この記事の信頼性:本記事は、Windows Serverを20年以上提供している「Winserver」のマーケティングチームおよび技術チームが執筆しています。実際に企業ユーザーから寄せられた設定相談やサポート事例に基づき、初心者にもわかりやすく解説しています。最終更新日:2025年10月16日
現代社会において、データは企業や個人にとって重要な「資産」です。
しかし、自然災害・人為的ミスやランサムウェアによる暗号化攻撃など、データを失うリスクは高まる一方です。その備えとして有効なのがバックアップサーバーですが、バックアップだけでは不十分なケースも少なくありません。バックアップデータそのものがランサムウェアに狙われる事例が増えているためです。
本記事では、バックアップサーバーの仕組みと必要性を基礎から解説し、ランサムウェア対策に直結する導入時のポイントや最新の防御策をわかりやすく紹介します。
対象読者:バックアップ体制の見直しを迫られている中小企業の情シス・IT担当者の方
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目次
バックアップサーバーの基本的な役割と仕組み
バックアップの定義と重要性
バックアップとは、データやシステムの状態を複製し、別の場所に保存することです。これにより、万が一の障害発生時やデータ破損・消失の際にも、迅速に復旧できる体制が整います。企業にとって、業務継続(BCP対策)の鍵とも言える「備え」がバックアップです。
日々システムを運用していく中で、データが破損・消失する原因は以下のようなさまざまなケースが考えられます。
- 人的ミス (削除誤り、更新誤りなど)
- 障害(ハードウェア障害、ソフトウェア障害など)
- セキュリティインシデント(ウイルス感染、不正侵入、改ざん行為など)
- 災害 (停電、地震など)
このようなケースが発生した際に、迅速に復旧するためには、バックアップが不可欠です。
関連記事:UPS(無停電電源装置)とは。予期せぬ停電からデータを守る備えを
バックアップサーバーの方式|フル・差分・増分バックアップの違い
バックアップには主に3つの方式があります。それぞれバックアップデータの取得および復旧にかかる時間が異なるので、要件にあわせて適切な方法を選択しましょう。
バックアップ取得方法 | 取得するデータ | メリット | デメリット |
フルバックアップ | 対象データ全て | 復旧が簡単 | 復旧に時間がかかる |
差分バックアップ | 最後のフルバックアップ以降の変更分 | 取得時間が比較的速い | 復旧にはフルバックアップと最新の差分が必要 |
増分バックアップ | 前回バックアップからの変更分 | 取得時間が最も短い | 復旧にはフルバックアップと全ての増分が必要 |
これらをスケジュールや世代管理(リテンション設定)と組み合わせることにより、効率的かつ安全な運用が可能です。

2022.03.24
差分バックアップと増分バックアップの違い、使い分けを解説!
差分バックアップ、増分バックアップなどのバックアップは、ミスや障害、サイバー攻撃などからデータを守るために不可欠です。今回は、フル、差分、増分などのバックアップの種類や使い分けについて解説します。
クラウドとの違い・併用のメリット
クラウドバックアップはインターネット経由でデータを外部サービスに保存する方式です。万が一社内サーバーが災害や障害で使用できなくなった場合も、物理的な別拠点に保管されたデータから復旧が可能となります。一方、オンプレミスのバックアップサーバーは直接接続により高速な復元が可能です。両者を併用することにより、オンサイトの即時復旧とオフサイトの耐災害性を両立できるのが大きなメリットです。

2024.02.22
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クラウドバックアップは、インターネットを介してGoogle Driveのようなオンラインストレージにデータをバックアップする手法です。今回はクラウドバックアップの基本や、サービスの選び方、活用方法について解説します。
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ランサムウェア対策とバックアップの必要性
ランサムウェアの概要と被害事例
ランサムウェアとは、感染したコンピューター内のファイルを暗号化し、復号(回復)に対して金銭(身代金)を要求するマルウェアです。感染経路としては、次のような手段が多く確認されています。
- メールに添付された不正なファイル(添付ファイル型)
- 不正なリンクを含むフィッシングメール
- OSやソフトウェアの脆弱性を突いた攻撃
データ暗号化後には「◯日以内に支払わないとデータを永久に失う」といった脅迫文が表示されます。
近年では教育機関や医療機関、自治体も被害に遭っており、社会的に深刻な問題です。

