを一定以上に確保するための内容がクラウドセキュリティです。
総務省からも、安心してインターネットを使うためのガイドランが提示されています。
『国民のための情報セキュリティサイト』
クラウドサービスを利用する際の情報セキュリティ対策
国家としても総力を挙げて取り組んでいることがわかります。
データの流出やサイバー攻撃などの脅威に対抗するため、政府は法律・規制の整備やセキュリティスタンダードの策定を進め、企業に対してもセキュリティ強化を奨励しています。
また、専門家の育成や国際的な協力も推進し、クラウドセキュリティの確保に全力を傾けています。
国家レベルでのこの取り組みは、安全なデジタル環境の構築に向けた重要な一歩と言えるでしょう。
クラウドセキュリティが重視される背景とは
今回取り上げているようなクラウドセキュリティが重視されるようになってきたのはなぜでしょうか。
主な背景には以下のようなものがあります。
- 個人情報などに対する意識の高まりとデータ保護の重要性の増加
- サイバー攻撃などセキュリティ上の脅威の増加
- クラウドサービスの利用拡大
- クラウドサービスの利用者と提供者での責任分担の考え方が一般的になったこと
- 法的な規制が強化されたこと
- 事業継続の考え方が重要視されるようになったこと
こうした背景により、クラウドセキュリティの重要性が高まることとなりました。
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クラウドセキュリティで大切な10のポイント
クラウドセキュリティを考える上で重要な10のポイントについてご説明します。
- データの暗号化
データを暗号化することで情報漏えい等から保護する。暗号鍵の適切な管理を行う。
- アクセス制御
必要十分な権限を与えられたユーザーだけが適切な権限を持つように設定、管理する。
- マルチファクタ認証
パスワードに加えて他の要素も必要とする多要素認証を導入することで、よりアカウントの不正利用を防ぐ。
- セキュリティ監視と異常検知
インフラシステムやアプリケーションプロセス等を監視し、異常なアクティビティや攻撃を早期に検出し、対応できる仕組みを備える。
- データバックアップ
データの損失や破損に備えるために、適切かつ定期的なバックアップを行う。
- セキュリティ更新とパッチ管理
システムやソフトウェアのセキュリティアップデートや修正パッチは迅速に適用することでぜい弱性を解消する。
- ネットワークセグメントの分離
例えば本番系と開発系など、ネットワークを複数のセグメントに分割してセグメント間の通信を制限する。
- 利用者に向けての教育実施
利用者に対して定期的にセキュリティ意識の向上と正しい知識を周知させるトレーニングを行う。
- 適切な供給元の選定
外部のサービスやアプリケーションを選ぶ際には、適切にセキュリティ対策が行えているものを選択する。
- リスクアセスメントとコンプライアンス評価
クラウドサービスが適切に法規制や業界基準に適合していることを評価確認する。
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クラウドサービスとセキュリティ対策
クラウドサービスをセキュリティレベルの確保をしつつ利用する上では、先ほど解説した10のポイントを押さえておくことが重要です。
具体的に、どのような点に注意すべきなのか見ていきましょう。
また最近では、利用するだけでなく自分のサービスをクラウド上で提供するケースもあります。
こうした場合には、何に気をつけると良いのでしょうか。
利用者が気をつけるべきセキュリティ対策
クラウドサービスは従来のオンプレミスと異なり、インターネット経由での利用となるので、従来とは異なるセキュリティ対策も必要となります。
こうしたことを考えると、以下のようなセキュリティ対策が重要となります。
- アクセス権の管理を厳密に行う
- セキュリティパッチなどを定期的に適用する
- ネットワークの暗号化などの対策を行う
- データバックアップを定期的に行って、損失を防ぐ
- 社内教育などを通して、利用者のセキュリティへの認識を高める
など
情報漏えいの多くが、利用者の認識不足や操作誤りなどによるものであるとの調査もあります。
システム上で厳密な管理をするとともに、ソーシャルエンジニアリングなど、利用者要因となるセキュリティ課題についても発生を防ぐための対策を行うことが重要です。
提供者側が気をつけるべきセキュリティ対策
最近では、クラウドサービスを利用するだけでなくクラウドを活用して消費者や他の企業などに自社サービスを提供しているケースも多くなっています。
そうした提供者側の立場に立ったときには、セキュリティの観点からどのような点に気をつけるべきなのでしょうか。
基本的にはクラウドサービスの提供者としては、先ほど挙げたような利用者としての対策以外に以下のような点に注意することが必要です。
- 適切なクラウドプロバイダを選択することで、自社がクラウドで提供するサービスをより安定し、高いセキュリティを保ったものとする
- 第三者によるSOC2やISO/IEC27001、27017などの認証を通してセキュリティレベルを保つと同時にレベルの透明化をはかる
- リソース状況等の監視を適切に行う
- 情報漏えいなどの問題発生時の対応をフロー含めて明確にしておく
など
このように、クラウドサービスを提供する側も、いろいろな対策を行って利用者が安心して利用できるようにしておくことが大切です。
セキュリティ対策がしっかりとしたクラウドサービスを見分けるには?
