IT技術の急速な発展に伴い、あらゆるサービスがインターネットを介して提供されるようになりました。
例えば、ソフトウェアを提供するSaaSや、ITインフラを提供するIaaSなどがあります。
その中でも、預金や為替といった銀行業務を提供するサービス「BaaS」が登場し、注目を集めています。
本記事では、BaaSの基本知識やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
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目次
BaaSの基本知識
BaaSの概要
BaaS(Banking as a Service)とは、預金や為替などの銀行サービスをインターネットを介して提供するビジネスモデルです。
今までは、銀行や金融サービスを提供するFintech企業が顧客に対して提供していた業務を、BaaSを利用すればAPIを介して銀行の機能をシステムに組み込むことが可能になりました。
例えば、ECサイトの決済機能やスマホアプリでの口座管理は、BaaSの機能を利用して実現しています。
このように、銀行以外の事業者も、自社サービスの一環として金融機能を提供できるようになりました。
また、「BaaS」にはもう1つの意味があり、「Blockchain as a Service」の略称として使われることもあります。
ブロックチェーン(Blockchain)とは、ネットワークで暗号化されたデータをブロック単位で管理し、それをチェーン(鎖)のように連結して保存する技術です。
この技術を活用すれば、仮にデータが改ざんや破壊をされたとしても、ネットワーク上の別の端末が正しいデータを保持しているため、事実上改ざんが不可能となります。
ブロックチェーンは仮想通貨の取引履歴の管理などで利用され、BaaSはこれをサービスとして提供します。

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BaaSが求められる理由
BaaSが求められる背景として、以下のような要因が挙げられます。
・金融サービスの需要増:スマートフィンやインターネット環境の普及により、金融サービスのニーズが拡大
・利便性の向上:あらゆる業界で金融機能が求められ、より便利な決済、送金手段が必要とされている
・新たな収益源の確保:銀行はBaaSを通じて自社の金融機能を提供することで、新たな収益を得ることができる
・競争の激化:デジタル技術の進化により、Fintech企業が台頭し、銀行との競争が激しくなっている
これらのニーズに対応できるBaaSは利用者だけでなく、銀行や事業者からも求められる重要なサービスとなっています。
BaaSのメリット
BaaSは、利用者・金融機関・事業会社のそれぞれの立場で異なるメリットがあります。
以下に詳しく解説します。
利用者にとってのメリット
BaaSの最大の恩恵を受けるのは、サービスを利用する一般消費者です。
主なメリットは以下の3点です。
・手続きの簡素化
従来のように銀行店舗に出向く必要がなくなり、スマホからいつでも銀行の機能を利用できる
・シームレスな金融体験
他のアプリと金融機能が統合され、銀行アプリに切り替える手間が省ける
・選択肢の拡大
多様な金融サービス提供者の参入により、魅力的な金利や手数料、革新的なサービスを利用できる
例えば、ショッピングアプリで商品購入時にローン申請や分割払いを同時に設定できるなど、スムーズな決済体験が可能になります。
金融機関にとってのメリット
・手数料収益の拡大
BaaSを提供することで、API接続料や取引手数料などの収益を確保できる。取引量の増加に伴い、安定した収益が期待できる。
・新規顧客データの獲得
これまで金融機関を利用していなかった顧客層にもアプローチすることができ、事業会社を通じて顧客データを取得可能。
例えば、顧客の行動パターンを分析し、ニーズを把握することで、顧客に対して魅力的なサービスやマーケティングを展開することができる。
・競争力の強化
フィンテック企業との競争が激しい中、BaaSを活用することで顧客満足度を向上させ、市場やシェアを拡大できる。
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事業会社にとってのメリット
・利便性の向上
自社アプリやWebサービスに銀行機能を組み込むことで、利用者の決済や取引がスムーズになり、顧客満足度向上につながる。
・信頼性の向上
銀行のセキュリティ基準に準拠した金融機能を活用することで、自社サービスの信頼性を高められる。
・競争力の強化
BaaSを導入することで、他社サービスとの差別化が可能になり、市場の変化にも迅速に対応できる。
BaaSのデメリット
コストが高い
BaaSを導入するのに最も大きな課題が「コストが高い」という点です。
API連携の導入費用や銀行への手数料が発生し、
取引量が増えるほど、コストが増大します。
また、コンプライアンスやセキュリティ対策への投資が必要であり、法規制への対応にもコストがかかります。
以上のことから、BaaSの導入は長期的な視点でコスト面の課題を十分考慮する必要があります。
ベンダーロックインのリスク
ベンダーロックインとは、特定のBaaSプロバイダー(サービス提供者)に依存し、他のサービスへ移行しにくくなるリスクのことです。
例えば、BaaSプロバイダーが独自のAPIを使用している場合、一度システムに導入すると別のプロパイダーに変更することが困難になります。
もしBaaSプロバイダーが手数料の引き上げやサービスを終了するとなった場合、他のプロバイダーに移行したくてもシステム改修が必要となり、移行できない状況に陥ります。
このようなリスクを回避するためには、複数のベンダーを利用する、標準化されたAPIを採用するなど、システムの互換性やデータ移行のしやすさを考慮することが重要です。
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BaaSを選ぶ際に見るべきポイント
サービスと機能性
BaaSを導入するにあたって最も重要なポイントは「自社のビジネスに適したサービスや機能が提供されているか」です。
特に、以下の点を確認しましょう。
・利用可能なAPIや連携可能なシステムが自社のシステムに適合するか
・必要な機能が揃っているか、揃っていなければカスタマイズが可能か
・認証システムや暗号化技術など、セキュリティ対策が十分か
金融サービスではセキュリティが特に重要視されるため、導入前に慎重に確認しましょう。
実績
BaaSの運用実績は、信頼性や安定性を判断する重要な指標です。
サービスの運用年数、導入している企業数や規模、口コミなどを確認して情報を得るとよいでしょう。
また、導入実績などが公開されていれば貴重な情報源になります。
実績が豊富なサービスは、トラブル対応の経験も多く、安定した運用が期待できます。
サポート体制
金融サービスは24時間365日稼働が求められるため、トラブル時のサポート体制が重要です。
サポート体制については、以下のポイントを確認しましょう。
・連絡手段(電話、メール、チャットなど)
・サポート対応時間帯(24時間対応かどうか)
・緊急時の連絡体制の有無
・日本語対応の有無
・APIなど開発者向けのドキュメントの充実度
特に海外企業のサービスを利用する場合、日本語サポートの有無は重要な判断基準となります。
費用対効果
BaaS導入にはコストがかかるため、費用対効果を十分検討しましょう。
コストは、初期導入費用以外にも、月額固定費や取引量による従量課金、事業拡大に伴う追加コストなどがあります。
短期的なコストだけでなく、長期的な視点で費用対効果を検討しましょう。
まとめ
本記事では、BaaSについて解説しました。
BaaSは、預金や振込、為替などの銀行サービスを他の事業会社が提供するサービス内で利用できる便利な仕組みです。
サービスを利用する消費者、銀行サービスを提供する金融機関、BaaSを提供する事業会社のすべてにメリットがあり、BaaS市場は急速に拡大しています。
しかし、BaaSの導入にはコストの高さやベンダーロックインに陥るリスクといったデメリットも存在します。
そのため、実績・サポート体制・費用対効果を慎重に検討した上で導入を決定することが重要です。
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