この記事の信頼性:本記事は、Windows Serverを20年以上提供している「Winserver」のマーケティングチームおよび技術チームが執筆しています。実際に企業ユーザーから寄せられた設定相談やサポート事例に基づき、初心者にもわかりやすく解説しています。最終更新日:2025年7月24日
ユーザーの信頼を得るために、現在ではすべてのWebサイトに対してSSL証明書の実装が不可欠です。
本記事では、Windows ServerのIISにSSL証明書を設定する方法を解説します。
IISでの証明書インストール手順のほか、証明書の取得に至るフローや、拡張子について、初心者の方でも分かりやすくまとめてありますのでお役立てください。
対象読者:IIS環境でSSLの設定を必要とする方
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目次
SSLとは
SSLの役割
SSLはインターネット上の暗号化通信の仕組みの一つで、第三者による改ざんや成りすましから保護するためのプロトコルです。
そして、この暗号化通信において必要になるのがSSL証明書です。
現在ではSSLの後継である「TLS」というプロトコルが使われているため、本来は「SSL/TLS証明書」が正しいかもしれませんが、今でも慣例でSSL証明書と呼ばれることが多いため、本記事でもSSL証明書と記載します。
SSL証明書について詳しくは以下の記事にまとめているので、ご覧ください。

2020.04.23
SSLサーバー証明書とは?暗号化通信に必須。具体的に解説!
Webサイトなどで「SSL対応」とか「SSLによる安全な通信」といったキーワードを目にすることがあると思います。セキュリティの高い暗...
SSLの必要性
近年ではセキュリティ対策ニーズが高まり、SSLを使用した暗号化を実装し安全な通信を行うことがWeb運営において必須となっています。
SSLを使用しない通信は安全性に欠け、一部のブラウザでは警告が表示されたり、ブロックされたりするケースも増えています。
Webサイト「王道DX」による「世界・国内主要企業サイト 常時SSL化対応(認証レベル)調査」では、2023年時点で世界主要企業の約9割、国内主要企業の約10割がSSL化されているという結果が出ています。
つまり、WebサーバーやWebサイトの運営者にとって、SSL証明書を実装し管理していくことは必要不可欠といえます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

2022.07.14
SSL証明書の有効期限が切れるとどうなるのか。期限切れを防ぐには
この記事の信頼性:本記事は、Windows Serverを20年以上提供している「Winserver」のマーケティングチームおよび技術チーム...
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IISでSSLを設定するまでの流れ
証明書の取得からインストールまで
SSL証明書は認証局(CA)と呼ばれる機関から発行されます。審査の承認が完了して発行された電子証明書をサーバーにダウンロードし、IISに設定する流れになります。
【SSL設定までの流れ】
①CSR(証明書署名要求)の作成
②証明書の申込み
③認証局による審査と承認
④SSL証明書の発行
⑤SSL証明書をIISにインストール ←本記事で解説します
⑥利用開始
レンタルサーバー業者によっては①~④の手続きを代行してくれるサービスがオプションで用意されていることもあります。
面倒な取得作業が省けるうえに有効期限切れも防げるので、こうしたサービスの利用を検討するのもおすすめです。
SSL証明書は以下の3層構造で構成されています。
・ルート証明書
・中間(CA)証明書
・サーバー証明書
このうちIIS(サーバー側)に設定する必要があるのは中間(CA)証明書とサーバー証明書です。
申込みから発行までの所要時間は、証明書の認証レベルにより異なりますが、概ね即日~2週間程度です。
SSL証明書の形式と拡張子
審査機関で承認が終わるとSSL証明書をダウンロードできますが、ファイル形式や拡張子の種類が多いので注意が必要です。
混同しやすいため、代表的な形式を表で一覧にまとめました。
PEM形式 | .pem, .crt, cer, .key | ASCII形式 Linux(Apache)でよく使われる 秘密鍵は別ファイル |
DER形式 | .der, .cer | バイナリ形式 WindowsやJavaでよく使われる |
PKCS#7形式 | .p7b, .p7c | サーバー証明書+中間証明書がセット IISでよく使われる |
PKCS#12形式 | .p12, .pfx | サーバー証明書+中間証明書+秘密鍵がセット IISでよく使われる |
形式ごとに拡張子は標準化されておらず例外もあります。
たとえば.cerはPEM形式・DER形式のどちらでも使われる場合があります。
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IISユーザーが押さえておきたいポイント
①IISで主に使われるのは「PKCS形式」
IISでよく使われるのはPKCS形式です。認証局から複数の形式を選べる場合はPKCSを選択しましょう。
メリットとして、中間証明書を別途インストールする必要がなくなる点があげられます。
②拡張子の違いに注意
.crtはLinuxでよく利用される拡張子で、Windowsでは.cerが一般的です。必要に応じて拡張子を変更しましょう
