フィジビリティとは?必要性やPoCとの違いを解説!

フィジビリティという言葉を聞いたことがありますか?

最近はIT業界でもよく耳にするようになり、システムやサービスの導入、開発といったプロジェクトを進める際にも重要視されるようになりました。

技術が急速に進化する一方で、社会情勢が不確実な昨今においては、プロジェクトの遂行にともなうリスクが増大傾向にあります。

特に、そのリスクを事前に評価し、成功の可能性を高めるためにフィジビリティの検証が欠かせません。

本記事ではフィジビリティの目的やメリット、検証の手順、PoCとの違いについて分かりやすく解説します。

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フィジビリティ・フィジビリティスタディとは

概要

フィジビリティ(feasibility)とは、「実行可能性」や「実現可能性」を意味する言葉です。

ビジネス用語として、新たに企画した事業やビジネスが実現できる可能性や採算性を評価する際に使われるようになりました。

フィジビリティの度合いを示す際には「高い/低い」という表現が用いられます。

また、事業や企画のフィジビリティを調査・検証することをフィジビリティスタディと呼びます。

フィジビリティスタディは事業を実行に移す前に行われ、数週間から事業規模によっては数年かかる場合もあります。

IT業界におけるフィジビリティの重要性

近年はITの現場においても「フィジビリティ」という単語が使われるようになり、以下のようなプロジェクトにおいてフィジビリティスタディが重要視されています。

新規システムの開発、導入
新規ITインフラ(ネットワーク、サーバー)の導入
既存システムのリプレース・改修
既存ITインフラの刷新

など

ITプロジェクトでは、技術的な実現可能性だけでなく、コストやスケジュール、運用体制、リスクなどを総合的に評価することが、プロジェクト成功の鍵となるためです。

そのため、コンサルタントやプロジェクトマネージャーに限らず、プロジェクトに関わるすべてのメンバーがフィジビリティを理解しておくことが、円滑なプロジェクト進行につながるでしょう。

フィジビリティスタディの目的とメリット

目的

失敗を未然に防ぐ

フィジビリティスタディの最大の目的は、プロジェクトの失敗を未然に防ぐことです。

技術面、運用面、コスト面などからプロジェクトの実現可能性を検討することで、実現不可能なプロジェクトを実施に移してしまい損失を出してしまう事態を回避できます。

特に、企画やデザインの段階でフィジビリティが低いにもかかわらず、設計や実装を進めてしまうと、プロジェクトのQCD(※)に深刻な影響を与えてしまいます。

そのため、綿密なフィジビリティスタディの実施は、プロジェクト失敗リスクを最小限に抑えるための重要なプロセスとなります。

※QCD…Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)を並べたもので、プロジェクトマネジメントにおける基本的な評価指標。

意思決定の材料提供

たとえ最初からフィジビリティが高いことが予想されていても、検証によってそれが確認できることには大きな意味があります。

フィジビリティスタディにより得られた各種データは、プロジェクトの方向性を決める際の重要な意思決定の材料となります。

また、実現可能性のほかに採算性を調査するという側面もあり、複数の手段や候補がある場合の比較指標としても活用されます。

フィジビリティスタディの主な目的を「失敗の未然防止」「意思決定の材料提供」の2つとして紹介しましたが、それ以外にも例えば

投資家や関係者を納得させる
PoC(後述)への材料提供になる

といった役割もあります。

このように、フィジビリティスタディは単なる「実現可能性の検証」にとどまらず、プロジェクトの成功確率を高めるための重要なプロセスです。

適切に実施することでリスクを最小限に抑え、より確実な意思決定につなげることができます。

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メリット

初期段階でリスクを回避できる
実現が難しいプロジェクトを早期に発見することで、無駄なリソースの消費を防ぎます。

課題の明確化
プロジェクトを実行するかどうかにかかわらず、フィジビリティスタディを通じて課題やリスクを具体的に特定できます。

プロジェクトの方向性が明確になる
フィジビリティスタディの結果をもとに、プロジェクトの解像度が高まり、目的や範囲が明確に定まります。
これにより、設計・実装フェーズへ移行する際の基盤を整えることができます。

関係者の合意形成ができる
フィジビリティスタディでは、財務・技術・運用などの多角的な視点が考慮されるため、経営層・現場担当者・技術チームステークホルダー間においての適切な共通理解が形成されます。

フィジビリティスタディの進め方

準備

スコープの決定
プロジェクトにおけるスコープとは「何をするか」という範囲のことです。
これを明確にすることで、本来必要のない部分までフィジビリティを調査してしまうことを防ぎます。
また、影響を与えるステークホルダーやクライアントについても洗い出します。

達成項目の定義
目的、成果物、納期など、プロジェクトで達成すべき項目を事前に定義しておくことが必要です。
加えて、プロジェクト発足に至る背景や期待される効果もまとめておくと関係者との認識を統一しやすくなります。