ここまでの解説で、クラウドサービスを利用する上でセキュリティ対策が非常に重要であることが理解できたのではないでしょうか。
では、セキュリティ対策がしっかりとしたクラウドサービスを選択するには、どのようにすれば良いのでしょうか。
以下では、高いレベルのセキュリティ対策を持つクラウドサービスを見分ける7つのポイントを解説します。
- データ暗号化とキー管理
データの暗号化が提供されているか。
キー管理が適切に行われているかどうか。
- セキュリティ認証とアクセス制御の仕組み
多要素認証(マルチファクタ認証)サポートしているかどうか。
細かいアクセス制限や役割の仕組みを用意しているかどうか。
- セキュリティ監視と脅威検知の仕組み
セキュリティ監視や異常検知の仕組みを提供しているかどうか。
ファイアウォールなど不正な攻撃などが検知される仕組みがあるかどうか。
- コンプライアンスと規制遵守
主要な法律や業界の規制に適合していること。
また、主なセキュリティ基準を見対していることを確認する。
- 物理的なセキュリティ
データセンターが物理的なセキュリティ対策を十分実施しているかどうか。
- 第三者認証などによる評価
SOC2レポートや、ISO/IEC27001、27017などによる認証を取得しているなど幅広く認められた第三者による評価基準をクリアしているかどうか。
- 透明性とトランスペアレンシー
セキュリティに関する情報や対策について、透明かつ明確に提供しているかどうか。
高いセキュリティレベルを確保したクラウドサービスプロバイダーを選択するには、以上のようなポイントを確認しましょう。
そして、こうした高いレベルのセキュリティを実現するクラウドサービスを手軽に利用するために、「クラウドマネージド」という運用代行のサービスを利用する方法があります。
クラウドマネージドについては以下の記事をご参照ください。
提供されるサービスの詳細やサービスの選び方、利用におけるメリットデメリットについて詳しく解説しています。

2022.12.01
クラウドマネージドとは。AWSやAzureなどの運用代行メリットを解説!
AWSやAzure・GCPなどに代表されるクラウドサービスは、従来の物理サーバーを自社で設置運用するオンプレミス型と比べて導入コストが安い、...
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クラウドセキュリティの未来とは
世の中では、オンプレミスからクラウドサービスへの移行が急速に進み、かつDX (デジタルトランスフォーメーション)やIT化などの動きの中で、新たにクラウドサービスを導入する動きも顕著になりつつあります。
そうした中で、将来のクラウドセキュリティはどのようになっていくのでしょうか。
- ゼロトラストセキュリティの普及
- AIや機械学習の活用
- コンテナとマイクロサービスのセキュリティ対策
- ハイブリッドクラウドのセキュリティ要件の増加
- セキュリティの自動化やオーケストレーション
- サーバーレスセキュリティの要件の増加
こうした動きを見据えた上で、将来に向けた適切なセキュリティ対策を検討し、実装していくことが大切です。
まとめ
クラウドサービスの需要と利用の急速な拡大、セキュリティ脅威の増加、情報保護の意識の高まりなどさまざまな状況から、クラウドセキュリティの重要性が高まっています。
今回解説したように、利用側、提供側問わずクラウドセキュリティは、重要なデータを保護していくという点で不可欠なものです。
AIや機械学習など新しい技術を組み込むことで、こうしたセキュリティ対策の技術は今後どんどん進化し続けます。
セキュリティ対策は攻撃側の進化と守る側の進化の競争となっています。
新しい技術と最新のベストプラクティスをしっかりと適用することで、信頼性の高いデジタル環境を構築することが重要です。
本記事を参考に、安全にクラウドサービスを活用してください。
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