この記事の信頼性:本記事は、Windows Serverを20年以上提供している「Winserver」のマーケティングチームおよび技術チームが執筆しています。実際に企業ユーザーから寄せられた設定相談やサポート事例に基づき、初心者にもわかりやすく解説しています。最終更新日:2026年9月11日

マイクロソフトのSPLA規約変更により、2025年10月1日から、Alibaba、Amazon Web Services(AWS)、Google、Microsoftの『Listed Provider』をデータセンタープロバイダー(DCP)やアウトソーシング先として利用し、SPLAライセンスをアウトソースする従来の運用ができなくなりました。
これに伴い、今回の規約変更の対象となるSPLA環境でMicrosoft製品を利用していた企業では、ライセンスの提供方法や利用基盤の見直し・変更が必要となる場合があります。
本記事では、長年クラウドやホスティングサービスを提供してきたWinserverが、SPLAの基本的な仕組みと改定内容の要点をわかりやすく解説します。
さらに、改定によって生じた影響や、現在選択できるライセンス・運用方法についてもご紹介します。
対象読者:SPLAの仕組みや2025年10月の規約変更について知りたい方、Microsoft製品のライセンスや利用環境を見直したい情報システム担当者の方
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目次
SPLAとは
概要
SPLA(スプラ/Services Provider License Agreement)は、マイクロソフトが提供するライセンスプログラムの一つで、サービスプロバイダーがマイクロソフト製品を月額課金で顧客に提供するための仕組みとなっています。
SPLAを利用する事業者には、ホスティング事業者やクラウドサービス事業者、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)などがあります。一般的なボリュームライセンスが主に組織自身による利用を想定しているのに対し、SPLAは第三者へソフトウェアサービスやホステッドアプリケーションを提供する事業者向けのライセンスです。ホスティング、VPS、VDI、SaaSなど、さまざまなサービス形態で利用されています。
従来は、一定の条件下でサービスプロバイダーが外部データセンターを利用し、SPLAライセンスによるサービスを提供できました。しかし、2025年10月1日からListed ProviderのデータセンターにSPLAライセンスをアウトソースする従来の運用はできなくなりました。これが今回の変更における重要なポイントです。
SPLAの特徴とメリット
マルチテナント環境に最適
SPLAはホスティングやIaaS、SaaS、DaaSなど、さまざまな形態でのサービス提供が可能です。
データセンターでのマルチテナント構成にも適しています。
柔軟なコスト管理
使用量に応じて月額で課金されるため、ユーザー数やインスタンス数の増減に合わせてコスト最適化が可能です。
対象製品の最新バージョンを利用可能
SPLAでは、対象となるMicrosoft製品の最新バージョンをライセンスしてサービスとして提供できます。
最新バージョンを利用できるという点では、Software Assurance(SA)のNew Version Rightsと似たメリットがあります。ただし、SPLAとSAは異なるライセンスプログラムであり、利用条件や特典も異なります。
初期投資の抑制
ライセンスは提供した分だけ支払う従量課金制のため、初期費用を抑えられます。
マイクロソフト公式サイトでも、「お支払いいただくのは、毎月にエンドユーザー様に提供したソフトウェア サービスをベースとしたライセンス料のみです。初期コストはかからず、月ごとの販売ノルマや長期的なコミットメントもありません。」と説明されています。
マイクロソフト公式サイト:サービス プロバイダー様向けライセンス プログラム
SPLAの主な対象製品
SPLAが適用できる代表的な製品は、以下の通りです。
・Microsoft Windows Server(RDS関連ライセンスを含む)
・Microsoft Office
・Microsoft SQL Server
など
これらの製品をクラウドやホスティング環境で利用する場合は、SPLAを含め、利用環境に適したライセンス形態を確認することが重要です。
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2025年10月のSPLA規約変更とその影響
SPLAライセンス改定の背景とマイクロソフトの狙い
SPLAのアウトソーシングに関する規約変更は2022年に発表され、2025年10月1日から適用されています。
以下の公式ブログ記事にて「SPLA program update regarding outsourcing」として詳細が紹介されています。
Microsoft Partner Blog :New licensing benefits make bringing workloads and licenses to partners’ clouds easier
記事の内容を要約すると、次のとおりです。
