Windowsでも使える!パッケージマネージャー「Winget」と「Scoop」の基礎と活用方法

LinuxではOSにインストールするソフトや機能をコマンドラインで管理するパッケージマネージャーが一般的ですが、実はWindowsにも同様の仕組みがあります。

普段アプリのインストールの方法について意識する機会は少ないかもしれませんが、パッケージマネージャーを活用することで、インストール作業を効率化でき、特にプログラミングやシステム開発に利用しているマシンでは大きなメリットが得られます。

本記事では、マイクロソフトが提供する「Winget」と以前から根強い人気を持つ「Scoop」の基本機能や使い方、それぞれの違いや特徴を分かりやすく解説します。

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Winget・Scoopについて

パッケージマネージャーとは

パッケージマネージャー(パッケージ管理システム)とは、ソフトウェアのインストールやアンインストール、アップデートを自動化し、効率的に管理できるツールです。

1990年代のUnix系OSで誕生し、その後、現在もLinuxで使われているdpkg(Damian系)やrpm(Red Hat系)などが登場。

依存関係の自動解決など機能もさらに進化しました。

そのような歴史があるので、UnixやLinuxのユーザーにはおなじみのツールですが、WindowsやMac OSユーザーには馴染みがないかもしれません。

ただ近年では、WingetやScoopなどをはじめ、WindowsやMac OS向けのパッケージマネージャーも幾つか提供されるようになっています。

Wingetとは

Wingetはマイクロソフトが公式に提供するWindows向けのパッケージマネージャーで、正式名称は「Windows Package Manager」です。

コマンドライン(cmd)からソフトウェアのインストールや管理ができます。

Wingetの動作環境

Windows 10(バージョン1809以降)および Windows 11で利用可能です。

ただし、マイクロソフトの公式情報によると、WingetはWindows Server 2022以前のサーバーOSでは動作出来ません。

これは、Microsoft Storeやその他の依存関係を使用できないためだそうです。

Wingetの入手方法

通常、Windowsには標準搭載されていますが、環境によってはコマンドが認識されない場合があります。

その際は、GithubからWingetをインストール可能です。

Scoopとは

Scoopは、Windowsのコマンドライン(Powershell)からGUIやインストーラーを介さずに操作可能です。

Wingetより歴史は古く、2012年にLuke Sampson氏によって開発され、ライセンスフリーで商用利用や再配布、修正などが自由にできるようになっています。

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Scoopの動作環境

ScoopはPowerShell 5.0以上と.Net Framework 4.5以上で動作します。

Windows 10/11およびWindows Server 2016以降では標準で満たされています。

Scoopの入手方法

管理者以外のユーザーでWindows PowerShellを起動し、Cドライブで以下のコマンドを順に入力します。

Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser

※「実行ポリシーを変更しますか?」と表示されたら「Y」キーを押して実行してください。続いて、以下のコマンドを入力します。

Invoke-RestMethod -Uri https://get.scoop.sh | Invoke-Expression

しばらくしてScoop was installed successfully! と表示されたら完了です。

※注意

管理者権限での実行は原則推奨されておらず、「Running the installer as administrator is disabled by default…」という警告が表示され、インストールが中止されることがあります。

どうしても管理者でインストールしたい場合は、GithubのScoopマニュアルのReadmeからインストラクションに従ってください。

基本的な使用方法

Winget

コマンドプロンプト(cmd)から実行します。初回のみ、ソース契約条件への同意が求められます。

・ソフトの検索
winget search <アプリ名>

※アプリ名を入れないとエラーになります。

名前だけでなく、タグやID、モニカー(別名)といった情報との部分一致ですべて検索が実行されます。

・ソフトのインストール
winget install <アプリ名またはID>

※既にインストールされているアプリの場合は、アップグレードが実行されます。

同名のアプリが複数存在する場合があり、その場合はIDで入力する必要があります。

・インストール済みアプリの一覧表示
winget list

※Wingetで登録されたアプリ以外も表示されます。

・アプリのアップグレード
winget upgrade <アプリ名>

※アプリ名を省略すると、現在Wingetでアップグレード可能なインストール済みアプリが一覧表示されます。

※すでに対象アプリのバージョンが最新の場合は、「利用可能なアップグレードが見つかりませんでした」というメッセージが表示されます。

・アンインストール
winget uninstall <アプリ名>

※アプリ名は winget list で確認可能です。一部のアプリでは、アンインストール時にユーザー操作を求められる場合があります(例:確認ダイアログなど)。

同名アプリが複数ある場合は、IDで指定することで確実に対象を絞れます。

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Scoop

PowerShellから実行します。コマンドプロンプト(cmd)からでも動くようですが、安定性からPowerShellが推薦されているようです。

後述するBucketの追加の際にGitというアプリが必要になるので、あらかじめinstallコマンドでGitをインストールしておくことをおすすめします。

・ソフトの検索
scoop search <アプリ名>

※文字列を省略すると、現時点で入手できる全アプリが検索されます。

正規表現も使えます。

例:scoop search ‘python|ruby’

