近年は、企業などビジネスの現場をはじめとして、さまざまな情報システムの活用が欠かせない時代になっています。
ですが、サーバーなどの情報システムの運用管理や、メンテナンスなどをすべて自社で行うのは、コストの発生や専門家による運用体制の確保と維持が必要となり大きな負担となります。
そこで、これらを外部の専門業者等に委託する考え方から生まれたのが「マネージドサービス」です。
今回は、マネージドサービスの概要や活用事例、利用が増加する背景について解説します。
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目次
マネージドサービスとは
マネージドサービスとは、サーバーやストレージなどさまざまな情報システムの管理を外部にアウトソーシングするサービスです。
従来は、情報システムを自社内の物理サーバー(オンプレミス)の環境に設置し、運用の人員や体制も確保するのが一般的でした。
しかし現在ではコスト削減などもあり、マネージドサービスが一般的となりつつあります。
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マネージドサービスの利用が広がる背景
米国の市場動向などの調査会社であるPanorama Data Insightsが2022年3月に発表した報告によると、世界のマネージドサービス市場の規模は2021年には2,467億ドルで、2030年には8,479ドルにまで拡大すると予測されています。
そして、2022年から2030年までの期間は、複合年間成長率で14.7%となると予測しています。
国内での動向はどのようになっているのでしょうか。
2022年にIDC Japanが報告した内容によると、マネージドサービス市場はクラウドを含めた包括的なITインフラのアウトソーシングなどの需要が高く、上位10社のうち9社がプラス成長と、こちらも市場規模が拡大しています。
このように、マネージドサービスの市場規模は順調に拡大し、これからも伸びていくと予想されています。
続いて、マネージドサービスの利用が拡大する理由について考えてみましょう。
- 自社で専門家による運用体制を構築する必要がなくなることによる人件費の削減
- 人材確保の難しさ
- 自社業務へのリソースの集中ができ、経営の効率化がはかれる
などが挙げられます。
昨今では、ITサービスの利用が中小企業や個人事業主、フリーランスなどに広がっています。
大企業に比べて資金力に限りがある場合、マネージドサービスの活用によってコスト削減を図るケースが増えています。広がっていると言えるでしょう。
マネージドサービスがおすすめのケース
マネージドサービスの利用はさまざまな分野で広がりつつありますが、具体的にどのようなケースで使うのが良いのでしょうか。
<社外向けWebサーバーのアウトソーシング>
社外向けのWebサーバーは、社内ネットワークと比べて、より高度なセキュリティ対策などが必要になります。
そこで、これらを外部クラウドに移し、外部業者にアウトソーシングします。
<顧客向けサービスのアウトソーシング>
24時間365日の顧客向けサービスを提供しているものの、自社では運用体制が確保できない場合は、運用も含めてアウトソーシングします。
<自社基幹システムのアウトソーシング>
自社の基幹システムを運用するための高度な技術を持つ人材を確保するのが難しい場合、外部の専門業者にアウトソーシングします。
マネージドサービスとクラウド
近年は、従来のオンプレミスでなく、クラウドサービスを利用しているケースも増えています。
こうした場合でのマネージドサービスの利用はどのようにすれば良いのでしょうか。
クラウドサービスは、元々ハードウェアの保守や運用などオンプレミスで企業側が行わないといけなかったかなりの部分をクラウド事業者が担当しています。
その上で、ハードウェア以外の部分をどのように保守、運用するかといったことがポイントになります。
したがって、オンプレミスと比較すると以下のような区分けになります。
- オンプレミス:ハードウェアとソフトウェア(OSやアプリケーション)を含めて、誰が担当するか
- クラウド:ハードウェアはクラウド事業者。ソフトウェア(OSやアプリケーション)を誰が担当するか
このように、オンプレミスとクラウドではマネージドサービスについて若干の違いがあります。
ただ、「運用や保守を外部業者に委託する」といった基本的な部分は同じです。
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マネージドサービスのメリットやデメリット
