RAID50のメリット・デメリット│RAID5やRAID10との違いも徹底解説!

この記事の信頼性:本記事は、Windows Serverを20年以上提供している「Winserver」のマーケティングチームおよび技術チームが執筆しています。実際に企業ユーザーから寄せられた設定相談やサポート事例に基づき、初心者にもわかりやすく解説しています。最終更新日:2025年11月13日

RAID50のメリット・デメリットを解説|RAID5やRAID10との違いもわかりやすく紹介するWinserverコラムのアイキャッチ画像

RAID50はRAID5の冗長性とRAID0の高速性を兼ね備えた構成で、高負荷環境や大容量データ処理に適しています。本記事では、RAID50の仕組み・特徴・メリット・デメリットを整理し、他のRAIDとの違いもわかりやすく解説します。どの構成を選ぶべきか迷う方は、選定のヒントにしてください。

対象読者:中小企業のシステム管理者・情シス担当者、高負荷用途を検討している個人の方

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RAID50とは?

RAIDの基本構造と仕組み

RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数の物理ディスクをひとつの論理ドライブとして扱う技術です。この技術により、ディスク障害が発生してもデータ喪失を防ぐ「冗長性」と、複数ディスクの並列アクセスによる「読み書き速度の向上」が実現できます。

RAIDには、RAID0(ストライピング)、RAID1(ミラーリング)、RAID5、RAID6といった複数の方式が存在し、それぞれ性能や冗長性に違いがあります。RAIDの基本については以下の記事でも解説しています。

RAID5とRAID0の概要

RAID50は、RAID5の構成を1つのグループとし、それら複数のグループをRAID0で統合した構成です。RAID5、RAID0はそれぞれ以下の特徴を持っています。

RAID5の特徴

    • データとパリティ(誤り訂正情報)を複数のディスクに分散して書き込む
    • 1台のディスク故障まで耐えられる高い冗長性
    • 容量効率が高く、冗長性と性能のバランスが良い

RAID5の構成図。3台のディスクにデータとパリティを分散して保存する仕組みを示した図

RAID0の特徴

    • 複数ディスクにデータをストライピングによる分散配置
    • 読み書き速度が非常に高速
    • 冗長性がないため、1台故障すると全データ損失のリスクあり

RAID0の構成図。3台のディスクにデータを分散して書き込むストライピングの仕組みを示した図

RAID50の特徴

RAID50は、RAID5とRAID0の長所を兼ね備えたハイブリッド構成であり、高速処理と障害耐性の両立が求められるサーバー環境で広く採用されています。

RAID50の構成と仕組み

RAID50では、複数のRAID5グループを作成し、それらをRAID0で束ねて一つの論理ストレージとします。例えば、6台のディスクがある場合、3台ずつを2グループのRAID5として構成し、それをRAID0でストライピングするという構成です。

RAID50の構成図。RAID0で複数のRAID5グループを組み合わせたデータ分散と冗長化の仕組みを示した図

この方式では、各RAID5グループがパリティ(Ap、Bp、Cp)を保持するため、グループ内で1台の故障には耐えられます。そしてRAID0での並列アクセスにより、グループ間で高速な読み書きを可能にします。

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パリティの仕組み

RAID5の仕組みにより、各ディスクにパリティ情報が分散されています。RAID50ではこの性質がグループごとに適用されるため、複数グループがある構成でも、各グループでの1台障害には耐えられる安全性を維持できます。ただし注意点として同一グループ内で2台以上のディスクが同時に故障した場合、そのグループのデータは失われるリスクがあります。

読み書き性能が向上する理由

複数のRAID5グループにまたがって並列にアクセスできる構造のため、処理スループットが向上します。特に以下のような場面で効果を発揮します。

    • 複数のI/O要求が同時に発生する環境
    • 大量のデータを高速に処理する業務
    • 高トラフィックなクラウドや仮想化基盤

RAID50は、RAID5と比べて高速な読み書き性能を実現しつつ、各RAID5グループ内で1台までのディスク障害に耐えられる冗長性も備えています。このようにRAID50は、RAIDパフォーマンスとデータ保護を両立した構成といえます。

RAID50と他のRAID構成との違い

RAID50の特徴がわかったところで、RAID6やRAID10との違いをまとめておきます。

RAID6との比較

RAID6の構成図。4台のディスクにデータと2重のパリティを分散して保存する冗長化構成を示した図

RAID6は、2本のディスクにパリティ(誤り訂正情報)を書き込むことで、最大2台のディスク故障に耐えられる構成です。

特徴

    • 高い耐障害性(RAID5よりも安全性が高い)
    • HDDが4本以上必要
    • 保存可能な容量はやや低め(全体のHDD本数から2本分を除いた容量))
    • パリティ計算が増加するため、書き込み性能が若干低下

このように、RAID6は安全性を重視する構成と言えます。

RAID10との比較

RAID10の構成図。RAID0で複数のRAID1ミラーリンググループを結合し、高速性と冗長性を両立する仕組みを示した図

RAID10は、RAID1グループによるミラー構成を複数組み合わせることで、高い耐障害性と高速なデータ処理を両立します。

特徴

    • 1台故障しても、システムは無停止で動作可能
    • RAID50と同様に高速な読み書き性能
    • 利用可能な容量が少なく、RAID50よりコストが高い