2021.01.21
ランサムウェアとは。種類、感染防止策、対処法をわかりやすく解説!
ランサムウェアとはマルウェアの一種で、コンピューターに感染することでデータを読めなくし、復旧のために身代金の支払わせる非常に悪質なウイルスです。今回はランサムウェアの種類や感染防止策、対処方法について解説します。
バックアップがないとどうなる?
もしランサムウェアに感染してバックアップが存在しなければ、企業や組織は重要な事業データを失いかねません。身代金の支払いを拒否すれば復旧不能、支払っても完全に回復できる保証はありません。結果として業務停止・顧客信頼の失墜・法的リスク(コンプライアンス違反リスク)・金銭的な損失など、多方面にわたる損害が発生します。
バックアップで実現する迅速復旧
バックアップサーバーがあれば、感染前の状態に復元することが可能です。定期的にバックアップを取っていれば、暗号化されたデータに依存せず、安全な世代のデータまでさかのぼって復旧できます。ランサムウェアの脅威から素早く回復し、業務にかかるダウンタイムと経済的な損失を最小限に抑える手段が整います。
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ランサムウェアに強いバックアップとは?
バックアップデータも標的になる
バックアップは、ランサムウェア対策の基本ですが、ただバックアップをとるだけでは不十分なケースがあります。近年のランサムウェアは、不正侵入後にバックアップデータを狙って暗号化する恐れがあるからです。この場合、バックアップデータも利用不能となり、復旧できなくなるリスクがあります。
多重保存・WORM・AI検知の活用
ランサムウェア対策を含めたバックアップの取得方法としては、以下の3つが有効です。
バックアップデータを複数の場所に保存(オンプレ+クラウド)
一次バックアップをオンプレミス環境に、二次バックアップをクラウド環境に取得する「多重保存」の手法です。オンプレミスのバックアップを使えば迅速な復旧が可能であり、万が一ランサムウェアに感染してオンプレミスのバックアップデータが使えなくなっても、クラウド上のバックアップで復旧が可能です。
更新できないストレージの活用
一定期間更新・削除を禁止するWORM(Write Once Read Many)ストレージを利用する方法です。
例えば、AWS S3 Object Lockなどのクラウドストレージでは、改ざん防止のロック機能が備わっているものがあります。これを利用すれば、データを更新することができないため、ランサムウェアによって暗号化されることもありません。また、バックアップを取得する際など必要時だけロックを解除する運用をすることで、セキュリティと利便性を両立できます。
AIによるランサムウェア検出機能の導入
昨今では、AI技術を活用したバックアップ統合型セキュリティが注目されています。AIセキュリティは、不審な振る舞いやデータの異常を自動で検知し、脅威発生前に警告・対応する仕組みです。これにより、バックアップ中の異常な挙動を瞬時に検知でき、従来のサインベース(既知の脅威を検出する方式)では対応できない新種のランサムウェア攻撃にも対応できます。
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バックアップサーバー導入時のポイントと注意点
選定時にチェックすべき項目
バックアップサーバーを選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。
- 保存容量と拡張性
将来的なデータ増加に対応できるか、外部ストレージの追加が容易か
- 保存容量と拡張性
- 処理速度(スループット)
夜間バッチ処理や災害時の緊急復旧時にボトルネックにならないか
- 処理速度(スループット)
- 対応OS・対応アプリケーション
Windows、Linux、仮想環境、クラウドサービスなど、多様な環境に対応可能か
- 対応OS・対応アプリケーション
- セキュリティ機能
暗号化保存、アクセス制御、AIによる異常検知などのセキュリティ強化機能が備わっているか
- セキュリティ機能
このような観点から選定することで、安全性・拡張性の確保が可能になります。
社内体制と運用の見直しも重要
バックアップサーバーを有効に活用するには、運用体制の整備も肝心です。
- 運用ポリシーの策定:定期バックアップの頻度、保存期間、復旧手順の明文化
- テスト復旧の実施:定期的に復旧テストを実施し、運用フローが機能するか確認
- 担当者の教育:運用担当者に対して、バックアップ/復旧の操作や、AIによる脅威検知アラートへの対応を含めたトレーニングを実施
万全なバックアップ戦略には、システム導入だけでなく、人材と運用ルールの整備が欠かせません。
コストと安全性のバランス
バックアップサーバーには、導入費用、運用コスト、ストレージ容量の追加費用、そしてAI機能の利用料金などがかかります。一方で、インシデント発生時の損害は甚大であり、業務停止や顧客信頼失墜による損失はシステム導入費を大きく上回るケースも少なくありません。そのため費用対効果を評価する際はリスクとコストを正しく評価し、過不足のない対策を検討すべきです。
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まとめ
この記事では、バックアップサーバーの基本的な役割と仕組み、ランサムウェアの対策について解説しました。
バックアップサーバーはもはや単なるデータ保存装置ではなく、サイバー攻撃から情報資産を守る「防御装置」としての役割を担うようになっています。今後は、AIによる異常検知やゼロトラスト原則との連携を含めた、より高度なバックアップ戦略が不可欠となるでしょう。企業や自治体、教育機関、さらには個人に至るまで、ランサムウェアをはじめとする脅威からデータを守るために、バックアップ体制の導入・見直しを今こそ検討しましょう。
※この記事は2025年10月時点の情報に基づいて執筆されています。掲載内容は将来的に変更される可能性があります。
※本記事の情報は、各ソフトウェアの公式サイトおよび開発元のドキュメントに基づいて作成しています。
最終更新日:2025年10月16日
この記事の執筆者について:
本記事は、Windows専門レンタルサーバーを20年以上提供する「Winserver(株式会社アシストアップ)」が運営する公式コラムです。
当社はMicrosoft SPLAパートナーとして、法人・個人を問わず多数の顧客に対し、Windows Server環境の導入・運用支援を行ってまいりました。
執筆・構成は、技術サポートとマーケティングチームが共同で担当。実際に社内導入やお客様からのフィードバックに基づいた情報をもとに執筆しています。
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