WAAPとは?基本機能や選び方を解説!

デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展や、企業のビジネスプロセスの急速な変化に対応すべく、ITシステムは日々進化しています。

昨今では、自社内にITインフラを構築してシステムを運用するオンプレミス環境からインターネット経由でITインフラを利用するクラウド環境への移行が主流となり、WebAPIやマイクロサービスの活用も普及してきました。

この変化に伴い、Webアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃など、新たな脅威へのセキュリティ対策が求められています。

その対策として、2017年にGartnerが提唱した「WAAP」が注目を集めています。

本記事では、WAAPの機能や選び方について詳しく解説します。

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WAAPとは

 WAAPの概要

WAAP(Web Application and API Protection)は、WebアプリケーションとAPIを保護する統合型セキュリティソリューションを指します。

従来のWAF(Web Application Firewall)を進化させ、クラウド環境やマイクロサービスの普及に伴う新たな脅威に対応するために開発されました。

従来のWAFでは、単純なシグネチャベースの防御で対応していました。

しかし、近年はAPIを介したデータ通信の増加や攻撃の高度化により、従来のセキュリティ対策では対応しきれなくなりつつあります。

WAAPは、既存のWAFの機能に加え、AIを活用した脅威検出やゼロデイ攻撃への対策などを強化することで、企業のデジタル資産を守る役割を果たします。

 WAAPが必要な理由

クラウド環境や分散システムの普及により、従来の防御では防ぎきれないリスクが増加しています。

具体的な攻撃例として、以下のようなものがあります。

APIの不正利用
・Botを利用した攻撃
・DDoS(分散型サービス拒否)攻撃
・ゼロデイ攻撃

これらの脅威に対応するため、セキュリティ対策には以下の機能も求められます。

・アプリケーションの内部での防御(マイクロサービス環境でのセキュリティ強化)
・コンプライアンス要件への対応(PCI DSS、GDPR、改正個人情報保護法など)
・リアルタイムでの異常検知(AIや機械学習を活用)

このような高度なセキュリティ対策が求められる中、WAAPは重要な役割を果たします。

従来のWAFでは対応できなかった高度な攻撃にも対応可能であり、企業の機密情報やユーザーデータを保護するために不可欠なセキュリティソリューションです。

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WAAPの機能

WAF

WAF(Web Application Firewall)は、Webアプリケーションへの不正アクセスを防ぐシステムで、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などの攻撃からアプリケーションを保護します。

従来のWAFはシグネチャベースによる防御で対応していましたが、WAAPではAIを活用した振る舞い分析やヒューリスティック検知を組み合わせており、ゼロデイ攻撃や未知の脆弱性を狙った攻撃にも対応できるよう進化しています。

APIセキュリティ

近年のクラウド化やマイクロサービスの普及に伴い、APIセキュリティの重要性が高まっています。

APIを狙った攻撃の増加により、不正なAPIリクエストや認証情報の漏洩が企業のリスクになっています。

WAAPでは、APIの認証・認可を強化し、レートリミットやトラフィックの異常検知を行うことで、不正なAPI利用を防ぎます。

さらにAPIゲートウェイとの統合により、リアルタイムでの脅威監視やポリシー適用が可能になります。

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Bot対策

悪意のあるボットは、ウェブスクレイピング、不正ログイン(クレデンシャルスタッフィング)、広告詐欺などの様々なサイバー攻撃の温床となっています。

WAAPのボット対策機能は、AIによるトラフィック分析を活用し、人間とボットを識別することで不正アクセスをブロックします。

さらに、リスクベースの認証やCAPTCHA(コンピューターと人間を区別するためのテスト)を導入することで、ユーザーの利便性を損なわずにセキュリティを向上させることができます。

DDoS対策

DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃は、大量のリクエストを送信することでサーバーを過負荷状態にし、サービスを停止させる攻撃手法です。

WAAPのDDoS対策は、クラウドベースのスケーラブルな防御により異常なトラフィックをリアルタイムで検出・遮断します。

特にレイヤー7(アプリケーション層)攻撃には、振る舞い分析を活用し、正規ユーザーとの識別を強化します。

これにより、企業はサービスの可用性を維持しつつ、継続的なセキュリティ強化が可能です。

WAAPの選び方

セキュリティ機能の評価

WAAPソリューションを選定する際、最も重要なのはセキュリティ機能の充実度です。

基本的なWAF機能に加え、最新の脅威に対応できる高度な保護機能が必要とされます。

具体的には、以下のような観点から評価することが重要です。

機械学習による異常検知の精度
ゼロデイ攻撃への対応能力
APIセキュリティの範囲
Bot対策の高度さ
誤検知(フォールスポジティブ)の発生率
コンプライアンス要件(PCI DSS、GDPR、改正個人情報保護法など)への対応状況

さらにWAAPそのもののセキュリティアップデートの頻度と質も重要な選定基準となります。

対応可能な環境の範囲

現代のITインフラは、複雑な構成を取ることが一般的です。

例えば、以下のような環境を組み合わせて構成します。

オンプレミス自社内にITインフラを構築しシステムを運用
パブリッククラウドAWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスを利用
プライベートクラウド自社データセンターにクラウド環境を設置し利用
ハイブリッドクラウドパブリッククラウドとプライベートクラウドの両方を利用

WAAPの選定では、多様な環境に対応できる柔軟性が求められ、以下の観点も重要です。

主要なクラウドプロバイダー(AWS、Azure、GCP)との親和性
コンテナ環境(Kubernetes)への対応
マイクロサービスアーキテクチャとの統合のしやすさ
既存のセキュリティツールやSIEM(Security Information and Event Management)との連携

これらに対応できるWAAPを選ぶことで、異なる環境でも一貫したセキュリティを確保できます。

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運用のしやすさ

WAAPの効果的な運用には、直感的な管理インターフェースと効率的な運用プロセスが不可欠です。

ツールの扱いやすさの観点で以下の点を評価しましょう。

ダッシュボードの使いやすさ
セキュリティポリシーの設定・変更の容易さ
インシデント対応の効率性

また、長期的な運用を見据え、以下の点も確認するとよいでしょう。

・ベンダーのサポート体制
技術文書の充実度
トレーニングプログラムの有無

さらに、自動化機能の充実度も重要です。

・CI/CDパイプラインとの統合
APIを通じた管理の可能性
・自動的なポリシー最適化機能の有無

これらの要素を考慮することで、運用の負担を減らし、効率的なセキュリティ管理が可能になります。

まとめ

本記事では、WAFの進化系ともいえる新たなセキュリティ対策「WAAP」について解説しました。

DXの進展により、システムはクラウド環境やWebAPI、マイクロサービスが主流となりました。

これに合わせ、新たなセキュリティ対策が求められています。

WAAP従来のWAFだけでなく、API攻撃、Bot攻撃、DDoS攻撃などの高度な脅威にも対応し、企業のデジタル資産を守る重要な役割を担います。

セキュリティ対策について悩んでいる方は、WAAPの導入を検討してみるとよいでしょう。

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