RAID10は速度と冗長性のバランスを重視した構成と言えるでしょう。ただしRAID50と比較すると、コスト効率が課題となる場合があります。

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RAID50のメリット

RAID50には、性能・冗長性・拡張性・復旧性の4つの面でメリットがあります。

RAID5単体よりも高い読み書き性能

RAID50は複数のRAID5グループをRAID0で接続するため、複数のグループへ並列アクセスできます。これにより、読み書き処理を複数のディスクで同時に行うことができ、RAID5単体構成よりも大幅に高いパフォーマンスを実現します。この構成は業務システムや仮想化環境など、特に大量のI/Oを扱うシステムで効果を発揮します。

RAID0よりも高い冗長性とデータ保護機能

RAID0は高速性が強みですが、パリティ(誤り訂正情報)の書き込みがなく、冗長性もないため、1台でも故障するとすべてのデータが消失します。対してRAID50では、各RAID5グループにパリティが配置されているため、グループ内で1台の故障であればデータ復旧が可能です。RAID0の速度とRAID5の冗長性を組み合わせることで、「高速かつ安全な構成」を実現できます。

柔軟な拡張性と大容量データへの対応力

RAID50では、RAID5グループを追加することでストレージ容量や性能を拡張できます。RAID10のようなミラー構成に比べて容量効率が高く、大容量データにも柔軟に対応できるのが大きな強みです。

障害発生時の復旧が比較的容易

RAID5の復旧機構(パリティ情報による再構築)がグループ単位で機能するため、RAID50でも1台故障時には該当グループで再構築が行われます。故障したディスクを交換すれば自動で復旧処理が始まり、システム停止時間を最小限に抑えられます。

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RAID50のデメリットと注意点

RAID50のデメリットとして、コスト面や障害時のリスクを把握しておくことも重要です。

RAID5よりも多くのHDDが必要

RAID50は複数のRAID5グループを構成するため、一般的に最低6台以上のディスクが必要です。RAID5単体であれば3台で構成可能ですが、RAID50ではより多くのハードウェアが必要になるため、ディスク数が限られる小規模環境では導入が難しい場合があります。

導入コストが高い

ディスク数の増加は、ハードウェアコスト・電源・冷却・筐体スペースの拡張を伴います。また、RAID50をサポートする高性能なRAIDコントローラーが必要になる場合もあり、その性能やキャッシュ機能がコストに影響を与えます。さらに、電力消費や保守運用にかかるコストも考慮が必要です。

同一グループ内で複数のディスクが故障したときのリスク

RAID50は「各RAID5グループで1台の故障に耐えられる」設計ですが、同一グループ内で2台以上のディスクが同時に故障した場合、そのグループ内のデータは失われます。結果的にRAID50全体も致命的な影響を受ける可能性があり、2台の故障に耐えられるRAID6との安全性の差が明確になります。

RAID再構築時の負荷と時間

障害が発生したディスクを交換して再構築を行う際、パリティ計算やデータ再割り当てが発生し、システムに負荷がかかります。特に容量の大きなディスクを用いた構成では、再構築の完了までに数時間から数十時間を要することもあり、再構築時間が長くなります。このため、再構築中はシステム性能が一時的に低下する可能性があります。

RAID50が向いているケース

RAID50は性能と冗長性のバランスに優れるため、以下のような用途に特に適しています。

データベースサーバー

データベースは頻繁な読み書きが発生するため、高い性能と可用性の両方が求められます。RAID50は大量のI/O処理に耐えながら、1台のディスクが故障してもデータを保護できる構成として適しています。

ファイルサーバー・NAS

企業内のファイル共有やドキュメント管理では、複数ユーザーによる同時アクセスが発生します。RAID50は、RAID5より高いスループットを維持しながら、一定の冗長性も確保できます。その結果、複数部門での同時利用にも十分なパフォーマンスを発揮します。

バックアップストレージ

バックアップデータは大容量かつ高速転送が求められるため、RAID50の性能と容量効率が非常に適しています。障害耐性も付帯するため、安定した運用が可能なストレージ基盤となります。

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まとめと導入判断のポイント

RAID50は、RAID5の冗長性とRAID0の高速性を兼ね備えたハイブリッド構成であり、大規模ストレージや高負荷業務環境で真価を発揮します。

主な特徴は以下の通りです。

    • パフォーマンスと冗長性の両立
    • RAID5より高速、RAID0より安全
    • 容量効率が高く、拡張性に優れる

ただし、導入にはハードウェアコスト・運用コスト・故障リスク・復旧の難易度といったデメリットもあります。特に、同一グループ内における複数故障への耐性がない点や、再構築時に発生するシステム負荷には注意が必要です。

RAIDの選択は、システム要件・業務特性・予算・バックアップ体制などを総合的に検討することが重要です。RAID50は、信頼性と処理速度のバランスを重視する現場にとって、有力な選択肢の一つとなるでしょう。

本記事ではRAID50の特徴とメリット・デメリットを整理しました。システム要件に応じた構成を選ぶ際の参考にしてください。

※この記事は2025年11月時点の情報に基づいて執筆されています。掲載内容は将来的に変更される可能性があります。
※本記事の情報は、各ソフトウェアの公式サイトおよび開発元のドキュメントに基づいて作成しています。
最終更新日:2025年11月13

この記事の執筆者について:
本記事は、Windows専門レンタルサーバーを20年以上提供する「Winserver(株式会社アシストアップ)」が運営する公式コラムです。
当社はMicrosoft SPLAパートナーとして、法人・個人を問わず多数の顧客に対し、Windows Server環境の導入・運用支援を行ってまいりました。
執筆・構成は、技術サポートとマーケティングチームが共同で担当。実際に社内導入やお客様からのフィードバックに基づいた情報をもとに執筆しています。

 

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