ここまでマネージドサービスについて解説してきましたが、マネージドサービスは従来のオンプレミスや従来型の自社で体制を確保して運用する形態と比較して、どのようなメリットがあるのでしょうか。
また、逆にデメリットになるような事項は無いのでしょうか。
<マネージドサービスのメリット>
マネージドサービスのメリットは、以下の通りです。
- 運用での経費の変動などを一定化できるので、コストがある程度平準化できる
- 外部の専門家に依頼することができる
- ある程度自社の業務に専念できる
<マネージドサービスのデメリット>
逆にマネージドサービスのデメリットは、以下の通りです。
- 範囲が限られているので、すべて委託できるわけではない
- 委託している部分の技術は社内に蓄積されない
このように、マネージドサービスには外部業者に委託することで自社業務に専念できる、コストを平準化できるなどのメリットがある反面、情報システムの管理全てを委託しているわけではないため完全に何もしなくて良いことにはならない、委託している部分の技術が蓄積されないなどのデメリットもあります。
したがって、導入を検討する場合は、こうしたさまざまな要素を含めてメリットがあるかどうかを検討する必要があります。
マネージドサービスとフルマネージドサービス
実はマネージドサービスには、「マネージドサービス」と「フルマネージドサービス」の2種類があります。
フルマネージドサービスとは
フルマネージドサービスとはどのようなものなのでしょうか。
フルマネージドサービスとは、端的に言うと「ほぼすべてのサーバー管理を顧客に代わって代行する」といったものです。
つまり、フルマネージドサービスを依頼する企業は、自社が持つ情報システムの運用を、一括りにして外部業者に委託するといったイメージです。
マネージドサービスとフルマネージドサービスの違い
先に説明してきたマネージドサービスと、フルマネージドサービスはどのような違いがあるのでしょうか。
以下で違いを整理してみます。
マネージドサービス | フルマネージドサービス | |
---|---|---|
請け負う範囲 | 一部 | 全て(ほぼ全て) |
費用 | 範囲と内容による | マネージドサービスよりも高額 |
自社での運用 | 必要 | 必要がない |
自社のノウハウの蓄積 | ある | ない |
このように、フルマネージドサービスとマネージドサービスには、よく似た名称ではありますが、さまざまな点で違いがあります。
フルマネージドサービスのメリットやデメリット
マネージドサービスでなくて、フルマネージドサービスを使うメリットはどのような点にあるのでしょうか。
また、逆にデメリットはないのでしょうか。
<フルマネージドサービスのメリット>
フルマネージドサービスのメリットは、以下のような点です。
- すべて外部業者にまかせるので、リソースを割く必要がなくなる
- 自社で専門技術を取得したり、運用体制を準備したりする必要がなくなる
- 障害時などに専門家による適切な対応が行える
<フルマネージドサービスのデメリット>
逆にフルマネージドサービスのデメリットは、以下のような点です。
- 障害時の対応のタイミングなども外部業者によるものとなってしまうことがある
- 自社にまったくノウハウが残らない
- すべて外部業者に委託するので、コストがかかる
このように、フルマネージドサービスはマネージドサービスに比べると、すべて外部業者にまかせてしまうことで、運用体制や専門家を内部で確保する必要がない、他の業務に専念できるといった反面、コストがかかるなどのデメリットもあります。
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まとめ
さまざまな業務がIT化され、多くのサーバーやクラウドサービスの利用が進められ、業務上不可欠なものとなっている中で、それらを自社ですべて運用管理することは非常に手間やコストがかかるだけでなく、専門的な技術者を確保することも現在の人材不足の中では非常に大変なことです。
今回解説したマネージドサービスは、こうした課題を解決するための方法の一つであり、情報システムの運用を一部外部業者に委託するものです。
さらにフルマネージドサービスでは、一部でなくかなりの部分、もしくはすべてを委託するものです。
こうしたサービスにはメリットもあればデメリットもあります。
しかし、自社にとって採用することがメリットであるのであれば積極的に採用を進めてみても良いのではないでしょうか。
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