(Linuxの方がWebサーバーのシェアが高いため、形式や拡張子がLinux向けになっていることが多いです)。
③証明書の形式変換には「OpenSSL」が便利
応用技になりますが、OpenSSLというツールを使うことで形式を変更できます。
例:
・DER証明書をPEM証明書へ変換
・DER秘密鍵をPEM秘密鍵へ変換
・PEM証明書とPEM秘密鍵を結合しPKCS#12へ変換
IISでSSLを設定する手順
新規でWindowsサーバーに証明書をインストールし、SSLを設定する方法について説明します。
操作手順と画面のイメージは以下の動作環境で確認したものです。
【動作環境】
OS:Windows Server 2022
IIS:10.0
なお、作業にあたっては管理者権限が必要となります。
中間(CA)証明書のインストール
中間(CA)証明書をサーバー証明書とは別に取得し、証明書ファイルに結合されていない場合は、以下の手順でインストールしてください。
※サーバー証明書と中間証明書が1つにまとまった形式(PKCS#7など)で証明書が保存されている場合は、この手順は不要です。
①「ファイル名を指定して実行」に「mmc」と入力してOKをクリック→「Microsoft管理コンソール (MMC)」を開く
②「ファイル」→「スナップインの追加と削除」をクリック
③「証明書」を選択→追加ボタンをクリック
④「コンピューターアカウント」を選択→「次へ」をクリック
⑤「ローカルコンピューター」を選択→「完了」をクリック
⑥証明書スナップインが追加されたことを確認し、「OK」をクリック
⑦「証明書(ローカルコンピューター)」→「中間証明機関」→「証明書」をクリック
⑧「操作」→「すべてのタスク」→「インポート」をクリック
⑨ウィザードが開いたら「次へ」をクリック
⑩「参照」をクリック→保存した中間(CA)証明書ファイルを開いて「次へ」をクリック
⑪配置先の証明書ストアが「中間証明機関」になっていることを確認し、「次へ」をクリック
⑫設定内容を確認し「完了」をクリック
⑬以上で完了です。mmcコンソールは保存せずに閉じて問題ありません。
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サーバー証明書のインストール
サーバー証明書のインストールはmmcスナップインからではなく、IISマネージャーから行います。
証明書をインストールした後は、対象のWebサイトに対してバインド設定を行う必要があります。
①IISマネージャーを起動する
②ホーム画面で「サーバー証明書」アイコンをダブルクリック
③操作メニューから「証明書の要求の完了」をクリック
④「証明機関の応答が含まれるファイルの名前」に、取得したサーバー証明書ファイルを開いて指定する。「フレンドリ名」には判別しやすい任意の文字列を入れて「OK」をクリック。
⑤IISマネージャーの左側のメニューから対象のサイトをクリック
⑥操作メニューから「バインド」をクリック
⑦「追加」をクリック
⑧ポートが443になっていることを確認し、「SSL証明書」のプルダウンから④で設定したフレンドリ名を選択し、「OK」をクリック
⑨httpsが追加されたことを確認し「閉じる」をクリック
これでSSLの設定は完了です。
反映するにはIISのサービス再起動が必要になります。
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証明書のバックアップ
障害に備えて証明書・秘密鍵のバックアップを取得する手順を解説します。
①IISマネージャーを起動
②ホーム画面で「サーバー証明書」アイコンをダブルクリック
③バックアップ対象の証明書をクリック→操作メニューから「エクスポート」をクリック
④エクスポート先のファイル名(.pfx形式)を指定し、任意のパスワードを設定して「OK」をクリック
まとめ
Windows ServerでIISにSSL証明書を設定する手順は決して難しくありません。
しかし、認証局への申請~発行の手続き、SSL証明書の形式や拡張子の違いなどでつまずくケースも少なくありません。
また、インストール作業には管理者権限が必要となる点にも注意が必要です。
今後Webサイトの構築を検討している方は、SSLが確実に設定でき、サポートも手厚いホスティングサービスを検討してみるのも有効な手段です。
WinserverのWindows VPSなら、管理者権限付きでIISの管理も自在に行えるほか、SSLの取得代行オプションも利用できます。
メールのやり取りにて必要事項をヒアリングしながら手続きを進めていくことができるので、初心者でも安心です。
初期費用無料で今すぐスタートできますので、お気軽にお問い合わせください。
参考リンク
※この記事は2025年7月時点の情報に基づいて執筆されています。掲載内容は将来的に変更される可能性があります。
※本記事の情報は、各ソフトウェアの公式サイトおよび開発元のドキュメントに基づいて作成しています。
最終更新日:2025年7月24日
この記事の執筆者について:
本記事は、Windows専門レンタルサーバーを20年以上提供する「Winserver(株式会社アシストアップ)」が運営する公式コラムです。
当社はMicrosoft SPLAパートナーとして、法人・個人を問わず多数の顧客に対し、Windows Server環境の導入・運用支援を行ってまいりました。
執筆・構成は、技術サポートとマーケティングチームが共同で担当。実際に社内導入やお客様からのフィードバックに基づいた情報をもとに執筆しています。
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