Power Automate Desktopとは?Windows環境の自動化ツールを活用しよう!

この記事の信頼性:本記事は、Windows Serverを20年以上提供している「Winserver」のマーケティングチームおよび技術チームが執筆しています。実際に企業ユーザーから寄せられた設定相談やサポート事例に基づき、初心者にもわかりやすく解説しています。最終更新日:2025年11月13日

Power Automate Desktopとは?業務自動化の仕組みや使い方を解説するWinserverコラムのアイキャッチ画像

PowerAutomateDesktopは、Windows環境でのアプリケーション操作を自動化できるMicrosoft社提供の無償ツールです。

プログラミング知識不要(ノーコード)で、直感的な操作で使えるため、個人利用からビジネス利用まで幅広くおすすめです。

本記事では、PowerAutomateDesktopの特長から使い方まで、プログラミングに自信がない方にもわかるよう解説します。

ぜひ参考にしてください。

対象読者:Power Automate Desktop導入を検討する担当者

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Power Automate Desktopとは

Power Automate Desktopの概要

Power Automate Desktopは、マイクロソフト社が提供するRPA(ロボティックプロセスオートメーション)ツールで、業務の自動化を支援します。

ユーザーは、プログラミングの知識がなくても、ドラッグアンドドロップのインターフェースを使って自動化フローを簡単に作成できます。

このツールを利用することで、反復的なタスクの自動化が可能となり、業務効率の向上が期待できます。

例えば、データ入力、ファイルの移動、メールの送信などのタスクを自動化することや、

クラウドベースのPower Automateと連携して動作し、オンプレミスとクラウドの両方での自動化が実現します。

これにより、ユーザーはビジネスプロセス全体を包括的に自動化することができ、時間とリソースの節約を図ることができます。

Power Automateの種類

Power Automateはデスクトップフローを実行する「Power Automate Desktop」と、クラウドフローを実行する「Power Automate」の2種類があります。

本記事では「Power Automate Desktop」についてご紹介いたします。

Power Automate DesktopPower Automate
実行場所パソコンにインストールし、パソコン内でフローを実行Microsoft Azure上でクラウドフローを実行
連携するアプリパソコン内にインストールされているアプリケーションと連携(Officeソフト、ブラウザなど)外部サービスと連携(Gmail、チャットツール、Webサービスなど)
無償版あり(有償版もあり)なし

無償版と有償版の違い

Power Automate Desktopには、さらに個人向けの無償版と法人向けの有償版があります。

大きな違いとしては「作成したフローを組織で共有・管理できるか」です。

無償版有償版
保存先OneDriveクラウド上
フローの作成可能可能
レコーダー機能可能可能
コネクタ標準コネクタ
カスタムコネクタ
標準コネクタ
カスタムコネクタ
プレミアムコネクタ
作成したフローの共有不可可能
クラウドフローとの連携不可可能
外部サービスとの連携不可可能

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Power Automate Desktopでできること

主な特長

Power Automate Desktopには、以下のような特長があります。

    • プログラミングの知識がなくても、直感的な操作で自動化フローが作成可能
    • 条件分岐やループ処理、エラー処理などの制御で、複雑な業務フローも自動化可能
    • 500以上の「コネクタ」(例:Gmail, Twitter, Slackなど)を通じて他のアプリケーションやサービスと統合可能
    • セキュリティ機能も充実、企業のデータ保護ポリシーに準拠した運用が可能

これらの特長により、業務効率を向上しつつ、ヒューマンエラーの削減やコスト削減を実現できます。

自動化の事例

具体的な自動化の例としては、以下が挙げられます。

    • フォームの入力など、Webブラウザ操作の自動化
    • ExcelやCSVファイルのデータ処理、データ入力、レポート作成の自動化
    • 自動メール送信
    • 大量ファイルの移動やコピーなど

Power Automate DesktopはMicrosoft 365やOffice製品との連携も容易なため、Office製品を使用した多くの業務の効率化が可能です。

Power Automate Desktopの使用方法

インストール手順

Power Automate Desktopは、Microsoft Storeで公開されており、無料でダウンロードが可能です。

Microsoft Store検索画面から「Power Automate Desktop」と入力し検索すると、Power Automate Desktopの詳細画面が表示されます。