検索結果に表示されるsourceとは、次に解説するBucketのことです。

・バケット操作
scoop bucket [引数]

※Bucketとは、複数のアプリをまとめたパッケージリポジトリのようなものです。

Bucketの追加や削除がコマンドで行えます。

scoop bucket list と入力すると現在追加されているbucketの一覧と提供されているアプリ数を表示することができます。

初期状態では、mainというbucketのみが登録されています。

ExtrasというBucketを追加するには、scoop bucket add extras と実行します(この操作にはGitアプリがインストールされていることが必要)。

scoop bucket knownというコマンドで、追加可能なBucketの一覧を確認できます。

・インストール
scoop install <アプリ名>

※インストールできるアプリはBucket内にあるものに限られます。

アプリに依存するソフトの場合は自動的にインストールも行われます。

アプリ名を半角スペースで並べれば、複数のアプリをインストールできます。

・インストールしたアプリを表示
scoop list

※ScoopのBucketにあるアプリに限られます。

・Scoopのバージョンアップ
scoop update

※Scoop自体を最新のバージョンに更新します。

・アプリのアップグレード
scoop update <アプリ名>

※特定のアプリを更新します。アプリ名に「*」を指定するとすべてのアプリがアップデートできます。

・アプリのアンインストール
scoop uninstall <アプリ名>

※依存関係のソフトがインストールされている場合、それらは自動で削除されませんので必要に応じて手動で対応してください。

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WingetやScoopを使うメリット

パッケージマネージャーの3大メリット

インストール作業の効率化

従来のインストール作業では、ブラウザでアプリを検索し、ダウンロード後に.exeファイルやインストーラーを実行、表示されるウィンドウの指示に従ってセットアップをする必要がありました。

WingetやScoopを使うことで、こうした手順が大幅に省力化され、コマンド1つでダウンロードからインストール、初期設定まで完結できます。

企業などで複数台のWindows端末をセットアップ(キッティング)する場合には、作業工数を大幅に削減できるでしょう。

ソフトウェア環境の標準化

WingetやScoopには、以下のような機能があります。

・既存ソフトウェアの一括アップデート

これらの機能により、複数のWindows端末におけるソフトウェア環境の標準化が実現され、組織全体のソフトウェア環境を最適に保つことが可能になります。

インストール作業の自動化

WingetやScoopはコマンドベースで操作できるため、スクリプトとの親和性が高く、タスクスケジューラや既存バッチファイルに組み込むことで、インストール処理の自動化が簡単に実現します。

開発者におすすめの理由

WingetやScoopのメリットを一番多く受けられるユーザーは、アプリ開発やシステム開発に関わるエンジニアです。

Windows上で開発環境を構築するには、GitやCurl、Java、PHPなどの実行環境、IDE、コンパイラなど多くのツールを導入しなければなりません。

それぞれのアプリ同士には依存関係も多いので手動インストールは大変な手間ですが、その負担を軽減する手段として、WingetやScoopは非常に有効です。

WingetとScoopの比較

機能比較表

提供元Microsoftオープンソース
インストール対象Microsoft Store含むBucket内のみ
仕組みインストーラーを使用解凍してパスを通す
Storeとの連携ありなし
自動インストールオプションで対応完全対応
管理者権限必要不要
拡張性低い高い(Bucket追加可)

WingetとScoopの最大の違いは、管理者権限の必要性とインストールできるアプリの範囲です。

特にScoopは、独自Bucket(アプリのリスト)を自作・追加することで、公式に存在しないツールや自作ツールも登録できます。

マニフェストはJSON形式で記述され、柔軟なカスタマイズが可能です。

WingetとScoopの使い分け

WingetとScoopは併用可能で、目的に応じて使い分けるのが効果的です。

<使い分け例>

・一般的なアプリをまとめてインストールしたい→Winget
・開発ツールをバージョン管理付きで運用したい→Scoop
・システムのセットアップスクリプトを自動化したい→Scoop(もしくはWingetの—silentオプション)

例えば、Microsoft Store経由で提供されるブラウザやGUIアプリはWingetで導入し、開発関連ツールはScoopで管理するという併用方法が一般的です。

Wingetも依存関係の解決やサイレントインストールに対応していますが、オプション指定が必要なため、スクリプトの記述においてはScoopの方が扱いやすいと言えるでしょう。

まとめ

Windowsにおけるパッケージマネージャーはまだ一般的とは言えませんが、使ってみるとその便利さと生産性向上を実感できます。

特に、端末のセットアップを行う情シス担当者や、開発環境を効率的に整えたいエンジニアにとっては強力な味方です。

WingetもScoopも無料で利用できるため、ぜひ一度試してみてください。

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