「ホスティング事業者のエコシステムを促進し、従来のアウトソーサーやデータセンター事業者に恩恵を与えるため、Listed Provider のデータセンターでSPLAライセンスを第三者提供する機能を削除する。影響を受ける事業者は、2025年9月30日までに、Listed Providerから移行するか、直接ライセンスを取得する必要がある」
Listed Providerとは、Microsoftのライセンス条項上、Alibaba、Amazon Web Services(AWS)、Google、Microsoftを指します。
SPLAの規約変更は2022年に発表され、2025年10月1日から適用されています。これにより、Listed Providerをデータセンタープロバイダーやアウトソーシング先として利用する従来のSPLA運用はできなくなりました。
改定による影響(サービス提供事業者側)
SPLA事業者は、AWSやGCPなどのListed ProviderをDCPやアウトソーシング先として利用し、従来と同じ形でSPLAライセンスを提供することができなくなりました。
この変更によって、事業者が受ける主な影響は以下の通りです。
・エンドユーザーへのSPLAサービス提供の終了
・ライセンス提供モデルの切り替え
(SPLA→Listed Provider直接、SAのライセンスモビリティなど)
など
対象となった事業者では、利用基盤の変更やListed Providerが提供するライセンスへの切り替えなど、提供形態・契約モデルの見直しが必要となりました。
改定による影響(SPLAを利用している企業ユーザー側)
利用者側への影響例
・利用していたサービスの提供条件・ライセンス形態の変更
⇒SPLA提供終了により、別のライセンスへの切り替えが必要になるケース
・コストや運用負荷が増加する可能性
⇒従来のSPLAによる提供が終了し、別のライセンス提供モデルや利用環境への切り替えが必要になる場合がある
⇒自社管理ライセンスやクラウド事業者からの直接ライセンス取得へ移行することで、IT部門の管理業務が増える場合がある
特に、Windows ServerやOffice、SQL Serverなどをサービス事業者経由で利用している企業は、現在のライセンス提供方法や利用基盤を確認しておくと安心です。利用停止リスクに加え、コスト上昇や運用管理の複雑化といった課題に直面するおそれがあります。
SPLAライセンスを利用しているかの確認ポイント
対策を検討する前に、利用中のマイクロソフト製品のライセンスがSPLAに該当するかどうかを確認しましょう。
確認ポイント①:ライセンス保有状況の確認
・マイクロソフト製品のライセンスを自社で購入し保有している
→基本的にSPLAの影響なし
・自社でライセンスを購入していないが、マイクロソフト製品を利用中
→SPLAの可能性あり、要確認
Office、Windows Server、SQL Server、RDSなどを契約事業者経由で使っているが自社でライセンスを持っていないという場合は、続いて以下を確認してください。
確認ポイント②:契約している事業者の確認
・Listed Provider(AWSやAzureなど)から直接ライセンス込みのサービスを契約している(例:EC2のWindows Serverライセンス込みインスタンス)
→今回禁止された、SPLA事業者によるListed ProviderへのSPLAアウトソーシングには該当しない
・Listed Provider以外のクラウド、ホスティング事業者と契約している
→SPLAの可能性あり
たとえば、AWS EC2のWindows Serverライセンス込みインスタンスなど、Listed Provider自身からライセンスを含むサービスを直接利用するモデルは、今回禁止されたSPLAアウトソーシングの形態には該当しません。
一方で、事業者のホスティングサービスで月額払いにてマイクロソフト製品を使っている場合は、SPLAで提供されている可能性が高いため、SPLAで提供されている可能性がある場合は、現在のライセンス提供方法や利用基盤について提供元事業者へ確認することをおすすめします。
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2025年10月改定後に選択できるライセンス・運用方法
Listed Providerのライセンス提供モデルに切り替え
Listed Provider自身がMicrosoftライセンスを含めて提供するサービスやプランへ切り替える方法です。
・メリット:Microsoftライセンスを個別に調達・持ち込む必要がなく、ライセンス管理の負担を軽減しやすい
・デメリット:クラウドサーバー(IaaS)の構築、運用知識と工数が必要。長期的に見て運用コスト増加の可能性あり。
・ポイント解説:IT管理リソースに余裕があり、既にAWSやAzureの管理経験がある企業にとっては、比較的スムーズな移行ルートといえます。
SAライセンスモビリティを利用したBYOLへ移行
SQL ServerなどLicense Mobility through Software Assuranceの対象となるサーバーアプリケーションについては、有効なSoftware Assurance(SA)付きの対象ライセンスを保有している場合、Microsoft AzureまたはAuthorized Mobility Partnerの環境へライセンスを移行できる場合があります。ただし、Windows ServerはLicense Mobility through Software Assuranceの対象外です。対象製品や適用条件は、Microsoftの最新のProduct Termsを確認する必要があります。