Microsoft Storeで表示されたPower Automateのインストール画面。スクリーンショットや評価が表示されている

なお、Windows 11ではOSの機能の一部として最初からインストールされています

インストール後、起動するとホーム画面が表示されます。

Power Automate Desktop のホーム画面。自動化の開始メニューやガイドが表示された初期画面のスクリーンショット

初期設定が完了すると、すぐにフローの作成を始めることができます。

また、初めてのユーザーでもすぐにフローが利用できるように、サンプルが用意されています。

Power Automate Desktop の例画面。Excel 自動化や Web オートメーションなどのサンプルカテゴリが表示された画面

このサンプルには、以下のフローが用意されています。

これらのサンプルを組み合わせて独自にフローを作成することも可能です。

最初にPower Automate Desktopを使い始めるときは、これらのサンプルを実際に動かして動作を確認するとよいでしょう。

カテゴリーフロー
Excelの自動化(5件)
  • Excelの値を検索して置換する
  • Excelの起動
  • Excelを起動してテーブルを抽出する
  • Excelレポートを集約する
  • SQLを使用してExcelデータを操作する
Webオートメーション(3件)
  • Webページのスクリーンショットを取得する
  • Webページを開く
  • Webページのメタデータを取得する
デスクトップオートメーション(11件)
  • アプリケーションの実行
  • ドキュメントの印刷
  • ファイルのコピー
  • ファイル名に日時を追加する
  • フォルダーを開く
  • メモ帳にテキストを送信する
  • 空のファイルを見つけて削除する
  • サイズが指定された範囲に含まれるファイルを削除します
  • 現在の週のカレンダーを印刷する
  • GUIテスト-電卓
  • PowerPointファイルをPDFとして共有する
日時処理(6件)
  • datetimeをテキストに変換
  • テキストをdatetimeに変換
  • 現在の時刻を取得する
  • 日齢を表示
  • 次月の最初の就業日を取得する
  • 前の就業日を取得する
PDF自動化(9件)
  • 2つのPDFを統合する
  • PDFから画像を抽出する
  • 選択したPDFページからPDFを作成する
  • PDFからテーブルを抽出する
  • PDFのページ数を取得する
  • PDFのマージ
  • ページを指定してPDFを分割する
  • PDFファイルを均等に分割する
  • PDFを半分に分割する
テキスト操作(5件)
  • サブテキストの位置を取得する
  • テキストファイルの行を並べ替える
  • テキストファイルの行数を取得する
  • テキストファイルを連結する
  • テキストから電話番号とメールアドレスを抽出する
スクリプト(7件)
  • JavaScript出力を表示する
  • PowerShellスクリプトの出力を表示する
  • Pythonスクリプトの出力を表示する
  • VBScript出力を表示する
  • Pythonでログイン名を取得する
  • VBScriptでExcelをPDFに変換する
  • VBScriptでWord文書からテキストを抽出する
フローコントロール(5件)
  • 条件を使用してファイルが存在するかどうか確認する
  • サブフローを使用してファイルが存在するかどうかを確認する
  • 条件でAND演算子を使用する
  • 条件でOR演算子を使用する
  • ラベルを使用してファイルが存在するかどうか確認します

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基本的なフローの作成

新しいフローを作成するには、ホーム画面上部、または右のボタン「新しいフロー」を選択します。

Power Automate Desktop のホーム画面。新しいフロー作成ボタンが表示され、自動化の作成を開始できる画面のスクリーンショット

ボタンを入力すると、以下の画面が表示されます。

作成するフローの名前を入力し、「作成」ボタンを選択します。

Power Automate Desktop のフロー作成画面。フロー名の入力欄と作成ボタンが表示され、新しい自動化フローを作成できる画面のスクリーンショット

名前を入力すると、実際のフローを作成する画面が表示されます。

画面は大きく「左部(赤枠):アクション」「中央(青枠):ワークスペース」「右部(緑枠):変数」に分かれます。

Power Automate Desktop のフロー編集画面。左側にアクション一覧、中央にフローの編集エリア、右側に変数パネルが表示されたスクリーンショット

フローの作成では、使用したいアクションを選択し、ワークスペースにドラッグアンドドロップで追加します。

例えば、特定のフォルダーからファイルをコピーしたい場合、「ファイル操作」アクションから「ファイルのコピー」を選択します。

その後、対象ファイルを選択するフォームが表示されるので、対象ファイルおよびコピー先を入力します。

Power Automate Desktop の『ファイルのコピー』アクション設定画面。コピー元ファイル、宛先フォルダー、上書き動作などを入力するための設定項目が表示されている

入力が完了すると、フローに組み込まれます。

Power Automate Desktop のフローデザイナー画面で、ファイルコピーアクションが設定された様子。コピー元とコピー先のパスが表示され、変数 CopiedFiles が生成されている

このように、各アクションは設定画面で詳細な条件を指定でき、直感的に操作できます。

フローが完成したら、実行ボタンを押して動作確認を行います。

高度な機能の活用

Power Automate Desktopには、基本的な自動化機能に加えて、高度な機能も豊富に備えています。

条件分岐やループを使って、より複雑なフローを作成することが可能です。

例えば、特定の条件に応じて異なるアクションを実行させたり、繰り返し処理を行ったりすることができます

また、外部アプリケーションとの連携も容易に行え、ExcelやOutlookとの連携によって、データの自動入力メールの自動送信なども可能です。

これにより、業務プロセス全体を効率化し、生産性を向上させることができます。

Power Automate Desktopの注意点

Power Automate Desktopは大変便利ですが、いくつか押さえておくべき注意点があります。

    • フローの設計に時間がかかる場合がある
    • 複雑な業務プロセスを自動化する際には、詳細な設定やテストが必要
    • 使用するにはMicrosoftのアカウントが必要
    • 全ての業務を自動化できるわけではなく、人による判断が必要なものや手作業が必要なものは適さない

これらの点を考慮し、適切な導入と活用が求められます。

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まとめ

本記事では、Power Automate Desktopについて、特長から簡単な使い方までご紹介しました。

Power Automate Desktopはフローを作成することでさまざまな業務を自動化し作業を効率化できます。

多くのサンプルも用意されていますので、興味がある人は実際に使ってみるとよいでしょう。

WinServerでは、Windows環境の仮想デスクトップを低価格かつ簡単に構築できます。

ぜひPower Automate Desktopの試用にご活用ください。

参考リンク

※この記事は2025年11月時点の情報に基づいて執筆されています。掲載内容は将来的に変更される可能性があります。
※本記事の情報は、各ソフトウェアの公式サイトおよび開発元のドキュメントに基づいて作成しています。
最終更新日:2025年11月13日

この記事の執筆者について:
本記事は、Windows専門レンタルサーバーを20年以上提供する「Winserver(株式会社アシストアップ)」が運営する公式コラムです。
当社はMicrosoft SPLAパートナーとして、法人・個人を問わず多数の顧客に対し、Windows Server環境の導入・運用支援を行ってまいりました。
執筆・構成は、技術サポートとマーケティングチームが共同で担当。実際に社内導入やお客様からのフィードバックに基づいた情報をもとに執筆しています。

 

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