現状分析

課題の洗い出し
プロジェクト実行前の業務フローや作業環境を調査・把握し、分析した上で、課題を明確に洗い出しましょう。

現状評価
課題の洗い出しと並行して、パフォーマンス、コスト、保守性などの観点から現状を評価し、メリットとデメリットを明らかにしておきます。

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プロジェクトの要件決定

課題を解決するために必要なソリューションを整理し、新たなプロジェクトの要件をまとめます。

具体的には、設備の拡充、システムの導入、専門人員の配置など、多角的な視点から必要なアプローチをリストアップします。

この際、ソリューションとして複数の代替策を出しておくことが有効です。

なぜなら、フィジビリティスタディを経てプランが採用されたとしても、その後のPoC(後述)で実現不可能と判断された場合に備えておくためです。

要件を評価

フィジビリティをリサーチし、評価を進めていく際に重要となる4つの主要な評価項目があります。

技術面
必要な技術が利用可能か、また、その技術の導入に必要なリソースが組織にあるか

経済(財務)面
実行に必要な資金があるか、また投資対効果(ROI)が見込めるか

運用面
新しい解決策が現場や顧客に適合するか、運用上必要なリソースが整っているか

法・社会的側面
新しい解決策は地域の法令や規制を遵守しているか

上記4項目はあくまでも基本的な指標です。

例えば、「競合他社に対する優位性があるか」といった市場面や、「会社にとって妥当な期限内にプロジェクトを完了できるか」というスケジュール面といった要素からも評価できるでしょう。

また、現在の社会情勢や金融情勢も考慮し、より具体的な評価を行うことが望ましいです。

評価を進めると同時に、それぞれの観点から抽出されたリスクを取りまとめ、リスク軽減策も計画しておくことも重要です。

検証結果の総括と再検討

提案書の作成
フィジビリティスタディの調査結果をまとめ、プロジェクトの実現可能性を改めて評価します。
その上で、導入を進めるべきかどうかの提案と根拠を示し、ステークホルダーや上層部に提出します。

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ITプロジェクトでの実践例

フィジビリティスタディは、あらゆるプロジェクトで有効です。

土木、建築、起業、商品開発など、ジャンルによって評価ポイントは異なるものの、「様々な観点から実現可能性をリサーチして失敗を防ぐ」という主目的は共通しています。

ITプロジェクトにおいてはどうでしょうか?

例えば、業務効率化のためにクラウドサーバーを導入し、新たなシステムの構築を構想している場合を考えてみましょう。

よくあるケースとして、「コストが安いし、自社で保守する必要がないから」という理由で安易にクラウドを契約し、実装に踏み切ってしまうことがあります。

しかし、この判断では経済面のみのフィジビリティ評価しかされておらず、十分とは言えません。

先ほどの4項目で言えば、やはり技術面・運用面の評価が不可欠になってきます。

クラウドサーバーの契約内容によって、スペックや使用可能な容量に違いがありますし、社内に運用スキルを持つ人材が必要になります。

このような問題を事前に検討しないと、後から「実は自社でサーバーを構築した方が良かった」と後悔するケースが発生します。

フィジビリティスタディを実施し、クラウドとオンプレミスの比較検討を行うことが重要です。

PoCとの違い

最後に、よく混同されやすい「PoC」とフィジビリティスタディの違いについて解説します。

<PoC(Proof of Concept)= 概念実証>

新しいアイデアや技術が実現可能であることを、小規模なスケールで実証するプロセスです。

目的:特定の技術やアイデアの実現可能性を確認する
実施タイミング:プロジェクトの初期段階
特徴:限定的な範囲で実施され、実際に動作するかどうかをテスト

<フィジビリティスタディ>

プロジェクト全体の実現可能性を評価するプロセスです。

目的:プロジェクト全体の実現可能性や採算性を確認
実施タイミング:プロジェクトの企画・計画段階
特徴:プロジェクトの全体像を把握し、実施すべきかどうかを判断する

特徴目的実施タイミング
PoC(概念実証)限定的な範囲で実施し、動作確認を行う特定の技術やアイデアの実現可能性を検証するプロジェクトの初期段階
フィジビリティスタディプロジェクトの全体像を把握し、実施の可否を判断するプロジェクト全体の実現可能性や採算性を確認する企画・計画段階

このように、フィジビリティスタディがプロジェクト全体の実現可能性を評価するのに対し、PoCはプロジェクト全体のうち「特定の技術やアイデア」に焦点を当て、より実践的に検証するという違いがあります。

2つのプロセスは補完関係にあり、一般的には、フィジビリティスタディの結果を受けてPoCを実施し、PoCの結果を基にその後の本格的な展開を判断することでプロジェクトの成功確率を高めることができます。

まとめ

本記事では、フィジビリティについて解説してきました。

フィジビリティスタディは大規模な事業やプロジェクトだけで実施されるものではありません。

IT機器の導入やリプレースなどの身近な計画においても、成功に導くためのカギとなります。

プロジェクトを見切り発車で進める前に、ぜひフィジビリティスタディを実践し、確実な判断を行うようにしましょう。

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