・メリット: 現行クラウド環境を変更せず維持できる
・デメリット: ライセンスコストが高くなる傾向。持ち込み条件は事業者ごとに異なり、確認・管理が複雑。
・実務補足:BYOLを検討する際は、マイクロソフトの「ライセンスモビリティ利用規約」および各クラウド事業者の対応状況を事前に確認しておくことが重要です。
オンプレミス環境へ移行(自社運用)
クラウドからオンプレミスへ回帰し、自社で物理サーバーに切り替える方法です。
・メリット:ライセンス構成やインフラ設計の自由度が高い。長期的に自立運用が可能。
・デメリット:移行コスト、初期投資、保守運用コストの負担。
SPLA継続可能なホスティング事業者への移行
Listed Providerに該当せず、現行のSPLA要件を満たすホスティング事業者では、SPLAを利用したMicrosoft製品の提供を継続できます。
現在の使用環境に近い形での移行ができるため、大きな構成変更を避けたい企業に適した選択肢といえます。
・メリット: 従来通りの月額課金で利用可能。ライセンス管理不要。
・デメリット: 事業者の選定に時間がかかる
・信頼できる選び方:SPLA対応事業者を選び、希望するMicrosoft製品や利用形態に対応可能か確認することが重要です。
SPLA利用前に確認したいポイント
マイクロソフトによるSPLAライセンスの改定は、一見すると一部の事業者に限定された話のように見えますが、実は多くの企業に影響を及ぼす重要な変更です。
以下では、既にSPLA環境を利用している方・これからクラウド導入を検討している方それぞれに向けた、現実的な対応策を解説します。
既にサービスを利用中の方へ:現在の契約・ライセンスを確認
2章を参考にSPLAライセンスを利用しているかを確認のうえ、SPLAを利用している場合は、現在の利用基盤やライセンス提供方法が現行ルールに沿っているか確認しましょう。ライセンスやインフラの見直しが必要な場合は、移行先ごとにライセンス費用、インフラ費用、移行コスト、運用負荷などを比較することが重要です。専門のコンサル、パートナーへの相談や、トライアルサービスがあれば申込み、スモールスタートで移行の検証・評価を実施することも有効です。
今後クラウドサーバー等の利用を検討している方へ:選定段階からの見極めがカギ
Microsoft製品を利用する際は、料金やスペックに加え、ライセンスの提供方法も確認しましょう。SPLAを希望する場合は、対応事業者を選ぶことが重要です。「クラウド」だけにこだわらず、VPSや共用サーバーといったレンタルサーバー形態も候補に含め、用途に応じて柔軟に比較検討することをおすすめします。
信頼できるSPLAパートナーとして:Winserverのご紹介
MicrosoftのホスティングパートナーであるWinserverでは、現在もSPLAを利用したMicrosoft製品の提供に対応しています。幅広い用途に対応するVPSや共用サーバーで、OfficeやSQL ServerなどのMicrosoft製品を、SPLAに基づく月額課金で利用できます。
よりカスタマイズの自由度が高い専用サーバー、プライベートクラウドプランも用意しています。
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まとめ
本記事では、SPLAの基本的な仕組みと、2025年10月に適用されたアウトソーシングに関する規約変更、その後のライセンス・運用方法について解説しました。この記事でSPLAという言葉を初めて知った方も多いと思います。
このライセンス改定は大きく報道されてはいませんが、多くの業者がAWSやGCPといったListed Providerの基盤でサービスを展開しているのは確かですので、クラウドやホスティングサービス上でMicrosoft製品を利用する場合は、利用しているサービスだけでなく、ライセンスの提供元や契約形態も把握しておくことが重要です。マイクロソフトの複雑なライセンス形態のなかで、いかにイニシャル・ランニングコストを抑えていくことができるか、SPLAを含むMicrosoftライセンスは、製品や利用環境によって適用条件が異なります。現在の契約や利用環境を整理し、自社のコストや運用体制に合った方法を選ぶ際の参考にしてください。
参考リンク
※この記事は2026年9月時点の情報に基づいて執筆されています。掲載内容は将来的に変更される可能性があります。
※本記事の情報は、各ソフトウェアの公式サイトおよび開発元のドキュメントに基づいて作成しています。
最終更新日:2026年9月11日
この記事の執筆者について:
本記事は、Windows専門レンタルサーバーを20年以上提供する「Winserver(株式会社アシストアップ)」が運営する公式コラムです。
当社はMicrosoft SPLAパートナーとして、法人・個人を問わず多数の顧客に対し、Windows Server環境の導入・運用支援を行ってまいりました。
執筆・構成は、技術サポートとマーケティングチームが共同で担当。実際に社内導入やお客様からのフィードバックに基づいた情報をもとに執筆しています。
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